大切な人との特別な食事での1杯も、疲れた1日の終わりに飲む1杯も、ワインはその時の気持ちに寄り添い、心を豊かにそして落ち着かせてくれる存在です。
また1杯のワインがいつもの日常にちょっとだけ彩りを与えてくれます。
そんなワインのある暮らしを覗いてみませんか?エノテカスタッフの生活に馴染んだワインのある暮らしをお伝えします。
今回は父の日を前に、スタッフとお父さまのエピソードをご紹介します。
著:中西 倫太郎
ワインショップ・エノテカ 松山三越店スタッフ。 愛媛生まれ愛媛育ち。マラソンが趣味で温泉地を拠点とした「旅ラン」にハマっている。
もうすぐ2歳半になる息子は、とにかく元気いっぱい。
おかげで育児に仕事にと、慌ただしくも楽しく賑やかな毎日を過ごしています。
「明日は休みだし、子どもを寝かしつけたら妻とゆっくりワインを飲みたいなぁ……」なんて思っても、気づけば一緒に寝落ちしてしまったり、大好きなワインもなかなか楽しめないのが悩みです。
だからこそ最近は、実家に帰ったときに、家族みんなでお気に入りのワインを飲んでいます。
もともとワインを飲む習慣がなかった父。変わるきっかけは2年前に遡ります。それは息子が生まれてから初めての父の誕生日でした。
警察官だった父との幼少期の思い出は多くなく、正直私にとってずっと怖い存在で、大人になってからもなんとなく距離がありました。
その上、父は大のビール党。「一緒にワインを飲もうよ」とは、この仕事を始めて2年経ってもなかなか言えずにいました。
それが息子の誕生をきっかけに、ちょっとした変化が。
それまで父の誕生日といえば、プレゼントを渡して終わりだったのですが、息子が生まれてから実家に帰る機会が増えたこともあり、食事を一緒にとろうということに。せっかくならと、その時気に入っていたボルドー産の赤ワインを持って行きました。
飲み慣れないワインに、父は「よくわからんけど、いいワインっていうのは伝わる」となんとも父らしい感想をくれたのですが、それ以来、事あるごとに赤ワインをリクエストされるようになったのです。これには私だけでなく家族みんながびっくり。
そして今では、家族の記念日はワインを飲みながら食卓を囲むのが定番となっています。
父が楽しそうに息子の面倒を見てくれたり、その様子を見た妻が優しい笑みを浮かべている。そんな風景を見ていると、ワインもより一層美味しく感じます。
家族の絆が、ワインの美味しさを引き立ててくれているのかもしれないなぁなんて思いながらワイン片手に幸せに浸っています。
もうすぐ父の日がやってきます。とびきりのワインを持って実家に帰り、家族みんなでワインのある食卓を囲みたいと思います。
これが私のワインのある暮らしです。