実りの秋は、美味しい食とワインを求めに外食の機会も多くなりますよね。
レストランでワインをボトルで注文すると、ソムリエがホストに向かってボトルを提示し、ワインの確認を求められます。これを「ボトル・プレゼンテーション」と言い、これから抜栓するワインを、レストランとホストの双方で確認する作業の事です。慣れていないと、何を見て確認し、どう対応したらいいか考えてしまいますよね。
今回は、レストランでのボトル・プレゼンテーションについてご説明します。流れを理解しておけば、ソムリエとコミュニケーションを取りながら、スマートで心地良いワインタイムを過ごすことができますよ。
ボトル・プレゼンテーションの目的
レストランは、規模の大きさや店主のこだわりなどによって集められた様々なワインを所有しています。ワインリストからワインを選ぶと、ソムリエは貴方が注文したワインをテーブルに運び、抜栓し、グラスに注いでくれますよね。抜栓後に行うホスト・テイスティングの前に、注文したワインが間違っていないかを確認する必要があります。
ソムリエとはいえ、数多あるワインから1本を選ぶ際に、間違ったワインを選んでしまう事があるかもしれません。その為、抜栓前に注文したワインが間違っていないかどうか、ソムリエとホストの双方で確認することがとても大切です。
ワインは、ラベルが同じでもブドウの収穫年が違う物や、ラベルや名前が似ている物が多く存在します。収穫年や生産者が変われば、価格帯が大きく変わってしまう高級ワインもあるので、注意が必要です。
それでは、ボトル・プレゼンテーションの流れをみていきましょう。
ボトル・プレゼンテーションの流れ
ホストが注文したワインを、ソムリエがテーブルまで運びます。
ソムリエはワインのラベルをホストに向け、「こちらがご注文の○○です。」と、確認を仰ぎます。その際、確認することは3点です。
銘柄(ワインの名前)
ワイン名とは、ほとんどがラベルに一番大きく書かれています。品種名やブランド名・村名・畑名などがワインの名前になります。
生産者
ワインは、同じ銘柄が多数存在します。村名だけ書かれていても、生産者が異なれば、ワインの仕上がりも異なります。その為、銘柄を確認する際、生産者も間違いがないか同時に確認します。
収穫年(ヴィンテージ)
ワインに記載された年号は、ワインに使用されたブドウの収穫年を表しています。ワインは農作物であり、その年の気候に大きく影響される飲み物です。収穫年ごとの雨量や日照量などで、ワインの色や香りなど、味わいにも違いが現れます。その為、収穫年によってワインの価格が異なります。高級ワインなど、銘柄によっては数千円~数万円の違いが生じる場合があるので、気を付けましょう。
収穫年の差がない場合
収穫年の違いが大きく現れるフランスワインに比べ、比較的大きな違いが現れないような、毎年一定の味わいのワインを造り出す国があります。アメリカ・オーストラリア・チリのような国のワインを注文すると、注文時と異なる収穫年の物が提示されることもあります。
収穫年に左右されず大きな味わいの差が無い為、ワインが間違いであることをソムリエに責める必要はありません。収穫年違いによるワインボトルの価格も変わりません。気になるようであれば、「収穫年(ヴィンテージ)の違いはありますか?」などと伺ってみても良いですね。その国やワインの背景などを知るきっかけにもなり、ソムリエとコミュニケーションを取り良い関係を作ることが出来る機会です。
まとめ
ボトル・プレゼンテーションやボトル・テイスティングなど、レストランではワインの注文時に知っておきたい流れやマナーが存在します。難しく考えずに、目的と流れを理解しておけば、焦らずに対応できます。
注文したワインを頂く前に必ず確認しておきたい事が、今回のボトル・プレゼンテーションです。抜栓後に間違いに気付くと、その場の雰囲気も悪くなってしまいがちです。注文したワインをしっかりと双方で確認し、気持ち良くワインタイムを過ごしたいものですよね。見るべきポイントを抑えて、スマートなホスト役で、素敵なワインタイムをスタートしましょう。