エノテカスタッフに、愛飲するワインとの出会いや思いを語ってもらう「スタッフ愛飲」。
今回は小田急新宿店で店長を務める大石さんに、「クレフ・シュテッフェンスベルク・リースリング・シュペトレーゼ」について訊きました。
このワインの魅力や楽しみ方を、ご自身の体験と共に語ってくれました。
飲むたびに初心に帰る味わい
―今回ご紹介いただくワインとの出会いについて教えてください。
数年前、エノテカでこのシュタッフェルター・ホフという生産者の取り扱いが始まったときに初めて飲みました。
ワインの勉強を始めた頃、特にハマったのがモーゼルの甘口白ワインだったということを思い出して、久々に飲んでみようと思い購入したんです。
―飲んでみてどんな印象でしたか?
口にした瞬間に「あ~、これこれ!」と懐かしい気持ちになりました。
モーゼルのワインには独特のフワッとした優しい甘さがあると思うのですが、このワインからもその甘さがしっかり感じられて、素直に美味しいと思いました。
―思い出深い味わいだったんですね。
そうですね。ここ数年は辛口ワインばかりを飲んでいて、あまり甘口ワインを口にする機会がなかったのですが、ワインを飲み始めた頃はこの甘さが大好きだったなぁとしみじみしました。
それにこのワインは、ただ甘いだけではなく、塩味や酸味も感じられるんです。香りは桃などの果実に加えて、カモミール、菩提樹のようなアロマが感じられて、飲む度に癒されますね。
今では初心に帰りたいときや癒されたいときなど、事ある毎に購入して飲んでいます。
お酒が苦手な自分も飲めた、優しい甘さ
―ワインを勉強し始めた頃にモーゼルの甘口ワインにハマったとのことでしたが、何かきっかけがあったんですか。
昔働いていたレストランで、上司にオススメしてもらったのがきっかけです。
レストランはたくさんのワインを扱うお店だったのですが、当時私はお酒が苦手で…。ワインについて勉強しなくてはと思いつつも、そもそも飲めないし、どこから手を付ければ良いのかわからず途方に暮れていました。
そんな私を見かねた上司が「これだったら飲めるんじゃないか」と勧めてくれたのがモーゼルの甘口ワインだったんです。
―お酒が苦手だったのですね!?
はい。飲めるお酒といえばジュースのようなカクテルくらいでしたね。
実はそのレストランに就職するまで、ずっと音楽をやっていたんです。
ただ音楽だけで生活していくことに不安を感じて、飲食店でアルバイトを始めたら接客の面白さに気づいてしまい…。何の知識もないまま勢いでレストランに就職したんです。
お酒も飲めないのに、思い切った決断をしたなと思います(笑)
―すごい決断ですね。上司の方に勧められて飲んだモーゼルワインはいかがでしたか。
まずはとても飲みやすいことに驚きました。ワインって全部渋くて飲みにくいお酒なんだろうなという印象を持っていたので、「自分にも飲めるお酒があったんだ!」と、とても感動しましたね。
優しい甘さでフワーっと気分も明るくなるようで、ワインってすごいなと思いました。
それをきっかけにモーゼルの甘口ワインにハマり、お酒が苦手だったはずの自分がボトルでワインを購入するようになったんです。
さらに色々な銘柄を試していくうちに、気づけば甘口のワインだけでなく、辛口のワインも楽しめるようになっていました。
おしゃべりのお供に
―今回ご紹介いただいたワインは、どんな時に楽しんでいますか?
仕事終わりや寝る前、休日の夕方なんかに飲んでいます。食事と一緒に楽しむというよりは、ワインだけで楽しむことが多いですね。
以前何かの本で「ドイツワインはおしゃべりのお供にするのが良い」というのを読んだことがあって、それ以来このワインは誰かと一緒に飲むようにしています。
―“おしゃべりのお供“、素敵ですね。
一人で飲むのももちろん良いんですけど、家族や友達など大切な人と、たわいもない話をしながらこのワインを飲むとすごくリラックスできるんですよ。
普段ためこんでいるようなことまで話してしまって、飲み終わるころには気持ちがリセットされています。
このワインの持つ優しい甘さに癒されているのかもしれませんね。
懐かしい思い出を振り返りながら、笑顔で語ってくれた大石さん。
皆さんもこの優しい甘さの白ワインを片手に、大切な人と語らう時間を作ってみてはいかがでしょうか。