<img height="1" width="1" style="display: none" src="https://www.facebook.com/tr?id=123150041756204&ev=PageView&noscript=1" />

エノテカオンライン


第56回 Bright

石田博
石田博
石田博氏のテイスティングノート
公開日:2021.9.27
更新日:2021.11.20

奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスに、ミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?!ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明!


あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

新たな注目産地は毎年のように誕生しています。食材に旬、料理に季節があるように、ワインにも季節感があり、それを注視しています。本サイトでもよく「夏ワイン」という特集が組まれていますが、四季折々のワインがあります。


しかし、これは明確に決められているものではありません。ワインの特徴、その生産地の郷土料理や名産品の旬に合わせて考えられるものです。エノテカ・オンラインの「ペアリングレッスン vol.2」で詳しく取り上げていますので、ぜひ読んでみてください。


私はかなりこの季節感にこだわっていて、お客様にお勧めする時も、ペアリングを考える時も季節が違っているワインは除外していました。どこか違和感を覚えてしまうのです。もちろん、すべての人が季節感を気にしているわけではありません。飲みたいワイン、好きなワインはいつ飲んでもよいものです。


しかし、近年はワインのスタイルが変わっていっています。


爽やかなワインといえば青々しいフレーバーのサンセール、それは昔の話です。現在はトロピカルフルーツのようなよく熟したものや、ミネラル感が主体の深みのあるものとなっています。秋、冬に楽しんでもなんの違和感もありません。


アルプスの麓、ピエモンテは私にとって晩秋から冬のワインです。ポルチーニ、白トリュフは非常に有名ですし、大変ポピュラーな郷土料理、バーニャ・カウダ(日本では年中メニューに載っていますが)、ボッリート・ミスト(様々な肉と野菜の煮込み)は冬の料理です。


ピエモンテ名産のチーズ、ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、カステルマーニョもいずれも冬。そしてジビエのパートナー、ネッビオーロによる赤ワイン。これほどまでに冬の要素が揃った地域は他には滅多にありません。そんなワインを夏にお勧めすることなどできるでしょうか。

Brightなバローロ

Cavalotto Baloro Bricco Boschi 2013は、鮮やかで艶やかなルビー・ガーネット。フレグラント、ピュア、かつディープな香りはラズベリー、スミレを伴い、華やかな印象です。


加えて、タバコやチャコール、ドライ・ビーフ、さらにはチェリーブランデーと多層的で、濃縮感あり、見事にインテグレート(まとまりがある)されています。味わいはしなやかでマイルドな口当たり、ほどよい厚み、酸味・アルコール・タンニンのハイレベルな構成(ストラクチャー)、後半には収斂性があり、密度の高い渋みが旨みを伴い、フィニッシュとなります。


バローロといえば熟成感が形容詞ですが、このワインは色が鮮やかで若々しさ、そして香りの華やかさが前面に出ています。非常に伝統のあるワイナリーですが、新世代により伝統と現代性が巧みに調和した個性を表現しています。


“Bright”「明るい、輝かしい」といった意味あいです、ワインでは大変ポジティヴな表現として好んで使うテイスターも少なくありません。明朗、快活、艶、燦々とした、独創性に富む、といった意味も含みます。このワインにまさに相応しい表現ではないでしょうか。


このBrightなバローロであれば、初秋に楽しむのもよいでしょう。

今回紹介したワインはこちら

優れた自社畑と創業当時と変わらぬ製法を引き継ぎ、家族経営を貫き続ける生産者カヴァロットが生み出す、長熟タイプをブリッコ・ボスキスのブドウを使用したキュヴェ。複雑で芳醇な香りに、飲み応えがありながらも良くまとまっている、クラシカルなスタイル魅力です。

この商品はこちら
石田博
石田博

合同会社 Soupless 代表、レストラン ローブ ソムリエ、社団法人 日本ソムリエ協会 副会長 1969年生まれ。数々の国内ソムリエコンクールを優勝。2000年には、第10回世界最優秀ソムリエコンクール第3位。2011年 厚生労働省 現代の名工、2014年11月 内閣府 黄綬褒章受章。同年 第7回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝。2015年アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール優勝。2016年第15回世界最優秀ソムリエコンクール セミファイナリスト2016年6月より目黒雅叙園顧問。同年6月30日にレストラン ローブを開業。

この記事をシェア

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。

「人とお酒のイイ関係」ほどよく、楽しく、良いお酒。

エノテカ株式会社はアサヒグループです。
Copyright© 1998-ENOTECA CO., LTD. All rights reserved.