【ワインニュース】ワインボトルの未来はどうなる!?

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公開日 : 2024.2.26
更新日 : 2024.2.27
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ワインボトル

ワインのボトルといえばガラス瓶を想像すると思いますが、近年、缶やペットボトルなどさまざまな容器が登場しています。


今回はそんなワインボトルとSDGsについて考えてみたいと思います。

目次

ワインボトルの課題と現状

ワインボトル

昨今、ナチュラルワインの人気も高まっていますが、環境に配慮したワイン造りが世界的に浸透してきました。しかし、ワインがもたらす環境負担はワインの製造時だけでなく、ワインボトルの製造時とその運搬にもかかっています。それらによる二酸化炭素量排出量はワイン業界全体の排出量の3分の2以上を占めるとされています。


ワインボトルによる環境負担を軽減するには、ボトルを軽量化したり、材質を変更するといった方法の他に、再利用する方法があります。しかしながら、今なお大半のワインは通常のガラス瓶に詰められ流通しています。なぜでしょうか?


それは、ガラス瓶に入ったワインの人気が根強いためです。


ガラス瓶に入ったワインがテーブルにあるだけで、その空間に華やかさや高級感が生まれます。ガラス瓶のコルクを抜く一連の所作や、グラスに注ぐ時のトクトクという音もまたガラス瓶ならではの魅力です。


その証拠に、海外では「缶入りワインは消費者に好まれていない」という調査結果も報告されています。

持続可能なワインボトルの探求

ペットボトル

オーストラリアのウルフ・ブラス財団エーレンバーグ・バス研究所によると、従来のガラス瓶がワイン業界の最大の二酸化炭素排出源であり、ガラス瓶1本製造ごとに1.25kgの二酸化炭素が発生するとのことです。


ですから、ガラス瓶を環境にやさしい容器に代替えすることでワイン業界は環境への負荷を大幅に削減することが可能です。環境にやさしいワイン容器にはどんなものがあるでしょうか?


  • 紙バッグワインや紙ボトル
  • 缶ワイン
  • ペットボトルワイン
  • ガラス瓶の再利用

紙バッグワインや紙ボトル

紙バッグワインは厚紙製の箱の中に真空パックされたワインが入っており、開封しても真空状態が保たれるため日持ちします。


ガラス瓶に比べて軽量で、製造・輸送も簡単、かつコストも安くつきます。最近は紙ボトルや少量サイズの紙パックワインも流通しています。

缶ワイン

言うまでもなくガラス瓶よりはるかに軽量で、割れる心配もなく、持ち運びに便利です。


ワインを安全に密封し、5年近く安定した品質で保存できる缶ワインも登場しました。缶はリサイクルできます。

ペットボトルワイン

ペットボトルはガラス瓶と同じような形状で、ぱっと見ただけではペットボトルとわからないこともあります。軽量で、取り扱いやすく輸送コストも削減できます。リサイクルも可能。


しかし、ペットボトルは基本的にプラスチック製なので素材自体に問題もあります。また、透明が主流なので、中身のワインが紫外線を受けやすいという短所もあります。



上記の三つの代替え容器はいずれもガラス瓶に比べて軽量なので、輸送にかかるエネルギーとコストを大幅に削減ですることができます。


しかしながら、いずれもガラス瓶に比べて安っぽく見えてしまう、また、安価なワインというイメージが強いため、普及するのはまだまだ時間がかかりそうです。

ガラス瓶の再利用

ガラス瓶の製造時にかかるエネルギーを削減するために、瓶を再利用する方法もあります。再利用するにはガラス瓶がワイナリーに返却されるシステムの構築が必要、かつ、ボトルの検査、洗浄も必要です。

若い世代の環境への配慮

ワインで乾杯する様子

近年、特に若い世代で環境問題に対する関心が高まっていることがわかっています。スウェーデンの著名な環境活動家グレタ・トゥンベリ氏も10代の学生時代から活動を始めたことで知られています。若い世代がサスティナビリティ(持続可能性)に価値を置く傾向が強いのは、これから先の長い人生を考えると当然のことかもしれません。


また、若い世代の方が新しいものやことへの感度が優れていますから、これからワインを飲もうとする世代は、缶ワインや紙ボトルのような新しい容器を受け入れやすいかもしれません。


実際、オーストラリアで行われた調査によると、若い世代は比較的安価で知名度のあるメーカーのワインの場合、ガラス瓶の代替え容器ワインを選ぶ傾向が強いことがわかりました。今後は新しい容器に入ったワインが広く普及する可能性もあるでしょう。

まとめ

ワインは嗜好品ですから、これまで生産者はワインの味わいと共に、見た目やパッケージで豪華さを表現したり、差別化をはかることに注力してきました。


そして今、彼らはいかに環境に負荷を与えずワインを生産し流通させるかを問われています。


持続可能なワイン造りのために、私たち消費者もまたワインボトルの未来について考える必要があるのではないでしょうか。

参考 ・The Drinks business https://www.thedrinksbusiness.com/2024/01/does-a-sustainable-wine-bottle-really-exist/ https://www.thedrinksbusiness.com/2024/01/canned-wine-least-preferred-packaging-for-consumers/

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