第8回 ボディ

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公開日 : 2018.3.22
更新日 : 2023.7.12
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奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスにミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?! ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明! あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?

1 ボディ

テイスティング用語というと、香りに関するものが盛んに取り上げられます。「これは何の香りというんですか?」と、ワインを学ぶ方からも、学ぶつもりがない方からもよく質問されます。

実はテイスティングにおいて、味わいも大変重要で、表現用語も豊富にあります。 味わいは、甘み、酸味、苦味、渋み、加えてアルコールで構成されています。 そして、見逃されがちですが、とても重要なのが、「ボディ」です。ボディとは口の中でのワインの広がり具合を形、つまり体型として表現するものです。

ワインには、膨らませる味覚要素と引き締める要素があります。甘みやアルコールのヴォリューム感、まろやかさが、口中での広がりを豊かにします。酸味や渋み・苦味は、味わいを引き締めます。この相反する要素のバランスがボディ(体型)を作るのです。

膨らませる要素が勝れば、「ふくよか」、「肉付きのよい」、「豊満」、「グラマー」といった表現をします。引き締める要素が勝れば、「スレンダー」、「スマート」、「スリム」、「シャープな」となります。また両者が等しく強い場合には、「筋肉質」、「がっしりした」と表現します。さらに、「グランヴァン」と評されるワインで、両者が緻密なバランスを保っており、上品な印象となっている場合、「しなやか」、「エレガント」、「フィネス」といった表現を用います。そして、そのボディにフィットしたワイングラスを選ぶと、味わいがより一層引き立つのです。

ノートン プリヴァーダ 2005 年は、深みのあるガーネットで、うっすらとモヤがかかってみえます。このモヤはワインが若い状態を抜け、発展していることを示します。きっと香りが豊かなはずです。香りの広がりは強く、率直で、アロマティックです。 ブラックチェリー・ジャムの濃縮感のある果実香とはっきりとしたスミレの香りが印象的です。このスミレの香りはアルゼンチンの特徴です。 味わいは、リッチ、口いっぱいに豊かな広がりを感じます。アルコールの印象が強く、熱さを感じます。まるで、ブランデーを飲んだかのようです。 ボディは肉付きがよく、噛めるような感覚があり、なめらかな酸味と渋みを包み込んでいます。

大ぶりの、チューリップ型のグラスがよく、料理には豪快な肉塊をグリルしたもの、羊や豚、牛肉赤身の炭火焼き、アルゼンチンの名物料理アサードがぴったりです。 霜降りの柔らかい肉というより、ワインがもつボディのように、噛み応えのあるものがいいですね。

アメリカの著名ワイン評論誌『ワイン・エンスージアスト』で2012年ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。1992年からノートンでチーフワインメーカーを務めるリッチテッリ氏は土着品種であるマルベックに注力し、高品質なアルゼンチンワインを生み出したことが高く評価されました。

「ボディ」を感じるワイン

プリヴァーダ/ ボデガ・ノートン(アルゼンチン)

3,000 円 (3,240 円 税込)

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