未だに根強い?よくあるロゼワインの誤解

近年、世界中でブームとなっているロゼワイン。

世界では10年以上ロゼワインの消費量が増加しており、ワインの本場フランスでは、国内消費量におけるシェア率において、ロゼワインが白ワインを抜き第2位となりました。

そんな中、日本は他国と比べるとまだまだブームとはいえない状況。

それはもしかしたら、ロゼワインに対する根強い誤解があるせいかもしれません。

今回はその誤解について説明していきたいと思います。

そもそもロゼワインとは?

ロゼとはフランス語でバラ色のこと。

バラのような美しいピンク色のワインのことを、総称して“ロゼワイン”と呼びます。

基本的に赤ワイン用の黒ブドウを使用して造られますが、特定の品種というものはなく、その土地に合った様々な品種から個性あるロゼワインがみ出されています。

製法は大きく分けて2つ。

白ワインと同様の製法で造る方法と(直接圧搾法)と、赤ワインを造る工程で、ほんのり色づいたところで仕上げる方法(セニエ法)です。※

製法や使用するブドウ品種によって様々な色合いのロゼワインが造られますが、味わいは外観からある程度予測することが出来ます。

例えば、フランス プロヴァンス地方に代表される淡いサーモンピンクのロゼワインは、白ワインと同様の製法で造られているものが多く、タンニンの少ない軽やかな味わいになります。

一方ボルドーに代表される濃いピンク色のロゼワインは、セニエ法で造られるものが多くしっかりとしたタンニンを感じる、パワフルな味わいに仕上げられています。

製法や味わいから、ロゼワインは赤ワインと白ワインの良いところをもった、中間的存在と言えるかもしれません。

※国によっては、赤ワインと白ワインを混ぜる製法もあります。

ロゼワインの今

世界中で人気が高まってきているロゼワインですが、一体どれほどブームとなっているのでしょうか。

2002年に18.9mhlだった世界のロゼワイン消費量は、2014年までに約20%増加し、22.7mhlに達しました。

特にワイン大国フランスの消費量は、この間に2.5 mhlも増加し、8.1 mhlになっています。フランスでは、ロゼは非発泡性ワインの総消費量の30%を占め、白ワインを抜いて赤ワインに次ぐ第2位となったのです。

このことからも、いかにフランスでロゼワイン熱が高まっているかがわかります。

また、アメリカでは「ミレニアル世代(1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代)」を中心にロゼワインの消費が拡大しています。

ミレニアル世代は、10代からインターネット環境やソーシャルメディアになじんだ初の世代で、SNSでのロゼ人気もここに繋がっているようです。

これらのことから、世界中でいかにロゼワインの人気が高まっているのかがわかります。

そんな中、日本ではロゼワインの消費量はほぼ変わっておらず、非発泡性ワインのうち、ロゼの割合はわずか3%。

まだまだブームとは言えない現状が続いています。

※2015年時点/フランス アグリメール・プロヴァンスワイン委員会

よくあるロゼワインの誤解

世界のトレンドに敏感な日本で、ロゼワインがなかなか定着しないのはなぜなのでしょうか。

もしかしたら、ロゼワインに対して次のような誤解があるからなのかもしれません。

ロゼワイン=甘口?

1980年代、日本ではドイツのリープフラウミルヒや、イタリアのランブルスコなど、甘口ワインが一躍ブームとなりました。

ロゼワインも例外ではなく、ポルトガルの「マテウス・ロゼ」やフランスの「ロゼ・ダンジュー」といったやや甘口タイプが人気を博しました。

その結果、可愛らしいピンク色の外観も相まって、40年近く経った今でも当時の様子を知る方には「ロゼワイン=甘口」というイメージがあるのかもしれません。

しかし、近年のロゼワインブームのスタンダードは、実は辛口です。

過去10年で輸出額が14倍と驚くほどの伸びを見せ、このブームの火付け役となったフランス・プロヴァンス地方のロゼは、淡いサーモンピンクの色調とドライな味わいが特徴。

ブームに乗じて生産を始めたロゼワインの多くは、このプロヴァンスのロゼを見本としているため、色が淡く軽やかな辛口タイプのロゼがほとんどなのです。

ロゼワインは低品質?

1980年代、大量生産かつ低品質なロゼワインが出回ったせいか、ロゼワインには「安かろう悪かろう」という印象がある方も多いようです。

過去にロゼワインが、赤ワインにするのは厳しい未熟なブドウを使用して造られたことや、赤ワイン生産者が生産過程でロゼワインを自家消費用に造ってたりしたことが、ロゼ=低品質というイメージに拍車をかけているのかもしれません。

しかし近年、ロゼワインに関する研究が盛んにおこなわれており、品質は飛躍的に向上していると言います。

例えばプレミアムロゼワインの先駆けともいえるプロヴァンスのシャトー・デスクランが挙げられます。

シャトー・デスクランは「世界最高峰のプロヴァンス・ロゼ」を造るためにプリューレ・リシーヌの元所有者一族であるサシャ・リシーヌ氏が、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの醸造長を20年務めたパトリック・レオン氏を迎えて2006年に設立したワイナリーです。

春が定番!?世界ではロゼワインといえば「夏」!

美しいピンクの色合いが、春の風物詩の桜を連想させることから、日本ではお花見で飲まれることが多いロゼワイン。

しかし海外では暑い夏に、しっかり冷えたロゼワインが楽しまれているのをご存じでしたか。

特に地中海に面するリゾート地でもあるプロヴァンスでは、ビーチでロゼワインを楽しむ姿があちこちに。

訪れる多くの観光客を魅了して止みません。

さらに夏のフードメニューとの相性も良く、辛みのあるエスニックフードや、BBQのシンプルにグリルしたお肉やお野菜とも相性抜群です。

他にもビール代わりにキンキンに冷やして、氷を入れてオンザ・ロックに、ジュースで割ってカクテルとしてなど、夏にぴったりのアレンジも暑い時期におけるロゼワインの楽しみ方の一つ。

常識に捕らわれず、様々なシーンや飲み方でロゼワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

世界的なロゼワインブームの背景には、そのフレッシュかつフードフレンドリーな味わいと、多様性のある楽しみ方がありました。

「甘い」「低品質」「春のワイン」といったロゼワインへの誤解がまだある日本ですが、その誤解が解けて、街中でロゼワインを楽しむ姿が見られる日は遠くないかもしれません。

まずはロゼワインを気軽に手に取ってみるところからはじめ、このブームをとことん満喫してみてはいかがでしょうか。

きっとワインの新たな楽しみ方が見つかりますよ。

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