リオハを代表する老舗ワイナリー、マルケス・デ・ムリエタ。この度、マルケス・デ・ムリエタの輸出部長、アーサー・デ・ランクサン氏が初来日!ムリエタのワインについてインタビューさせていただきました。
目次
超有名シャトーのオーナーファミリー
実はボルドーの超有名シャトーのオーナーファミリーの生まれであるフランス人のアーサー氏。幼い頃からワインの英才教育を受け、オークションハウスなどでずっとワインに関わる仕事をしてきた同氏は「私には血より濃いワインが流れているんです(笑)」と話すほどの根っからのワインラヴァー。
ずっと関わってきたボルドーやブルゴーニュ以外の産地のワインを扱う仕事に就きたいと思うようになり、マルケス・デ・ムリエタで働くことを決意したそうです。初めてムリエタを訪れた際にはその畑とシャトーの美しさに感動したということも教えてくれました。
マルケス・デ・ムリエタが位置するのは、スペイン北部の銘醸地、リオハ。中でもリオハ・アルタという古くから特に優れた品質のワインが生まれる地域の南端、標高の高い場所に300haのイガイ・エステートを所有しています。
創業者のマルケス・デ・ムリエタは、「リオハの近代的ワイン造りの父」とも呼ばれ、ボルドーの近代技術を持ち帰り、リオハ全体のワインの品質向上に貢献しました。その偉大な功績により、スペイン王室から「マルケス=侯爵」の称号を与えられたほど。現在もスペイン随一の銘醸地であるリオハを代表するワイナリーとして世界にその名を轟かせています。
今回はアーサー氏に、マルケス・デ・ムリエタの代表的なキュヴェについてご説明いただきました。
熟成ポテンシャルは50年!ボルドーグランヴァンと比較されるフラッグシップ
こちらは、イガイ・エステートの中でも平均樹齢80年を超えるテンプラニーリョが植えられた単一畑「ラ・プラーナ」から生み出されるムリエタのフラッグシップ。数々のベスト・リオハワインに選ばれたスペインを代表するキュヴェです。
ボルドーのグラン・ヴァンとよく比較されるスペイン随一の銘醸ワインですが、アーサー氏によると、イガイは独特のスピリットが感じられる唯一無二のワインだそうです。
「このイガイは、50年はもつ長期熟成のポテンシャルがありますが、ボルドーと異なる点は、若いうちからも楽しめること。カベルネと比べてテンプラニーリョはより丸みがあり、シルキーです。
2009年はボルドーと同じく、リオハも温暖で美しいヴィンテージでした。例年以上に凝縮感があって、長い長い余韻が特徴的です。」
ワイン評論家も絶賛するスタンダード・キュヴェ
こちらはイガイ・エステートの様々な区画のブドウをブレンドしたスタンダード・キュヴェ。19か月もの間アメリカンオークで樽熟成、さらに瓶熟成を経て出荷されます。
アーサー氏曰く
「イガイとは非常に似ていますが、こちらはより若いうちから楽しめます。小さな弟といったところでしょうか。
ブドウの収穫のタイミングを重視しており、青いニュアンスは一切なく、タンニンは非常にシルキーです。2014年は良年で、ヴェルヴェットのようなテクスチャーがあるデリケートな仕上がり。イガイほどは長熟ではありませんが、それでも20年は熟成ポテンシャルがあります。」
とのこと。
ワインジャーナリストの山本昭彦氏にも「ケースで買っても飽きない。」と絶賛されたコストパフォーマンスに優れたキュヴェです。
スペイン最高峰!唯一無二の白ワインカペッラニア・ブランコ・レゼルヴァ
こちらは、マルケス・デ・ムリエタが造るとってもユニークな白ワイン。ムリエタが所有するイガイ・エステート300hのうち、たった6hの畑で育てられるブドウ品種、ヴィウラで造られる白ワインです。赤ワイン用ブドウ品種の畑に囲まれた小さな区画で、なんと1945年に植えられたという樹齢70年以上の古樹のブドウを使用しています。
ヴィウラ自体は本来ニュートラルなブドウですが、フランス・アリエ産の新樽100%で熟成させることによって、アーサー氏曰く「完全にプロファイルが変わりアロマティックな風味が生まれる」そうです。
ムリエタが造る白ワインには、2年前にリリースされ、スペイン産白ワインとしては初めてパーカーポイント100点を獲得した超稀少キュヴェ「イガイ・ブランコ・グラン・レゼルヴァ・エスペシャル1986年」があります。こちらは大樽で252ヶ月、つまり21年もの間樽熟成させてリリースされた特別な白ワインですが、超優良年産のブドウを用い、見事な熟成をした時にだけリリースされるという幻のワイン。
このカペッラニア・ブランコ・レゼルヴァは全く同じ畑のブドウを使用した、その兄弟とも言えるワイン。アーサー氏によると、造り方は全く異なるものの同じ畑のブドウを使用しているのでそのルーツを感じることができるそうです。スペインワイン好きには見逃せないユニークなワインです。
不変のスタイル
伝統と最新技術の融合によって名声を博したマルケス・デ・ムリエタ。80年代に大改装を行いましたが、2017年から新たにワイナリーの大改装を進めており、2020年までに醸造施設の刷新が完了する予定だそうです。改修では最新鋭の光学選果台の導入のほか、タンクも刷新予定で、特により品質の高いワイン造りに欠かせないコンクリ―トタンクを多数導入するそうです。
アーサー氏に「ムリエタの伝統的なスタイルは時代に合わせて少しずつ変えているのでしょうか?」と質問を投げかけてみましたが「スタイルは変えません。」ときっぱり。
ただ、熟成の年数などはヴィンテージ応じて臨機応変に変えており、また、最新鋭の醸造設備の導入からも、スタイル不変であっても品質向上は続けるというワイナリーの一貫した姿勢が感じられます。これこそが、リオハという伝統的な産地のトップとして、時代に取り残されることなく今なお高く評価され続ける名門、ムリエタの秘密なのでしょう。
エノテカのスタッフにも熱烈なファンが多いムリエタのワイン。入荷は限られていますが、エノテカ・オンラインにはイガイをはじめとする3キュヴェが入荷しています。ぜひお早めにチェックを!
マルケス・デ・ムリエタの商品一
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