大切な人との特別な食事での1杯も、疲れた1日の終わりに飲む1杯も、ワインはその時の気持ちに寄り添い、心を豊かにそして落ち着かせてくれる存在です。
また1杯のワインがいつもの日常にちょっとだけ彩りを与えてくれます。
そんなワインのある暮らしを覗いてみませんか?エノテカスタッフの生活に馴染んだワインのある暮らしをお伝えします。
著:本間 美智
ワインショップ・エノテカ 札幌ステラプレイス店 店長。 生まれ育った北海道をこよなく愛する道民。 ネイリスト、化粧品メーカー勤務を経て、かねてより興味があったワインの世界へ。 最近は夫とYouTubeを観ながらワインを飲むのが日課になっている。
仕事終わりの帰り道。
ヒューッと吹く風がコートの隙間から入ってくるたびに、思わず「寒い!」と口から漏れてしまいます。
11月に入ったばかりだというのに、私が暮らす札幌はすっかり冬の顔をしていて、あと1ヶ月もすれば一面が雪で真っ白になります。
よく「北海道の人は寒さに強いのでは?」と聞かれるのですが、少なくとも私はそんなことありません。何度厳しい冬を経験しようと、寒いものはやっぱり寒いのです。
だから、この時期はとにかく温かいものが恋しくなります。
例えば温泉。
先日、洞爺湖近くの温泉付きのお宿に泊まりました。温泉はオーシャンビューならぬ洞爺湖ビュー。夕凪の湖を眺めながら入るちょっぴり熱めの湯は、控えめに言って最高でした。
また行きたいなぁとは言えこれから年明けまでは繁忙期。忙しくてなかなか行けないのが現実なんだよなぁなんて考えながら帰路につきました。
自宅に着くと夫が既に帰宅していたようで、部屋から流れてくる暖かい空気に身を包まれます。
急いで夕飯の準備に取り掛かろうと思ったけれど、そうだ、あったかメニューを作り置きしていたんだった。昨日の自分、ありがとう!
メニューは寒い時期の我が家の定番、ビーフシチューです。
料理が得意ではない私でも簡単に作れて、なおかつ夫も喜んでくれるという大助かりな一品です。
コトコト温めている間に、ワインを抜栓し乾杯!
私も夫もワインが好きで、普段はスパークリングワインを飲むことが多いですが、寒い季節はやっぱり赤ワインが飲みたくなります。
今日はチリ産の赤ワインを用意しました。今年の8月にチリとアルゼンチンを訪れて以来、この2ヵ国のワインが私のブームになっています。
ワインを飲みながら、夫と「今日はどんな1日だった?」「この間の温泉良かったよね」などたわいもない話をしていると、寒さで縮こまっていた身体がだんだんとほぐれて温まってきます。
アツアツに温まったビーフシチューとワインを合わせてみると、お肉と野菜の甘みに赤ワインのコクや程良い渋みがよく合い、食事もワインも止まりません。
暖かい部屋で、大好きな家族と、美味しいワインと食事を楽しんだら、身体だけでなく、心までポカポカになりました。温泉も良いけど、こういう時間こそ自分を1番温めてくれるのかもしれません。
今年の冬も、なんだか乗り切れそうな気がしてきました。
これが私のワインのある暮らしです。