【今日のワイン】味わいのギャップを楽しむ!「モンテス・アルファ・スペシャル・キュヴェ・シャルドネ」
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皆様こんにちは。広島三越店の吉﨑です。
突然ですが皆様。購入したワインを飲んでみたら、「あれ!?思っていたイメージと全然違う!」という経験はありませんか?
今回は私が飲んだワインの中で、その味わいのギャップが特に大きかったワイン、チリの白ワイン「モンテス・アルファ・スペシャル・キュヴェ・シャルドネ」の話です。
このワインを造りだす「モンテス社」は、チリで初めてプレミアムワインを生み出したワイナリー。代表作であるモンテス・アルファシリーズは、エノテカでも超定番のロングセラーワインです。
今回紹介するワインは、この通常のアルファのワンランク上のシリーズである、スペシャル・キュヴェシリーズのもの。通常のアルファ・シャルドネが樽の効いたリッチな味わいであるのに対し、このスペシャル・キュヴェ・シャルドネは新樽比率がさらに15%高くなっています。
「ということは、このワインはもっと樽の効いた、まるでカリフォルニアの白ワインのような、リッチなパワフルワインに違いない!」私はそう思いながら飲んでみたところ、イメージとは驚くほど違っていたわけなのです。
ワインの色は樽熟成から来るやや濃いイエロー。粘性も高くとろっとしています。香りはパイナップルやマンゴーをはじめとしたトロピカルフルーツや、熟した白桃などの果実に加え、樽由来のバニラ香を感じます。ここまではある程度イメージ通りでした。
しかし口に含むと、円みのある果実味の豊かさと樽のニュアンスの中に、印象的なしっかりとした酸。なんと、圧倒的に酸の主張が強かったのです。
通常のアルファ・シャルドネと比較すると、樽香の強さは強くなっていますが、高い酸のおかげで、全体的なボリューム感はもちろんありながらも、非常にまとまりのある味わいになっています。
この酸は一体どこからくるものなんだろう……そう思って調べてみると、ブドウの収穫される地域が違うことがわかりました。
通常のアルファ・シャルドネも、このスペシャル・キュヴェ・シャルドネも、地理のアコンカグア・コーストという地域からとれたブドウで造られているのですが、さらに細かく見ていくと、アルファ・シャルドネはその内陸部でとれたブドウ、スペシャル・キュヴェは海側のサパヤールという区画のブドウが使用されていたのです
サパヤールは、太平洋からの海風の影響で気温が低く、夏でも海に入れないほど(!)冷涼な地域。その気候のおかげで、成熟がゆっくりと進み、非常に高い酸度と凝縮感のあるブドウに仕上がっていたのです。
テロワールの影響によるブドウの酸度の高さが、こんなにもワイン全体のスタイルを大きく変えるとは……。自分の経験の中で思い込んでいたイメージとのこのギャップに大きく感動したのでした。
普段はワインのコメントを事前に調べてからテイスティングすることの方が多いですが、なかなかイメージと同じにはなりません。むしろ驚かされることの方が多いです。でも、こうしたワインのギャップというのもワインの楽しさ、難しさ、興味深さの1つだと思っています。
飲んだことのないワインを口にする際は、「こんな味わいかな?」と色々予想しながら飲むと、新たな発見があるかもしれません。皆様もぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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