【今日のワイン】過去の味わいが鮮明に思い浮かぶ 「サバッツィオ・ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ」
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皆さん、こんにちは。エノテカ・オンラインの尾渡です。
さて、皆さまは“秋”といえば何を思い浮かべますでしょうか?
紅葉や旬の食材、スポーツなどたくさん思い浮かぶと思いますが、私が最も触れ合いたいのは読書です。
というのも、大学時代の秋頃にある詩を読んだときに忘れられない体験をしたからです。
その詩は、図書館で気になって偶然手に取っただけだったのですが、作者である中原中也さんがどういう人物か調べてみてビックリ。小学生の教科書に記載されていた、『サーカス』という作品を書いた方だったのです。
小学生の頃に何度も読んだ「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という印象的な表現とともに、当時の記憶が、十数年の時を超えて鮮明に思い出されました。
この体験に感動を覚えて以来、小説や詩を「年間24冊は読もう」という気持ちが芽生え、時間を見つけては読書にふけりたいと思うようになったのです。
この詩のように、時を超えて、忘れていたものを思い出させるという超人的な力は、ワインにもあると思います。
そこで、今日は2年前に飲んだワインを久しぶりに飲んでみようと思います。
イタリア・トスカーナでラ・ブラチェスカが手掛ける「サバッツィオ・ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ」です。
当時、エノテカに入社したての頃に、親切な先輩におすすめされて一緒に飲んだのですが、その時はまだワインの味を表現する、覚えるということに慣れていませんでした。
“果実のアロマがたくさんあったこと”や“飲みやすい”、“美味しい”というキーワードと、曖昧な記憶しか思い出せません。
今飲んでみると、フレッシュなラズベリーやレッドチェリーなど赤系果実の華やかなアロマと熟したブラックベリーのような濃密な香りが漂うとともに、ほのかに採れたてのハーブやクローヴなど軽いスパイスのニュアンスが感じられ、多層的な印象です。
滑らかな口当たりで、豊かな果実味とピュアな酸味が溶け合い、奥深い味わいが感じられる点も特徴だと思いました。
ただ、しっかりとした酸味と柔らかいタンニンがあるため、フレッシュなスタイルに仕上がっており、糖と酸のバランス感の良い飲みやすいスタイルでという印象は大きく変わりません。改めて、素直に美味しいと感じました。
その変わらない味わいとともに、先輩とマニアックなワインや世界の伝統料理、バックパッカー時代の話をしたなぁと、思い出も自然と蘇ります。
先輩には1年近くお会いできていないので、今度久しぶりに会って話してみたいです!
今回は時間を超えて、ワインの魅力を思い出すとともに、当時感じられなかった味わいも感じることができた貴重な時間となりました。
今度はワインを勧めてくれた先輩と一緒に、このワインを飲み交わしてみたいと思います。
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