【今日のワイン】キスラーは永遠の憧れ 「ソノマ・コースト レ・ノワゼッティエール シャルドネ」
お気に入り追加
皆様こんにちは。リテール戦略部の吉﨑です。
ワイン屋としてのこの時期は、ボジョレー・ヌーヴォーが間もなく解禁し、12月になるとクリスマス、年末と早くも1年の終わりをぐっと意識させられる時期。気持ちも急いてなんだかソワソワします。
そんな慌ただしさから少しだけ解き放たれたく、思い切って憧れのワインとゆっくり向き合う時間を取ってみました。
今回のワインは、カリフォルニア・シャルドネの王と称される「キスラー」が手がける「ソノマ・コースト レ・ノワゼッティエール シャルドネ」です。
このキスラー、ショップスタッフ時代も特にファンが多かったワインだと認識しており、生産量も少ないため、まさしく憧れのワインの一つです。
そもそもワインは嗜好品ですから、ワインに対する人の好みも千差万別です。しかし、このキスラーは、そのいろんな人の美味しさの基準のばらつきを埋めてしまうことができるワインであると思います。
例えるなら、A5ランク和牛のステーキを食べると、お肉好きの方であればほとんどの人が美味しい!とおっしゃられると思いますが、キスラーのシャルドネを飲んだ時の感覚はそれに近いものがあるような気がします。
それはなぜかと考えたところ、私なりの一つの結論にたどり着きました。
このキスラーですが、ワイナリー設立当時カリフォルニアで主流であったステンレスタンク発酵をせず、ブルゴーニュのように樽で発酵させ、そのまま樽の中で熟成する方法を実施しました。カリフォルニアワインでありながらブルゴーニュのようにワインメイキングをしているのが当時は珍しく、とても面白いなと思いました。
その結果、カリフォルニアワインの力強さとブルゴーニュの繊細さを兼ね備えており、これが多くの人を魅了しているのではないか、とそう思います。もちろんそのバランスが秀逸であるのは言うまでもありません。
やや濃いレモンイエローで黄金色を帯びた色調。グラスからはレモン、レモングラスなどの爽やかなアロマに加え、桃やパイナップルなどの甘味を伴う果実のアロマが感じられます。さらにこのワイン特有のローストされたヘーゼルナッツの香りが立ち上ってきます。この重層的な香りを嗅いでいるだけで、ワインのポテンシャルの高さを感じ、期待で胸が膨らみます。
口に含むと、滑らかな口当たりからはじまり、芳醇という言葉がピッタリなほど、口いっぱいに豊かなテクスチャーが広がります。力強さだけでなく、酸の豊かさも感じることができ、いろんな味わいの要素が混じり合いとても複雑です。
もちろん余韻も長く長く続いていきます。思わず口を閉じ時間をかけてその余韻を味わってしまいます。
あぁ、ゆっくりとした時間で心がしっかりとほぐれました。ちょっと背伸びして普段より良いワインを開けた甲斐があったというものです。
このキスラーのワインは手に入りにくいので、見かけた際にはぜひ1度お試し下さい。あなたのお気に入りになること、間違いなしです!
今回紹介したワインはこちら
この商品はこちら