シャブリの名門3社による夢の饗宴が実現!

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レポート
公開日 : 2019.7.9
更新日 : 2019.7.11
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シャブリ生産者
左からドメーヌ・ルイ・ミシェルのギヨーム・ミシェル氏、ドメーヌ・ジャン・クロード・コルトーのステファニー・コルトー・ミシュレ女史、ドメーヌ・ダニエル・ダンプのヴァンサン・ダンプ氏
フレッシュな果実味とシャープな酸、そしてミネラル感のあるドライな味わいが人気の白ワイン、シャブリ。特に夏の食卓には、よく冷えたシャブリは欠かせません。
先日、シャブリの名門生産者が揃って来日し、ワインショップ・エノテカ広尾本店にてスペシャルイベントが開催されました。
当日は2種のグラン・クリュをはじめ、貴重なバックヴィンテージを含むシャブリ6種を比較テイスティング。来日した生産者達でさえ「こんな機会はめったにない!」と言うほど素晴らしいラインナップでした。生産者のお話とともにレポート致します。
目次

シャブリの名門3社の歴史

 まずは各ドメーヌの自己紹介から。ドメーヌの歴史や所有する畑、醸造について紹介してくれました。

ドメーヌ・ダニエル・ダンプ

ダニエルダンプ
「ダニエル・ダンプは父の名前で、シャブリでワインを造り始めて4代目となります。ミリー村にドメーヌがあり、今は兄弟二人でドメーヌを切り盛りしています。」とヴァンサン氏。
「現在約24haの畑を所有しています。古木を大切にしながら、プティ・シャブリ、シャブリ、プルミエ・クリュで、合計5種類のワインを生産しています。」
シャブリのプルミエ・クリュを造らせたら右に出るものはいないといわれる名手ダニエル・ダンプのこだわりは、全てのワインをステンレスタンクで醸造していることだそうです。

ドメーヌ・ルイ・ミシェル

ドメーヌ・ルイ・ミッシェル
「私たちはシャブリの中心地であるシャブリ村で1850年からワイン造りを行なっています。ルイ・ミシェルは祖父の名前で、私は6代目となります。所有する畑は25ha、生産量は15万本。プティ・シャブリ、シャブリ、プルミエ・クリュ、グラン・クリュ、とシャブリ全4種のアペラシオンのワインを造っていて、特にプルミエ・クリュとグラン・クリュの比率が高いです。」とギヨーム氏。名門の貫禄がうかがえます。
「今日は熟成したシャブリの偉大さをみなさんと分かちあいたいと思い、テイスティングワインは私自身が選びました。」とギヨーム氏からも嬉しい言葉をいただき、参加者のみなさんもとても喜んでいました。

ドメーヌ・ジャン・クロード・コルトー

ドメーヌ・ジャン・クロード・コルトー
「1984年、ロワール地方出身の父ジャン・クロードがドメーヌを立ち上げました。現在も父が当主を務めています。設立当初は買いブドウでワインを造っていましたが、少しずつブドウ畑を買い広げ現在に至ります。」と少し緊張気味に話すステファニー女史。
「エノテカと私達とのお付合いは既に27年になります。私たちのドメーヌの創業が1984年、エノテカも創業が31年前とのことですから、お互いビジネスを始めてすぐに一緒に仕事を始めたことになります。とても嬉しく思っています。」とお話ししました。
ジャン・クロード・コルトーの拠点はシャブリの北西に位置するリニョレル村。ステファニー女史はご主人のヴァンサン・ミッシェルさんとともに、ドメーヌ・ジャン・クロード・コルトーの他にステファニー・ヴァンサン・ミシェルという名前でも12年前からワイン造りを行っているとのこと。
プティ・シャブリとシャブリは両方のドメーヌで、プルミエ・クリュとグラン・クリュはジャン・クロード・コルトーでのみ造っており、トータルで約30haの畑を所有しているそうです。

畑の個性を知る プルミエ・クリュ比較テイスティング 

次に、おのおのの生産者のプルミエ・クリュをテイスティング。シャブリ地方の地図で畑の位置を確認しながら解説を聞きました。

シャブリ プルミエ・クリュ レ・ヴァイヨン 2017 / ダニエル・ダンプ

シャブリワイン
「このワインは特別で、1級畑ヴァイヨンの中のレ・リスという区画のブドウを50%以上使用しています。レ・リスは1級畑で唯一北向きの区画で、この区画のブドウを使うことでとてもフレッシュなワインに仕上がるのです。ちなみに残りの約50%がシャタンとセシェという東向きの区画のブドウを使ってします。」と地図を指差しながらヴァンサン氏は丁寧に説明してくれました。
ワインの味わいについては「ミネラル感たっぷりのピュアなワインです。魚介類と相性が抜群に良いと思います。また、2017年は素晴らしいヴィンテージでエイジングのポテンシャルも非常に高いです。ステンレスタンクで熟成させているので、テロワールの良さがストレートに表現されていますね。」とコメント。
シャブリらしいフレッシュでクリーンな酸が特徴のワインでした。

シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネル 2016 / ルイ・ミシェル&フィス

シャブリワイン
「シャブリ地方の中心を縦断するセラン川の左岸と右岸とでは、気候も環境も異なります。シャブリのグラン・クリュ七つは右岸にありますが、プルミエ・クリュの畑はシャブリ地方全体に点在しています。それが、シャブリの多様性を生み、おもしろいところでもあるのです。」と語るギヨーム氏。シャブリの全体像をわかりやすく説明してくれました。
「このモンテ・ド・トネルは右岸にあるプルミエ・クリュでグラン・クリュの畑にも近く、恵まれた畑です。岩がゴロゴロしたシャブリ特有の石灰質のキンメリジャン土壌のため、シャブリワインの特徴でもある火打ち石のような香りがします。」とコメント。
ギヨーム氏の言葉通り、確かに火打ち石の香りを感じました。テロワールの個性がしっかりと表現されたワインでした。

シャブリ プルミエ・クリュ ボーロワ 2016 / ジャン・クロード・コルトー

シャブリワイン
 「ボーロワの畑はセラン川の左岸にあり、南東を向いています。日照量が多いためブドウが過熟し、パワフルなワインとなります。2016年の夏は暑かったので、よりしっかりした味わいとなりました。しょっぱい塩気のようなニュアンスを感じるのは土壌によるものと思われます。」と、ステファニー女史もワインの味わいはテロワールに由来することを説いていました。
また、この畑のテロワールは複雑なので、醸造はいたってシンプルにできるだけ手を加えずに行なっているとのこと。「白身の魚だけでなく白身の肉にも、スパイスを使った料理ともよく合うワインですよ。」と笑顔で話してくれました。

テロワールへの敬意 圧巻のグラン・クリュ

次に、グラン・クリュ2種をテイスティング。口に含めば、誰もがグラン・クリュたる所以を瞬時に感じ取ることができるほど荘厳なワインでした。

シャブリ グラン・クリュ ブランショ 2015 / ジャン・クロード・コルトー

シャブリワイン
シャブリ グラン・クリュ ブランショ
「セラン川右岸にある南東向きの特級畑ブランショ。フランス語で白を意味するブランが畑名に含まれている通り、石灰質の真っ白い土壌です。他の畑よりも急斜面にあり、午前中にしっかりと日照があるためブドウが完熟します。
2015年の夏もとても暑かったので、完熟したブドウから骨格のしっかりしたワインが出来上がりました。けれども、シャブリのグラン・クリュはどんなに暑い夏を越してブドウが完熟した年であっても、しっかりとした酸が残るワインになるのです。」とステファニー女史はグラン・クリュの特徴を解説してくれました。
また、このワインは1〜2年使用した樽を約20%使用しているので、ワインの中に樽のニュアンスがわずかに感じられるとのこと。他のワインに比べるとほんの少し味わいに柔らかさを感じました。

シャブリ グラン・クリュ グルヌイユ 2006 (1500ml) / ルイ・ミシェル&フィス

シャブリワイン
「グラン・クリュのグルヌイユとはフランス語でカエルです。川の近くある畑で昔はカエルがたくさん生息していたことから名付けられました。グルヌイユは最も小さな特級畑で広さは9ha。そのうちの2haを我々が所有しています。」とのこと。
「グルヌイユでできるワインは非常におもしろくて、熟成させていく過程で開いたり閉じたりします。でも、どんな場面でも力強く、グラン・クリュのポテンシャルを備えたワインになる。凝縮感もミネラル感もありながら、非常にデリケートで、スパイシーさもあります。この複雑味が特級畑グルヌイユの宝だと思います。」とグラン・クリュの偉大さ、素晴らしさをギヨーム氏も称えていました。
「2006年は暖かい年でした。暖かい年はシャブリの造り手としてはより努力が必要です。なぜなら、どんな作柄の年であっても、きちんとフレッシュ感やミネラル感のあるワインを造らなければならないからです。
私たちはグラン・クリュであってもステンレスタンクで醸造し、よりテロワールがワインに忠実に反映するようにしています。そして、年齢を重ねれば重ねるほど、テロワール感が全面にでてくるのです。10年以上の時を経たこのワインにも土壌由来の牡蠣の殻、化石のようなミネラル感がワインの中に感じられるのは、ヴィンテージを超えたテロワールの素晴らしさがあるからです。これこそがグラン・クリュなのです。」
造り手のテロワールに対する敬意を表すコメントがとても印象に残りました。

唯一無二のワイン 

最後は、ダニエル・ダンプ秘蔵の蔵出しワインをテイスティング。多くの参加者が感嘆のため息をついていました。
シャブリワイン
シャブリ プルミエ・クリュ コート・ド・ルシェ 1986 (1500ml) / ダニエル・ダンプ
「コート・ド・ルシェは左岸にあるプルミエ・クリュです。石灰質土壌の南東向きの畑で、しっかりとブドウが完熟するテロワールのため、長期熟成にも耐えうるワインを生みます。畑の良さをピュアに表現したいから、この1986年のワインもステンレスタンクで熟成させています。」とヴァンサン氏は言います。
「若いうちのシャブリは柑橘系のフレッシュさが際立ちますが、長年熟成させると森の中を歩いているようなニュアンスがでてくるのが熟成シャブリの魅力の一つです。樽を使っていないのに、森林のようなニュアンスを感じるのは不思議なものです。シャブリは熟成のポテンシャルがあるので、例えば作柄のよかった2017年も長期熟成可能なヴィンテージになるでしょう。熟成させたシャブリは香りも味わいも、若いものとはガラリと変わります。その変化を存分に楽しんでもらいたいし、その変化こそが熟成シャブリの醍醐味です。」と、熟成シャブリの魅力について語ってくださいました。
グラスに注がれた30年以上の時を経たシャブリは黄金色に輝いていました。
シャブリワイン

おわりに

シャブリはこれまで何度も飲んだことがありましたが、今回のイベントでテロワールや生産者によってこれほどまで風味に違いが現れることを知り、大変驚きました。また、熟成シャブリの味わいは生涯忘れることができないほどの感動を与えてくれました。
これからの季節にぴったりのシャブリを是非飲んでみてはいかがでしょうか。

今回イベントが行われた 広尾本店

住所:〒106-0047 東京都港区南麻布5-14-15
TEL:03-3280-3634 FAX:03-3280-3635
最寄駅:東京メトロ日比谷線「広尾駅」
E-mail:hiroo_shop@enoteca.co.jp
営業時間:11:00~21:00
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