【ブドウ品種を知ろう】モンテプルチアーノとは?

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公開日 : 2026.2.2
更新日 : 2026.2.2
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モンテプルチアーノ

モンテプルチアーノ。イタリアワインでよく目にする名前の一つかもしれません。


赤ワイン好きなら一度は聞いたことがあっても、「どんなブドウ品種?」「地名と同じ名前だけど関係あるの?」と、意外とあいまいなままの人も多いのではないでしょうか。


この記事では、モンテプルチアーノの特徴や代表的な産地、味わいに合う料理、おすすめのワインをソムリエの解説付きで詳しくご紹介します。

モンテプルチアーノのワイン一覧

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解説してくれるのは、田邉公一さん


J.S.A 認定ソムリエ 飲と食の様々な可能性を拡げていく活動をしています。 2003 年 J.S.A 認定ソムリエ資格取得 2007 年 ルイーズ・ポメリー ソムリエコンクール優勝 2018 年 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL 資格取得 著書『ワインを楽しむ 人気ソムリエが教えるワインセレクト法』(マイナビ出版)2023 年 12 月発売 2025年10月に新著 「THE STUDY OF WINE」 を出版 映画「シグナチャー 〜日本を世界の銘醸地に〜」にソムリエ役として出演 オリジナル日本酒「几鏡 by Koichi Tanabe」を2024年よりリリース X(旧 Twitter):@tanabe_duvin Instagram:@koichi_wine

目次

特徴

特徴

モンテプルチアーノは、イタリア中部から南部にかけて広く栽培されている黒ブドウ品種。なかでもアブルッツォ州を代表する赤ワイン用品種として知られています。


名前はトスカーナ州の町「モンテプルチアーノ」と混同されがちですが、同地で造られる「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」とは別ものです。


栽培の中心となるのはアブルッツォ州。そのほかはマルケ州やウンブリア州など、アドリア海沿岸を中心に栽培されています。イタリア全体では栽培面積がサンジョヴェーゼに次いで第2位と多く、イタリアの風土に深く根付いた品種といえます。


「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」は、原産地が法律で守られたD.O.C.ワイン。かつてはブレンド用として扱われることもありましたが、近年は品質が大きく向上し、産地ごとの個性も注目されるようになりました。

特徴

ブドウは果皮が厚く、色調が濃いのが特徴。果実味は豊かですが、タンニンは比較的穏やかで、バランスの良いワインになります。温暖な気候を好み、病害にも強いため、安定した収量が得られます。


ブラックチェリーやプラム、ブラックベリーを思わせる果実味に、なめらかなタンニンとほどよい酸が調和した、親しみやすい味わい。サンジョヴェーゼに比べると酸味は控えめで、果実のボリューム感が際立ちます。


フルーティーで早くから楽しめるタイプから、長期熟成に向いた重厚なスタイルまで表現はさまざま。また、色調の濃いロゼワイン「チェラスオーロ」も、モンテプルチアーノならではの魅力です。

ソムリエ解説!モンテプルチアーノの魅力は?

モンテプルチアーノから造られた赤ワインの魅力は、完熟したブラックベリーやブラックチェリーなどの黒系ベリーフルーツの豊かなアロマと風味を純粋に楽しめるところです。 良い意味でシンプルさがあり、ブドウのエネルギーをそのまま感じることができ、考えながら飲む必要がなく、幅広いお料理と一緒に気軽に楽しむことができます。 温度やグラスもお好みに合わせて、赤ワインの美味しさをストレートに体感できます。全体的に価格がリーズナブルなものが多いのも、日常的にワインを楽しむ方にとっての大きな魅力の一つです。

ソムリエ解説!モンテプルチアーノという地名がある?

モンテプルチアーノという名前は、イタリアのワイン産地において、ブドウ品種と地名の両方に使われているため、混乱してしまう方も多いと思います。 地名としてのモンテプルチアーノは、イタリア中部トスカーナ州にある、中世の城壁に囲まれた丘の町のことで、ルネサンス建築や美しい景観で知られ、ワイン文化が非常に盛んです。ここで造られる代表的な赤ワインが、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノで、こちらはサンジョヴェーゼを主体としています。 一方、ブドウ品種のモンテプルチアーノは、主にマルケ州やアブルッツォ州などで栽培され、町のモンテプルチアーノとは、歴史的にも品種的にも直接の関係はないとされています。 同じ呼び名だとしても、地名と品種ではワインの個性が異なるため、開ける前によく理解しておく必要があります。

代表的な産地

モンテプルチアーノの主な産地であるイタリア・アブルッツォ州について詳しく紹介します。

イタリア・アブルッツォ州

イタリア・アブルッツォ州

アブルッツォ州は、イタリア中部アドリア海沿岸に広がる、モンテプルチアーノ最大の産地です。東は海、西はアペニン山脈に囲まれた地形が特徴で、十分な日照と昼夜の寒暖差により、果実味の厚みに、バランスの取れた酸が加わります。


ここで栽培されるモンテプルチアーノは、果皮が厚く色調が非常に濃いのが特徴。完熟するとブラックチェリーやプラムを思わせる凝縮した果実味を備え、タンニンは量感がありながらも比較的なめらかです。


温暖な気候のもとで安定した成熟を迎えやすく、フレッシュで親しみやすいスタイルから、しっかりとした骨格を持つ長期熟成向きのワインまで、幅広い表現が可能な品種といえます。

ソムリエ解説!イタリア以外で造られているの?

ブドウ品種モンテプルチアーノは、中部イタリアの伝統的な固有黒ブドウ品種として、世界的に広く知られており、現在も栽培面積と生産量の大半は、イタリア国内に集中しています。 その一方で、少量ながらイタリア以外の国でも栽培されており、オーストラリアやアメリカ合衆国などで、ごく小規模ながらモンテプルチアーノを使用したワインが造られています。 ただし、広く見るとそれらはあくまでもまだ例外的存在であり、ワイン愛好家の中でも、そのことを知っている方は少ないのではないかと想像しています。 モンテプルチアーノは、イタリアの他の固有品種と同様に、この国の土壌や気候、食文化と深く結びついたブドウ品種であり、土地に深く根差し、ここならではのスタイルを表現しています。

相性の良い料理

相性の良い料理

モンテプルチアーノに合う料理について田邉さんに聞いてみました。

相性の良い料理

ソムリエ解説!モンテプルチアーノにはどんな料理が合う?

モンテプルチアーノから造られる赤ワインは、ブラックベリーやブラックチェリーを思わせる豊かな果実のアロマと風味、溶け込んだ緻密なタンニンとなめらかな酸味が特徴で、シンプルな調理法で仕上げた、比較的しっかりとした味わいのお料理とよく合います。 まずおすすめしたいのが、たっぷりとミートソースをかけたパスタです。溶け込んだお肉の旨味とテクスチャーに、果実味豊かなモンテプルチアーノの赤ワインの味わいが溶け込み、なめらかな酸味とタンニンが、料理の味わいを引き立て、同時にワインの風味もさらに広がります。 次におすすめしたいのが、生ハムとサラミ、パルミジャーノチーズの盛り合わせに、ブラックオリーブを添えたオードブルです。それぞれがイタリアの風土を連想させる食材であり、ハムやサラミに赤ワインの風味が同調しつつ、タンニンや酸味が味わいをさらに引き立ててくれます。 パルミジャーノの豊かなコクと旨味、ブラックオリーブの風味にもしっかりと同調しながら、合わせることでゴージャスな味わいへと変化します。 日本のお料理で合わせるとすれば、焼き鳥のつくねのタレ焼きがおすすめです。つくねの豊かな旨味と適度な脂質に、ワインの緻密なタンニンと酸味が溶け込み、つくねの味わいをより豊かにしてくれます。 タレの味わいとワインの熟した果実の風味、つくねとワインのまろやかなテクスチャーがそれぞれ調和し、双方の味わいが引き立ちます。

おすすめワイン

最後に、田邉さんおすすめのモンテプルチアーノを使ったワインをご紹介します。

モンテプルチアーノ・ダブルッツォ / グラン・サッソ

モンテプルチアーノで特に有名な産地であるアブルッツォ州のコストパフォーマンス抜群の赤ワイン。 グラン・サッソは、最新技術を用いて品質の高いワインを造ることで定評があります。こちらは、世界的に有名なイギリスのワイン評価誌であるデキャンタにおいて、ベストバリュー赤ワインにも選出された実績を持つコストパフォーマンスの高い1本。 ご紹介させていただいたおすすめのお料理との相性も抜群です。

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ
750ml

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ

  • チャーミング&パフュームド

  • 2023

    1,760

    (税込)

モリ・ロッソ / ディ・マーヨ・ノランテ

個人的にも今密かに注目をしているワイン産地であるモリーゼ州の歴史ある生産者が造る赤ワイン。土着のブドウ品種を使用して、飲みやすいワインを造るという哲学から生まれたハイコストパフォーマンスな1本です。 豊かな果実味を持ち、モンテプルチアーノとアリアニコをブレンドすることで、凝縮感と骨格がありながらも親しみやすく心地よい、バランスのとれた味わいが表現されています。

モリ・ロッソ
750ml

モリ・ロッソ

  • チャーミング&パフュームド

  • 2023

    2,200

    (税込)

まとめ

モンテプルチアーノは、イタリア中部〜南部で広く栽培される、果実味豊かで飲みやすい黒ブドウ品種です。


渋みが穏やかでバランスが良く、トマトソースの料理や肉料理など、日常の食事と合わせやすいのが大きな魅力。気負わず楽しめて、ワインのある食卓をぐっと身近にしてくれる1本です。


赤ワイン選びに迷ったときの心強い選択肢といえるでしょう。

モンテプルチアーノのワイン一覧

文=岡本名央

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