ついにワインの起源を発見か!?

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公開日 : 2023.11.21
更新日 : 2023.11.22
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ブドウ

ワインを飲む時、原料となったブドウ品種や産地を気にかける人は多いと思います。では、なぜそのブドウがその産地に根付き、栽培されているのか不思議に思ったことはありませんか?


紀元前から行われてきた長い歴史のあるワイン造り。その原料となるブドウがどのように産地に運ばれ根付いたのか、これまでほとんど解明されていませんでした。


しかし、最近の遺伝子研究により、ワイン用のブドウがどのように世界に広がったのか、その背後に隠されたエピソードが明らかになったのです。

目次

これまでの通説

ブドウ畑

ワインの歴史は非常に長く、その始まりは紀元前8,000〜7000年頃にまで遡るとされています。


通説によれば、人類が中央アジアから西に移動する過程で、野生のブドウも同様に西に分散したとされています。


そして、ブドウの栽培化は紀元前8,000年前頃に西アジアとヨーロッパの地中海沿岸地域で始まったと考えられていました。

遺伝子研究による新しい事実

ワイン

この度、中国の雲南農業大学による大規模な遺伝子研究により、40万年前および30万年前にはブドウがユーラシア大陸の西部と中央部で生育していたことが分かりました。


約20万年前の氷河期には地中海中部地域のブドウ樹が次第に枯れ、ブドウの生息地は地中海の西側 (現在のポルトガル、スペイン、フランス周辺)と地中海の東側(現在のイスラエル、シリア、トルコ、ジョージア周辺)の二つの地域に分かれました。


さらに、その東側地域は約56,000年前にコーカサス地域(現在のジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン周辺)と西アジア(現在のイスラエル、ヨルダン、イラク周辺)分かれたことが判明しました。


食用ブドウの栽培は約11,000年前に西アジアの人々によって始められました。ほぼ同時期にコーカサス地域ではワイン用ブドウの栽培が始まりましたが、ワイン造りがスタートしたのはおそらくそこから2,000年〜3,000年後です。


その後、西アジアからイベリア半島に移住した農民によってヨーロッパに食用ブドウがもたらされました。その過程で、農民たちは食用ブドウと地元の野生ブドウを交配させました。おそらく最初の交配は現在のイスラエルおよびトルコ周辺地域で行われ、糖分が多く、食用にも発酵にも適したミュスカ(マスカット)種が誕生しました。


そして、バルカン半島や現在のイタリア、フランス、スペイン周辺で、食用ブドウが徐々にさまざまなワイン用ブドウに遺伝的に形質転換されたことが分かりました。


しかしながら、現在私たちが知るワイン用ブドウ品種の起源を初期まで遡ることはほとんど不可能であることも分かりました。


なぜなら、何世紀にもわたって交配が繰り替えされ、優れた品種が誕生すると、もともとあった品種は処分され消失してしまっているからです。結果、ブドウの家計図を構築するのは極めて困難であることも分かったのです。

まとめ

どれだけ研究が進んでも、ワインの起源を完全に解明することは難しいようです。


少し残念な気もしますが、だからこそワインは神秘であり、私たちの興味探究を惹きつけてやまない飲み物なのかもしれません。

参考文献: 1.Scientific American. "Wine's True Origins Are Finally Revealed." Scientific American, 1 Oct. 2023, https://www.scientificamerican.com/article/wines-true-origins-are-finally-revealed/. 2.the drinks business. "Do we finally known where wine came from?"20 Sep. 2023, https://www.thedrinksbusiness.com/ja/2023/09/do-we-finally-known-where-wine-came-from/

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