プロのソムリエさんが自宅でワインを楽しむコツやプロのテクニックを紹介するコラム。
最終回となる第22回目は「カノビアーノ」のソムリエ、北野さんです。
すぐに真似できちゃうソムリエならではの楽しみ方は必見です!どうぞお見逃しなく。
【プロフィール】北野 建二さん
ホテル雅叙園東京 リストランテ「カノビアーノ」シェフソムリエ
大学中退後、飲食業界へ就職。当初から「ソムリエ」という仕事に憧れを持ち、2001年に代官山「カノビアーノ」にてイタリアンの素晴らしさに開眼。以降、植竹隆政シェフのもとで、イタリアワインと野菜料理の奥深さを学ぶ日々を送る。
皆さま、こんにちは。東京・目黒にありますホテル雅叙園東京 リストランテ「カノビアーノ」の北野と申します。
今回、私がご紹介するのは「お家で簡単!自然派イタリアンとワインのペアリング」です。
昨今、外食に対する概念が大きく変わってきている中、以前にも増して皆さまも「お家ごはん」の機会が増えているのではないでしょうか。
そこで、お家で簡単に、そして身体が喜ぶ「カノビアーノ風サラダとワインの楽しみ方」をお伝えしたいと思います。
自然派イタリアンとは?
そもそも「自然派イタリアン」をご存じでしょうか?これは「カノビアーノ」の料理テーマでもあるのですが「必要以上の調味・調理を省き、素材本来の味わいを最大限に活かす」イタリアンのことです。
例えば、調味料は、質の良いEXヴァージンオイル(おすすめは「カノビアーノ」で使用している、北イタリア ヴェローナ産サルバーニョ)、塩、こしょう、レモン(ジュースでも)。これだけあれば基本的にOKです。
いろいろな具材を使って自家製サラダを仕込んでも良いですし、お仕事終わりであればスーパーやコンビニで買ったサラダでも良いので、上記の調味料をお好みの配分でかけてみてください。
それだけで素材一つ一つの香りや味わい(甘さや苦み、辛みなど)をいつも以上に感じることができるでしょう。味の強い市販のドレッシングや調味料では隠れてしまう、素材本来の力を味わうことができます。
ワインとのペアリング
サラダは青野菜中心ですと、爽やかなソーヴィニヨンブランやソアヴェ、または軽快なスパークリングワインが合います。
モッツァレラチーズや生ハム・チキンなどを加えた場合は、少しまろやかなシャルドネや南仏のロゼワイン、もしくは軽めの赤ワイン(ピノノワール、キャンティなど)を冷やしめで。
今は、スーパーや量販店でも世界中のバラエティー豊かなワインをお手軽に入手できますので、いろいろなサラダとワインを、自然派イタリアンとワインのペアリングの入門編として試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後に、なぜ今回「サラダとワイン」という限られたテーマに絞ったかと言いますと、人の身体には「摂取すべき栄養の順番」があるからです。
まずは良質な野菜(食物繊維)と血流をきれいにしてくれるオリーブオイルを取り入れて身体へのフィルターを作ります。そこからお好みのワイン、タンパク質、〆にご飯系を楽しむというルーティーンが最も身体への負担が少なく、長い人生でずっとワインを楽しむ秘訣です。私自身も実践しています。
人生も100年時代。ワインラヴァーのための「身体に優しい自然派の流儀」をぜひお試しください。