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ワインになくてはならない「菌」の存在

エノテカ編集部
エノテカ編集部
ワインの豆知識
公開日:2022.5.23
更新日:2022.5.23
ワインになくてはならない「菌」の存在

ワインはブドウ果汁に含まれる糖分をアルコール発酵させることで生まれる発酵食品(飲料)です。この「発酵」とは微生物=菌の働きによって物質を分解させることを指します。


近年、美容や健康のために「菌」を積極的に取り入れる「菌活」が注目されていますね。


5月24日は「菌活の日」と制定されているということで、今回はワインにまつわる「菌」について考えてみたいと思います。

目次

菌がなくてはワインはできない!

ワインはブドウ果汁が酵母(菌)の働きによって発酵してできるアルコール飲料です。


発酵の元となる酵母は、ブドウ畑やブドウの果皮、醸造所に自然に存在します。よって、収穫したブドウを発酵に適した環境に置けば、自然に発酵が起こりワインができます。


ワインは製造方法が非常にシンプルだからこそ、紀元前からワイン造りが行われてきたのです。もちろん現在は安定したワイン製造のために培養酵母を使用する生産者もたくさんいます。


ワイン造りにおいて発酵は重要な鍵を握っています。ブドウの中に含まれる糖分(ブドウ糖、果糖など)は酵母によりエタノール(アルコール)と二酸化炭素に分解されます。

C6H12O6    2C2H5OH  +  2CO2

ブドウ糖    エタノール    二酸化炭素

酵母が効果的に糖分を食べてアルコールへと変わることにより、果汁の糖度が下がって、アルコール度数が上がります。同時に果汁からブクブクと泡状の二酸化炭素が発生します。果汁の糖分が全てアルコールに変わるとワインは辛口になるのです。


ブドウの果皮や醸造所に存在する天然酵母を使用する場合は、ブドウを栽培する段階で殺菌剤を多用すると有害なカビだけでなくブドウの果皮に生息する酵母も殺菌されてしまうため、栽培管理にも注意を払う必要があります。


つまり、生産者が酵母をいかにコントロールするかによって、ブドウの栽培方法から出来上がるワインの味わいまで変わってくるのです。

乳酸菌

ワインの発酵と聞くと、「アルコール発酵」の次に「マロラクティック発酵」が思い浮かぶ人も多いと思います。「このワインはマロラクティック発酵をしているので〜」という文言をワインの商品説明で見かけたことがあるかもしれません。


マロラクティック発酵とは、ブドウに含まれるリンゴ酸が乳酸菌の働きにより乳酸と炭酸ガスに分解されることを言い、アルコール発酵の後に行われるのが一般的です。


乳酸菌は嫌気性のバクテリアで空気中に浮遊しており、ワイン中で自然に増殖します。よって、マロラクティック発酵を行う時はワインが酸素に触れないように密閉容器で空気のない状態に置き、温度を20度以上に保って行われます。


マロラクティック発酵を行うと、ブドウに含まれる鋭い酸味のリンゴ酸がより和らかな酸味の乳酸に変化します。さらに、乳酸菌はブドウに含まれるクエン酸から副生成物として、ヨーグルトなどの乳製品系の香りを持つダイアセチルを生じます。


マロラクティック発酵は、ワインの味わいを整え(まろやかにする)、ダイアセチルなどの香りによる複雑性と豊潤な香味を形成し、リンゴ酸がなくなることで瓶詰め後のワインの安定性を保つなどの目的で行われます。主に赤ワインで用いられますが、白ワインでも用いられることがあります。

貴腐菌

フランスのソーテルヌに代表される世界最高峰の甘口ワインと言われる貴腐ワインは、貴腐菌によって生まれます。


貴腐とはブドウの果皮がボトリティス・シネレア菌という菌に感染することを言います。ボトリティス・シネレア菌は灰色カビ病という植物の病害の一種で、ブドウの他に身近な果実ではイチゴでも見かけます。


この菌が果皮に付着すると果皮の組織が破壊され、そこからブドウの水分が蒸発し、エキスが凝縮された糖度の高いマスト(ブドウ果汁)が得られます。貴腐ワインは通常のワインを造るマストよりはるかに高い糖度のマストから造られるため、アルコール発酵後もワインには糖分が残り甘口となります。


この貴腐菌は特別な環境下でなければブドウに付着しません。具体的には、収穫の時期の明け方に霧が発生して菌の生育に都合の良い温度や湿度状態になり、さらに日中は晴天で乾燥してブドウの水分が蒸発するような奇跡的な環境でなければならないです。


貴腐ワインは貴腐菌が生育する限られた場所でしか造ることができない上に、ブドウの貴腐化は粒によっても異なるため、収穫作業は手作業で一粒一粒、果実の状態を見極めながら数回に分けて行われます。


通常、ブドウ樹1本からボトル1本分のワインができると言われていますが、貴腐ワインの場合はブドウ樹1本からグラス1杯分のワインしか造ることができないと言われます。そのため、希少性が高く非常に高価になるのです。

まとめ

ワインは原料も製造方法も非常にシンプルな発酵食品(飲料)でありながら、その風味は千差万別ですね。


ワインの風味の違いは、原料となるブドウ品種やテロワールの他に、醸造方法、つまりどのように菌をコントロールするかによっても現れます。


それはワイン生産者の「こういうワインを造りたい」という哲学や意思を知る手がかりの一つでもあるのです。

参考文献:The World Atlas of WINE 8 EDITION 世界のワイン図鑑第8版       日本ソムリエ協会 教本 2021

エノテカ編集部
エノテカ編集部

全国60店舗以上!ワイン専門店「エノテカ」の編集部。スタッフやライターの方々と、知っていると得する基礎知識からエノテカならではのディープな情報まで、ワインにまつわる情報を様々なテーマで発信していきます。

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