数々の受賞歴を誇る世界最高峰(※1)のシャンパーニュメゾン、ルイ・ロデレールのスタンダードキュヴェ「コレクション」。このたび、2021年ヴィンテージをベースにした「コレクション246」(750ml)が日本で発売されました。
副社長兼醸造責任者であるジャン・バティスト・レカイヨン氏から、「コレクション246」の特徴やコレクション誕生の背景や造り手の哲学を訊きました。
※1 イギリスの専門誌『ドリンクス・インターナショナル』の「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2025」において、名だたるメゾンを抑え6年連続で第1位を受賞。
まるでブラン・ド・ブラン!?コレクション246の特徴
ルイ・ロデレールにとって246回目の収穫である2021年ヴィンテージのブドウをベースに造られた「コレクション246」。シャルドネ54%、ピノ・ノワール35%、ムニエ11%で構成され、昨年リリースされた245よりもシャルドネの比率が高くなっています。(※2)
※2 2020年ヴィンテージがベースの「コレクション245」はシャルドネ41%、ピノ・ノワール35%、ムニエ24%
2021年は冷涼で湿潤な年で、ブドウはゆっくりと熟し、収穫は9月中旬と遅めでした。ピノ・ノワールとムニエの栽培が非常に難しく、特にムニエはベト病の影響を受け、収穫量が1958年以降でおそらく最も少ない収穫量でした。一方で、シャルドネは十分に良好な状態で収穫できたため、246ではシャルドネ主体で全体のバランスを整えています。
シャルドネの割合が高いことで、シトラスの風味や塩味をワインにもたらしまるでブラン・ド・ブランのような個性を感じさせます。ピノ・ノワールは例年ほど力強くはないものの、その年ならではの軽やかさとフレッシュさをワインに与えています。
また、醸造においては、マロラクティック発酵(※3)は30%行い、冷涼なヴィンテージのシャルドネ由来のシャープな酸が丸くなり、飲みやすくアプローチしやすいスタイルになっています。
※3 リンゴ酸が、乳酸菌の働きによって乳酸に変わる発酵のこと。酸味が和らぎ、口当たりがやわらかくなる。
「コレクション」誕生の背景
2021年に初リリースされた「コレクション」。この誕生の背景には、シャンパーニュ地方で進む気候変動があるそうです。
世界中で気候変動が叫ばれるなか、シャンパーニュ地方も例外ではありません。近年では気候の振れ幅が極端になり、ある年は暑く乾燥し、またある年は涼しく湿潤になるなど、気候条件が大きく変化しています。さらに深刻な温暖化の影響で、ブドウがより完熟しやすくなりました。
こうした激しい気候変動によって、従来のノンヴィンテージで毎年同じ味わいを維持することが困難になりつつありました。そこで登場したのが、マルチヴィンテージのシャンパーニュ、「コレクション」です。その年に収穫したブドウを使って造られるベースワインに、2012年から毎年ワインを継ぎ足し熟成させたパーペチュアル・リザーヴワイン(※4)と、オークの大樽で熟成させたリザーヴワインの2種類を巧みにブレンドすることで、フレッシュさと複雑さを同時に追求しています。
この手法は、変わりゆく自然の変化に対応し、ルイ・ロデレールならではのスタイルを守りながら、ヴィンテージやテロワールの個性を表現するというコンセプトで造られています。
レカイヨン氏はこう語ります。「マルチヴィンテージを造ることで、ノンヴィンテージとして一貫性を目指していた時より、生産者としての自由度が増しました。これは醸造家としての“クリエイティビティ”につながる重要なことです。シャンパーニュはもともと“クリエイティビティ”あふれる飲み物です。収穫年の異なるワインをブレンドしたり、様々なエリアのブドウ品種を組み合わせたり、ドザージュ(※5)量を調整したりと、ワインメーカーが試行錯誤できる場面が多いため、他のワイン以上にクリエイティビティが大切なのです」。
※4 パーペチュアルは"永続的な"を意味し、毎年継ぎ足し熟成させるリザーヴワインのこと。 ※5 澱を取り除いた後に、糖分を含んだリキュールを加えてワインの甘さを調整し、目減りした分量を補う作業のこと。
245と246、異なる個性を味わう
マルチヴィンテージという概念を楽しむには、昨年リリースされたの「コレクション245」との飲み比べが良いでしょう。
コレクション245は暖かい2020年ヴィンテージをベースにしており、熟した果実味とジューシーなテクスチャーが特徴です。一方、246は冷涼な2021年ヴィンテージならではのフレッシュさとミネラル感、チョーキーなニュアンスが楽しめます。この対比こそが、マルチヴィンテージの魅力です。
フードペアリングのアイディアもナンバリングによって異なります。レカイヨン氏も「246は牡蠣やフレッシュなシーフード、245はフォアグラのような骨格のある料理がおすすめ」と話します。
まとめ
ルイ・ロデレールは、気候変動を逆手に取り、それぞれのヴィンテージの特徴やテロワールの個性を活かしたマルチヴィンテージの「コレクション」で、シャンパーニュの新たな可能性を示しています。
「コレクション」は番号により、味わいや熟成のスピードも異なります。そのような個性も「コレクション」の面白さの一つです。
レカイヨン氏は最後にこう語りました。「ワインはシェアする飲み物。『コレクション』に込められたストーリーや哲学も、ぜひ皆様と分かち合って楽しんでほしい」。
この冬は、ルイ・ロデレールの新しい「コレクション246」で、シャンパーニュの美しさと奥深さを存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
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