皆さんはポルトガルワインを飲んだことはありますか?
ポルトガルは、土地に根付いた土着品種と多様な気候風土を生かした、個性溢れるワインを生み出し、世界的な評価も上がっている近年注目の産地です。
実は、6月はポルトガルでイワシ漁の解禁とともにワインを楽しむ「聖アントニオ祭」が行われます。夏祭り気分でポルトガルワインを楽しむ、絶好の機会です!
この機会に、ポルトガルに思いを馳せて、ポルトガルワインとイワシを楽しんでみましょう。
目次
「聖アントニオ祭」とは?
聖アントニオ祭とは、ポルトガルの首都、港町であるリスボンで行われる伝統的なお祭りです。リスボンの守護聖人、聖アントニオを讃えるこのお祭りは、毎年6月12、13日に開かれ、初夏を告げる風物詩として広く親しまれています。
街には華やかな飾りや音楽が流れ、そして水産業が盛んなポルトガルの名物、イワシが炭火で豪快に焼かれて屋台から香りが漂います。炭で焼いたイワシを気軽に食べることから、別名「イワシ祭り」と呼ばれ、現地ではワインとともに楽しまれています。
魚とともに合わせるワインは、スッキリとした白ワインを思い浮かべるかもしれません。しかし現地では、イワシの炭火焼きに少し冷やした赤ワインを合わせるのがテッパン。炭で焼かれたイワシをそのままで、または焼いたパンにのせたり挟んだりしながら、気軽に頬張るそうです。
昔からその土地で楽しまれているワインと食の組み合わせは、想像以上に相性が良いことが多く、意外な発見もできるチャンスだったりしますよね。
日本と貿易の歴史的にも繋がりを持つポルトガルは、ヨーロッパの中でも米が多く消費される国です。米を主食とする日本の食文化に似ているので、魚介が好まれる日本と通じる嗜好も感じます。
ポルトガルで造られるワイン
ポルトガルといえば、ポートワインやマデイラといった酒精強化のワインが有名ですが、スティルワインも見逃せません。どのようなワインが造られているのかおさらいしましょう。
ヴィーニョ・ヴェルデ
ポルトガル北部のスペインとの国境地帯に位置する産地、ヴィーニョ・ヴェルデ。「緑の地」と言われるほど自然が豊かな地域で、別荘地としても知られています。
この地で造られる厳しい基準をクリアしたワインがヴィーニョ・ヴェルデと名乗ることができ、緑やフレッシュというヴェルデの意味から、「緑のワイン」とも呼ばれます。
アルコール度数の低い微発泡の飲みやすい白ワインは初夏にピッタリです。
ヴィーニョ・ヴェルデの一覧
ドウロ
酒精強化ポートと同じブドウ栽培地域として有名なドウロ。近年では酒精強化しないスティルワインの品質が向上しています。
ドウロ川に沿ったブドウ畑で造られる、凝縮感のある重厚さ、硬質な力強さを特徴とした赤ワインが世界中からの注目を集めています。
標高や畑の向きによって造られるフレッシュでミネラル感のある白、ロゼワインも人気があります。
ドウロの一覧
ダン
ポルトガル中北部の内陸部にある周囲を山脈に囲まれた地域がダンです。
標高差も激しい冷涼な気候のため、酸味とアルコール感のバランスが取れたエレガントな赤ワインを生み出します。
大半が赤ワインですが、若々しいフレッシュな白ワインも評価が上がっています。
ダンの一覧
イワシとポルトガルワインを合わせてみよう!
それでは、イワシとポルトガルワインを合わせて楽しんでみませんか?一度試せばその相性の良さに驚くはずです。
ヴィーニョ・ヴェルデ×イワシのパン粉焼き
イワシ特有の風味と、爽やかでフルーティーな白ワインは絶品の組み合わせ。さっぱりとした飲み口のヴィーニョ・ヴェルデに、カリっとした食感と旨味のあるイワシのパン粉焼きは好相性です。
開いたイワシに香草やニンニクを合わせたパン粉を纏わせ、オリーブオイルをかけて焼くだけの簡単料理。焼いている最中の香りから、すでに白ワインが止まらなくなる美味しさです。
大衆魚である手軽なイワシには、気軽に楽しめるヴィーニョ・ヴェルデが気取らない日々の食卓にピッタリですね。
赤ワイン×イワシのトマト煮
少し冷やしても楽しめる軽めの赤ワインに、イワシのトマト煮を合わせます。イワシの風味にジューシーで柔らかなトマトの酸味が加わり、ニンニク、オリーブの味わいによってイワシ特有の風味が和らぐので、魚は合わせづらいと思いがちな赤ワインも杯が進みますよ。
煮込み料理にすることで味わいのボリュームが広がるので、赤ワインが好相性です。
まとめ
知らないとなかなか手に取りづらいワインでも、その産地の料理と組み合わせてみるのはきっかけの一つになりますよね。
魚に合わせるのは白ワインと決めつけずに、現地のように赤ワインとイワシを合わせてみてください!
近年海外旅行に行けていない方も多いかと思いますが、ポルトガルワインとイワシ料理で旅行気分を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ポルトガルのワイン一覧