【今日のワイン】素晴らしい熟成感と複雑性を持つ「サン・ロレンツォ・キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」
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皆様こんにちは。定期的にサンジョヴェーゼ種のワインを摂取しないと体調が悪くなってくる神戸三田店の藤原です。
晩酌用にキャンティを買って帰った時のことでした。
自宅に帰ってワインセラーに入れようと思ったのですが、困った事にセラーに全く隙間がなかったのです。仕方なくお風呂にも入らずセラーの整理を始めました。
そして出てきたのがこのワイン、「サン・ロレンツォ・キャンティ・クラッシコ・グラン・セレッツィオーネ」です。ヴィンテージは2013年。
一口にキャンティと言っても様々なキャンティがありますが、大きく分けてキャンティDOCGと伝統的な区画と生産法のキャンティ・クラッシコDOCGに分かれます。
それぞれのキャンティには熟成の区分や生産地区の区別などがあります。
その中でもキャンティ・クラッシコDOCGに含まれ、キャンティ位階の最上位に位置するのがキャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネです。
熟成期間は30ヶ月以上と規定され、自社畑ブドウのみを使用し、アルコール度数は13%以上でなければなりません。これは全キャンティの5%という少なさです。
長期熟成に向いているとはいっても、キャンティで熟成9年目か……そろそろ飲んだ方がいいのでは?と思ったのがこのワインを飲むきっかけでした。
抜栓すると、長期熟成のための長いコルクが出てきました。抜栓直後は少し硬い印象です。キャンティらしい赤系果実の印象がありますが、ミントのようなハーブ、わずかにキノコなどの熟成香があります。
結論から言えば、まだ熟成できたと思われます。熟成により酸味は落ち着いており、溌剌とした印象のキャンティではありませんが、カシスや黒色果実の重厚感はしっかりと残っているため、なおも熟成のポテンシャルはあると感じました。
抜栓して少し経つとラズベリーなどの赤系果実の印象が際立ってきました。針葉樹林の要素を強く感じます。さらに梅、セイボリー、ローレルなどの香りがあります。
同じサンジョヴェーゼでも、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのような華やかに香り立つようなタイプではなく、凝縮した果実の趣が感じられます。また、熟成香からはまるで格付けボルドーのような荘厳さも感じます。
キャンティらしい甘いタンニンを感じる果実味とボルドーのような重々しく厳かな雰囲気は共存しており、非常に面白いと感じました。
キャンティのお供としてブルスケッタをつまむのが好きなのですが、このしっかりした印象はブルスケッタよりもお肉系のパテとの相性が良さそうと思い、兎肉のパテと合わせてみたら最高でした!
普段からキャンティばかり飲んでいるので、「血液型がC型(CHIANTIのC)にならないか心配……」と妻に冗談を言ったら、「同じC型でもお酒の量を抑えて肝臓の方に注意したほうがいい」と言われました。返す言葉もありませんでした。
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