あのひとの、特別な日に飲む「ハレ」ワイン、日常に馴染む「ケ」ワイン。ワイン好きで知られるあのひとに、それぞれのワインと楽しみ方を語ってもらいました。
1981年2月21日生まれ、島根県出雲市出身。浜田高校から早稲田大学を経て2002年に自由獲得枠で福岡ダイエーホークスに入団。プロ入り後、1年目からシーズン14勝を上げ新人王を獲得。その後2011年オフ、海外FA権を行使し、ボルチモア・オリオールズに入団。2014年にシカゴ・カブスへ移籍。2015年オフには、日本球界への復帰を決断。2016年シーズンからは古巣の福岡ソフトバンクホークスに復帰し、最多勝・最高勝率のタイトルを獲得するなど活躍を続け、2024年シーズンをもって現役生活に幕を下ろした。現役生活を終えた今、福岡ソフトバンクホークスの球団統括本部付アドバイザーとしての業務を担う傍ら、解説業や講演活動、YouTube活動など様々なことに挑戦している。
ワインをよく飲むようになったのは、メジャーに行ってから。アメリカではカリフォルニアワインが比較的安く手に入り、しかも日本で見たことがないワインもたくさんあったので、飲む機会に恵まれました。
スーパーで売られている10~12ドルくらいのワインを「美味しいのかな?」と半信半疑で買ってみたら意外と美味しくて、そこからどんどん安旨なワインを探すようになりました。ポップに書いてある謳い文句を見て「本当か確かめてみよう!」と、チャレンジしていくのがいつの間にか楽しくなっていましたね。
「ケワイン」
現役の頃は、1年間頑張ったご褒美でワインを飲んでいました。遠征先のワインバーやホテルの部屋で集まって選手たちと飲んだり、勝手にワイン会という会を作って、ワイン好きなチームメイトと集まって、ワインが置いてあるお店へ行ってご飯会をしたり、ということもしていました。宮崎に知り合いのソムリエの方がいるので、毎年2月にその方と、同じ2月生まれの後輩選手と集まって誕生日会を開き、ワインを飲みながら野球やワインの話をするというのも楽しみの一つでした。
自分からワイン好きを公表していたわけではないのですが、話題が先行していき、ワインをいただくことが多くなりました。大きいセラーを買ったつもりが、気が付けばいっぱいになってしまっています(笑)。家に友人を呼んだり、BBQをしたりと人が集まるときには、ここぞとばかりにセラーを物色。「まぁいいか、これ開けちゃおう!」とその時の勢いで選んで楽しむのが恒例です。
「ハレワイン」
今、特別な日を待っているワインが一本あります。それは、娘の生まれ年である2006年ヴィンテージの「シャトー・マルゴー」。娘が20歳を迎えたときに、そのワインを開けて一緒に飲むというのが今の目標です。どんな味わいだろう、一緒に飲めたら嬉しいなとその日を楽しみに待ち望んでいます。
飲み終わっても想い出として残せる、ストーリーを語ることができる、というのも僕がワインを好きになったきっかけです。ワインの名前の由来から、この名前だったらこの人にピッタリだなと考えて買うこともあります。以前、イタリアの言葉で「~だったらいいな」という意味のワイン、カ・マルカンダ「マガーリ」を選手たちに贈りました。これからコーチになる選手たちに、指導する選手へ「こうなってくれたらいいな」と期待を胸に持ちながら、頑張ってほしいという想いを込めたんです。ワインの味わいがどうかは飲んでみないとわからないので、僕はそれよりも「ストーリー」を大切に選んでいます。
昨年は引退した年ということもあり、選手たちからもお祝いでワインをいただきました。2003年、2010年、2016年ヴィンテージのワインで、それぞれ新人王を取ったり、MVPを取ったりと自分の節目となった年です。「これはもう絶対飲まないようにしよう!」とセラーの下の方に入れて大切にとってあります。いつか贈ってくれたみんなと集まったときに、贈ってもらったワインだよと言って、一緒に飲むのが1番良いかなと思っているので、そのときを楽しみに今はセラーで眠ってもらっています。
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