【わたしのハレワイン&ケワイン】vol.1 近藤 佑哉さん( ソムリエ 銀座レカン 飲料統括マネージャー)
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あのひとの、特別な日に飲む「ハレ」ワイン、日常に馴染む「ケ」ワイン。
ワイン好きで知られるあのひとに、それぞれのワインと楽しみ方を語ってもらいました。
2012年大学卒業後、銀座レカンにコミ・ド・ランとして入社。その後、ホテル ニュー・オータニ レストラン トゥールダルジャン・トーキョーなどで研鑽を積み2019年、銀座レカンにソムリエとして戻る。2020年4月より現職の銀座レカングループ 飲料統括マネージャーに就任。様々なコンクールで受賞歴があり、日本の若手ソムリエを代表する一人。
▼ハレワイン
自然に囲まれて育ったので、今もどこか素朴といいますか、神奈川県の緑豊かな場所に住んでいます。
仕事で家を空けることが多いのですが、娘のイベントやたまの休日には家族と過ごし、そこで何かいいことがあったら、シャンパーニュを開けるんです。私にとっての特別な時間です。
妻もワインが好きで、寝てしまった娘を横目に私の「シャンパーニュ開けちゃう?」がハレの日のワイン時間の始まりです。
いつも家のことを任せてしまっている妻への労いもあるので、食事は、がっつり料理ではなくお惣菜がメインです。
こだわりは、シャンパーニュの中でもスタンダード・キュヴェ(※1)。優等生なシャンパーニュと表現しますが、スタンダード・キュヴェのワインは料理に合わせやすい柔軟さがあると思っています。
強烈な個性のあるプレステージ・キュヴェ(※2)もいいのですが、私の性格上どこか気構えてしまうので、ハレの日にはピュアな味わいのスタンダード・シャンパーニュが私の過ごし方です。
※1 複数の収穫年のワインをブレンドして造られる。造り手のスタイルが最も現れており、バランスに優れた味わいが特徴。 ※2 造り手がその“ 威信(プレステージ)”をかけてリリースするトップキュヴェ。明確な規定はないが、優良年に最高区画のブドウだけを用い、5 年以上の熟成を経てリリースされることが多く、瓶詰め後もさらに長期熟成が可能。
▼ケワイン
仕事でワインを飲みますから、最近は日常でワインをあまり飲まないんです。職業病で、採用/不採用の判断が先行してしまうのが理由です。
ただ、ワイン好きには変わりありませんから、飲みたい気分の日には、アサヒスーパードライでエンジンをかけ、そのあとワインと食事を楽しみます。
ワイン専門店はもちろんですが、スーパーやコンビニで買うことも多く、最近はボルドーのフレッシュなロゼで自分なりに面白いと思ったものが私のケワインになっています。ロゼは、難しいことを考えずに飲めるので重宝しています。
ロゼの良い点として、食事に合わせやすいこと。うちでは温度管理やデキャンタもしないので、冷蔵庫で冷やして美味しいこと。テーブルにポンとおいて時間をかけても、楽しめること。飲み頃を気にしなくていいのも助かります。
今、来年の全日本ソムリエコンクールをはじめとするワインの勉強に力を入れています。心持としては、いつまでソムリエとして仕事ができるのかわからない、だからこそ悔いのないように努力を惜しまないようにしたいと思っています。
そして、仕事を抜きにしていちワイン愛好家に戻る時は、家族と一緒に日常でワインを楽しむのが今の夢でもあるんです。