「コニャック」ってどんなお酒?

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公開日 : 2019.4.24
更新日 : 2023.7.12
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コニャック

ブランデーの中でも、特にブドウを原料としてつくられるコニャックは日本でも古くから愛されているお酒です。今回はコニャックの産地や種類、飲み方などについて徹底解説します!

目次

コニャックとは?

コニャック

ブランデーとは、果実を発酵させた後に蒸留し、樽などで熟成させた蒸留酒のことです。リンゴや洋ナシなど様々な果実から造られていますが、ブドウを原料としたものをグレープブランデーと呼びます。

コニャックは、そのグレープブランデーの中でもフランスのボルドー地方北部にあるコニャック地方で造られ、厳しい規定をクリアしたものです。

醸造はまずブドウでワインを造ることから始まります。そこから出来上がったワインを2回蒸留することでアルコール度数を高めます。

熟成は主にリムーザン産のオーク樽を使用。これにより、オークの風味と色素がブランデーに移り、コニャックらしい琥珀色に染まるのです。最低熟成年数は3年、アルコール分40度以上と定められています。

コニャック地方には約4,500のブドウ栽培農家があり、そのうち8割は1~数器程度の蒸留器を持つ小規模蒸留農家で、10器以上を持つ専門蒸留所は約120軒と、ごく少数です。

使用されるブドウ

コニャックには、ユニ・ブラン(サン・テミリオン・デ・シャラント)、フォル・ブランシュ、コロンバール、モンティル、セミヨンの使用が許可されています。他に補助品種としてフォリニャンが使われることもあります。

ユニ・ブランはイタリアのトスカーナ地方が原産地で、そのイタリアではトレッビアーノと呼ばれています。ニュートラルな品種で、レモンなどの柑橘類やハーブの香りが特徴です。

コロンバールはフランスの中央部と西部が原産の品種です。白桃やライム、ネクタリン、グループフルーツなどの果実に加えてスパイス香もあり、しっかりしたストラクチャーと程よい酸味を持つお酒を生み出します。

コニャックの産地について

コニャック 地図

Grande champagne(グランド・シャンパーニュ)

コニャック地方の中でも中央部に位置し、最高品質のコニャックを生み出す産地です。高級ワインを生み出す土地と同じ石灰岩土壌であるこの地では、繊細で力強くボリューム感があるポテンシャルの高いコニャックを生み出します。また、熟成香がすばらしいことでも知られています。

Petite champagne(プティット・シャンパーニュ)

グランド・シャンパーニュを南西から囲むように広がっている産地です。土壌はグランド・シャンパーニュに似ていますが香りは劣り、コニャック自体も早熟となります。

Borderies(ボルドリー)

グランド・シャンパーニュの西北に位置しており、珪土を含む粘土質土壌の生産地です。この地でできたブランデーは、製造過程でクパージュ(混合)される際に使用されることが多く、スミレの風味を持つことも。

Fins Bois(ファン・ボワ)

グランド・シャンパーニュの北部に位置し、コニャック最大の栽培面積を持ちます。粘土を含む石灰質の土壌でコニャックは柔らかな風味を持ち、比較的早熟です。

コニャックの等級について

コニャックのボトルに表示されている「XO」や「VSOP」の文字は熟成年数を表す表示となっています。

コニャックは「コント」という単位で熟成年数が表示され、収穫翌年の4月1日を「コント0」とし、1年ごとにコントの数を加算していきます。

「VSOP」は「Very Special Old Pale」の略で、コント4以上のコニャックに表示され、原料となるブドウが収穫されてから5年目、最低貯蔵4年を意味しています。他にも「Rêserva」「Vieux」「Rare」「Royal」と表示されることもあります。

「XO」は「Extra Old」の略でコント10、すなわち最低貯蔵10年を意味しています。他にも「Hors d’âge」「Extra」「Ancestral」「Ancêtre」「Or」「Gold」「Inpêrial」と表示されることもあります。

主な銘柄

コニャック業界を支えるのは、ブランド製品を瓶詰めしたり販売したりするネゴシアンで、大手4ブランドとされるヘネシー、マーテル、レミー・マルタン、クルボアジエ。この4ブランドの販売量は、全体の販売量の8割を占めています。また、これにカミュを加えて「5大コニャック」と呼ぶこともあります。

ヘネシー

その中でも人気の高いヘネシーは、アイルランド人のリチャード・ヘネシーによって1765年に蒸留所が設立された老舗メゾンです。

8世代に渡って受け継がれてきた技術を用い、厳選されたブドウで造られたオー・ド・ヴィー(原酒)のみを使用し造られています。年配層だけでなく若い世代にもアピールするため、近年では「ピュア・ホワイト」「ヘネシー ブラック」「フィーヌ・ド・コニャック」など若者向けの新商品も販売しています。

レミー・マルタン

古くからの根強いファンを多く獲得しているレミー・マルタンも、1724年創業の老舗です。

1927年にVSOPフィーヌ・シャンパーニュが発売されると、その卓越した品質が大きな注目を集め、世界的に販売されるようになりました。1948年からはグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュに由来するコニャックだけを生産することに決定し、これはフィーヌ・シャンパーニュ・コニャックと呼称されるようになりました。

現在もそのスタイルは変わらず、素晴らしい品質のコニャックをリリースし続けています。

コニャックの飲み方

コニャックの飲み方

日本では芳醇な風味を楽しむためにストレートやロックで味わうことが多いですが、アメリカでは若いコニャックの多くがカクテルに使用されています。アジア圏では日本での楽しみ方に近く、VSOPクラス以上の製品が主にストレートで愛飲されています。

アルコール分が40度を超えるため、チェイサー(水)とともに楽しむことを推奨します。

ブランデーを使用した人気の高いカクテルは、ホワイトキュラソーやレモンジュースとシェイキングしたサイドカーや、小型のカクテルグラスにストレートで注いだ上にグラニュー糖や上白糖を盛ったレモンを乗せ、口の中でブレンドして楽しむニコラシカなどがあります。

アルマニャックとの違い

コニャックと並んで有名なブランデーにアルマニャックがあります。なんだか名前も似ているコニャックとアルマニャックですが、二つの大きな違いは産地です。

コニャックはボルドー地方の北に位置するコニャック地方で、アルマニャックはボルドー地方から南に位置するアルマニャック地方で生産されるブランデーです。

また、アルマニャックはコニャックとは製造過程にも違いがあります。コニャックは2回の単式蒸留で造られるのに対して、アルマニャックはアランビックと呼ばれる連続式蒸留器を使って1回の蒸溜で造られています。

一般的に単式蒸留器で2回蒸溜するコニャックの方が雑味が少ない上品な味わいで、連続式蒸留器で1度しか蒸溜しないアルマニャックはワイルドで野性的な味わいと言われています。

まとめ

少し大人の雰囲気が漂うお酒の代表格・コニャック。アルコール度数が高くて飲むのをためらってしまうという人も少なくないのではないでしょうか?

しかし、水やソーダで割ったりカクテルにすることで飲みやすくもなり、色気のある風味をお手軽に楽しむことができます。

今まで避けてきたという人も、この機会にコニャックを楽しんでみてはいかがでしょうか。

参考:『2019 ソムリエ協会教本』一般社団法人日本ソムリエ協会

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