ソムリエ / ワインエキスパート2次試験対策 白ワイン編

ソムリエ / ワインエキスパート試験、1次突破おめでとうございます。

合格したら最初にやりたいのが2次試験のコツを抑えること。2次では1次とは異なる心構えが必要になるのをご存知でしょうか。

今回から3回に分けてテイスティングのコツをご紹介します!第1回目は2次試験への心構えと白ワインについてお伝えします。

なめてはいけない2次試験

テイスティングが課せられる2次では、1次以上に周到な準備が必要です。

学科のみだったCBT試験は、どこか有酸素運動的な要素があり、やればやるだけ結果がついてくるもの。ときには火事場のクソ力で合格することもあるでしょう。

ところがテイスティングとなると身体能力が試されるところもあり、学科のような一夜漬けは歯が立たず、できるだけ早いうちから試飲トレーニングを開始しておく必要があるのです。

世界最優秀ソムリエの格言

2016年世界ソムリエコンクールで優勝したジョン・アーヴィット・ローゼングレン氏はテイスティング上達のコツに「ベーシック(教科書的)なワインにこだわれ」と言っています。

たしかにいくら早く練習に取り掛かっていても、試験に出ないような意表をつくような産地、ファンキーな生産者ばかり飲んでいるのでは、習得速度に遅れが出ます。

例えばオーストラリアのネッビオーロなどの流行は飲む必要はないでしょう。自分で教科書的なワインを揃える時間も自信もないという場合は、ワインスクールを利用するのがおすすめです。

どんな品種を飲んだら良いのか

それでは、白ワインの対策についてお伝えします。

近年の出題傾向は大きく二つ挙げられます。一つはシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランといった基本的な三つの品種です。これらの品種は繰り返し出題されています。

もう一つは受験生を「あっ」と言わせるサプライズ品種が時々入っていることです。例えば2018年にアルゼンチンのトロンテス、2019年にブルゴーニュのアリゴテが出題されました。

こういったサプライズ品種がどうしても気になってしまうところ。しかしまずは3大品種をしっかり練習することが肝心です。

たったの三つといっても侮ることはできません。なぜならこの3品種と典型的な産地との組み合わせを考えれば、練習アイテムは実に12にもおよぶからです(表1参照)。

シャルドネ フランス(シャブリ、マコン・ヴィラージュ)

カリフォルニア、オーストラリア、日本(長野)

リースリング フランス(アルザス)、ドイツ(モーゼル、ラインガウ)

オーストラリア(イーデンもしくはクレア)

ソーヴィニヨン・ブラン フランス(ロワール)、ニュージーランド(マールボロ)

チリ

表1:3大品種

知識がないと当てられない

ブラインドで正答するために必要になるのが、品種の知識です。どんなに嗅覚が優れていても、品種の個性が整理されていなければ解答を導き出すことはできません。

まずはテイスティングに特化した参考図書を1冊用意しましょう。

そうはいっても一つの品種について、詳細に説明されすぎていて、なかなか整理されないものです。そこではじめは次の3点にフォーカスすると良いでしょう。

①品種ごとの特定の香り

②酸

③木樽熟成の有無

この三つのポイントをざっくり覚えられたら、より詳しい情報を付け加えて整理していくと特徴がスッキリします。

例)シャルドネの場合

①ニュートラルでクセがない香り

②MLFをされているのが一般的なため、酸は柔らかく穏やか

③樽発酵・樽熟成を経るのが一般的なためにアーモンドやバニラの香りを感じることが多い

外観のポイント

一般的にはブドウの成熟度に応じてグリーンかったレモンイエローから黄金色がかったイエローに変化していきます。しかし黄金色がかったイエローだからといって、すぐさまに「ブドウの成熟度が高い」と判断するのはいささか危険です。

白ワインは赤ワインと比べて、造り手の醸造・貯蔵の手法が反映されやすく「メーカーズワイン」とも呼ばれているからです。

例えばブドウの成熟度が高くなくても意図的に酸化熟成されて「黄金色がかったイエロー」に見えている可能性もあります。大切なのは外観の段階で全て決断してしまわず、「かもしれない」程度でとどめておくことです。

香りのポイント

2019年度の試験では、「果実・花・植物」四つ、「香辛料・芳香・化学物質」三つ選ぶように指示されました(この個数は毎年変わるので要注意)。

「果実・花・植物」の中から四つ選べるといっても、全て果実から選ぶのはあまり感心しません。果物は二つぐらいにしておいて、できるだけ花、植物など異なる項目から選ぶのが良いでしょう。

香りの探す順番を「果実⇒花⇒植物⇒スパイス⇒木樽」とフォームとして身に付けておくことも大切です。フォームがあればスポーツと同じで、緊張して「何を選べばいいかわからなくなった」という惨事を避けられるからです。

味わいのポイント

 白ワインで最も重要な観察ポイントは酸味でしょう。その高低は品種ごとにだいたい程度があり、例えばリースリングは非常に酸が高い品種として知られます。

しかし注意が必要なのは、観察時には品種特定のためにその高低を捉えていても、選択肢の語群には酸が「高い」「低い」といった言葉ではなく、「爽やかな」「やさしい」といった形容詞が並んでいることです。

なぜこういった形容詞で試験が行われるのでしょうか。理由はこの試験が、レストランで働くソムリエ用に設定されているからです。

ソムリエが「このワインは酸が高くて、アルコールが低いです」と説明しても、ゲストはそのワインを「飲みたい」と魅了されることはないでしょう。むしろ「このワインは酸が爽やかで、ソフトな飲み口のワインです」と言われた方が飲みたくなるのではないでしょうか。

まとめ

孫氏の兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉があります。

まずはテストの内容(敵)を知り、自分の状態(己)を把握しておけば、自然とやらなければならないことが見えてくるはずです。

1次を早めに切り上げて、「シャルドネだったら絶対外さない」など得意な品種を作ることも一つの作戦と言えるでしょう。次回は赤ワインのコツを紹介します。