豪華絢爛!ボルドー有名シャトー夢の饗宴!

一度は飲んでみたい高級ワインの代名詞、ボルドー格付けワイン。

格付けの発表はメドックが1855年、グラーブが1953年、その後若干の変更はあったものの、今なお世界のワイン市場に大きな影響を及ぼしています。

そんなボルドーの格付けを有する実力派シャトー3社が揃って来日し、ワインショップ・エノテカ広尾本店でスペシャルイベントが開催されました。

生産者と歓談しながら有名シャトーワインを飲み比べるという、夢のようなイベントに参加してきましたので、興奮冷めやらぬうちにレポートします!

シャトー・ジスクール & デュ・テルトル

アレクサンダー・ヴァン・ビーク氏

メドックの中でもとりわけ美しいシャトー(城)を持つことで有名なシャトー・ジスクールと、その兄弟シャトーであるシャトー・デュ・テルトルから、ゼネラルマネージャーのアレクサンダー・ヴァン・ビーク氏が来日。

シャトー・デュ・テルトルでは、格式高いボルドーの地で既成概念にとらわれない新しいワイン造りに挑戦し、1330年からの歴史を持つ由緒正しきシャトー・ジスクールでは、テロワールを的確に表現し、マルゴーらしさを追求したワインが造り続けられています。

それではアレクサンダー氏のテイスティングコメントとともに、ワインを解説いたします。

テルトル・ブラン 2016

 テルトルとはフランス語で「高台」を意味し、その名の通り、シャトーはマルゴーのアペラシオンで最も高い台地にあります。

「もともとシャトー・デュ・テルトルは赤ワインで有名でしたが、白ワインも造りたい、それもボルドー品種以外のブドウで造りたいと考え、2010年から生産し始めました。」とアレクサンダー氏は語ります。

原料となるブドウはシャルドネを主体とし、香り豊かなヴィオニエ、酸やフレッシュ感を与えるグロ・マンサンをブレンドしています。そのため、口に含んでみると、ソーヴィニヨン・ブランを主体として造られる一般的なボルドーの白ワインとは全く違う印象で、個人的には、ふくよかなブルゴーニュの白ワインのようなニュアンスを捉えました。

 「是非、ブラインドテイスティングしてみてください。きっと迷うはずですよ!」とテイスティングする参加者の顔を一人一人見ながら、終始笑顔でコメントするアレクサンダー氏。

100%オーク樽での熟成に由来するナッツの風味と、桃やりんごなどフルーティーなアロマ、そして心地良い酸味が魅力の白ワインでした。

シャトー・ジスクール 2012

マルゴー村の中でもシャトー・ジスクールは450ヘクタールもあるかなり大きな敷地を所有するシャトーで、生み出すワインは常にカベルネ・ソーヴィニヨン主体の力強いワインとなっています。

「標高の高い丘の上にブドウ畑があり、川にも近いため、土壌は砂利質、砂質、その下には粘土質もあります。そのようなテロワールがブドウに影響を与え、ワインに複雑味を与えている。」とアレクサンダー氏は言います。

また、「パワーを持ったワインでありながら、エルメスのシルクのスカーフのような柔らかいタンニンが特徴で、マルゴーというアペラシオンを的確に表したワインであると言えます。」と解説しました。

確かにマルゴーのワインはよく「女性的」と表現されますが、それはシャトー・ジスクールのワインのように、力強さとともに滑らかさや艶やかさを合わせ持ったワインのことを言うのかもしれません。

なお、2012年ヴィンテージは特に柔らかさがあって、グラスから飛び出てくるような果実味が、しっかりとしたタンニンを包み込んでいるような印象があるともアレクサンダー氏はコメントしていました。

シャトー・オー・バイィ

ヴィロニーク・サンダース女史

グラーブの格付け16シャトーのうちの一つ、シャトー・オー・バイィからはゼネラルマネージャーのヴィロニーク・サンダース女史。一目見て、とてもエレガントな女性という印象を受けました。

赤ワインのみを生産するシャトー・オー・バイィもまた古い歴史を持つシャトーで、12世紀からワイン造りを行なっていたと言われています。

「所有する畑は一つの区画にまとまっていて、その区画は4世紀もの間変わっていないのですが、これはボルドーではとても珍しいことなのです。そして、シャトーの目の前の4ヘクタールほどの畑には、樹齢120年のブドウの樹も植わっています。」とシャトーの説明をするヴィロニーク女史の言葉から、歴史と伝統の重みを感じました。

「私達は4世代にわたってシャトー・オー・バイィを運営してきましたが、1998年にアメリカのファミリーに所有が移りました。でも、今もこうして私達にシャトー・オー・バイィを任されているのはとてもラッキーなことだと思っています。」と話すヴィロニーク女史。

ワインの解説は以下の通りです。

ラ・パルド・オ―・バイィ 2011

ラ・パルドとは昔ボルドーに植わっていた古いブドウ品種の名前で、1967年から生産しているシャトー・オー・バイィのセカンドワインです。

「このワインは『真のセカンドワイン』と私達は呼んでいます。なぜなら、私達は全ての区画でグランヴァンを造るというコンセプトのもと、ワイン造りを行なっているからです。」とヴィロニーク女史は言います。

2011年はメルロの出来が良かったこともあり、メルロを主体に65%使用、残りの35%はカベルネ・ソーヴィニヨンとのこと。酸がしっかりとありますが、タンニンや果実味が落ち着いており、やわらかさを感じました。

シャトー・オー・バイィ 2011

「セカンドワインのラ・パルドと同じ2011年ヴィンテージです。この年はメルロの作柄がとても良かったのですが、カベルネ・ソーヴィニヨンも我々のシャトーでは例年通りよく成熟しました。よって、2011年のセパージュは、毎年60〜70%ほど使用するカベルネ・ソーヴィニヨンを55%に、残りをメルロとしました。クラシックでエレガントな仕上がりになりました。」と満足そうに話すヴィロニーク女史。

確かに、古樹のブドウも使用しているせいか、力強いボルドーの赤ワインとは一線を画す滋味深くエレガントなワインという印象を受けました。

また、同じヴィンテージのラ・パルドとの違いは、香ばしいビターチョコレートやプラムのような香りの複雑さ、余韻の長さ、そして味わいの深みにあるように感じられました。

最後に彼女が強調していたのは、どんなヴィンテージでも安定した品質のワインが造れるのがオー・バイィの特長であるとのこと。それは毎年素晴らしいテロワールをワインが表現してくれるからで、味わいに関しては、常にバランスが良く、シルキーで強いタンニンは感じられないということでした。

シャトー・ランシュ・バージュ

ジャン・シャルル・カーズ氏

シャトー・ランシュ・バージュからはオーナーファミリーのジャン・シャルル・カーズ氏が来日。

シャトー・ランシュ・バージュも数世紀にわたる長い歴史を持つシャトーで、カーズファミリーが所有して80年になり、ジャン氏は4代目です。

シャトーの北側をムートン・ロスチャイルドとラフィット・ロスチャイルドに挟まれ、南側にはピション・ラランドとピション・バロン、ラトゥールが隣接するという抜群の立地で、高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンが育ちます。そのため、造られるワインもカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、全体的に力強い味わいとなります。

エコー・ド・ランシュ・バージュ 2016

「シャトー・ランシュ・バージュのセカンドワインであるこの『エコー』は、日本のカラオケチェーン店の名前と同じですね!」と冗談交じりにワインの紹介を始める陽気なジャン氏ですが、ボルドーに複数のシャトーを所有する当主です。

「ポイヤックのワインはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体で、我々のワインも70%以上カベルネ・ソーヴィニヨンを使用しています。そのため、ストラクチャーがはっきりとしたワインになります。」とまずはポイヤックのアペラシオンについて解説。

そして、「セカンドワインは若いうちから飲めるのが特長ですが、2016年はセカンドワインでもまだ若いかな。」とジャン氏が言うように質実剛健という言葉がぴったりのエコー・ド・ランシュ・バージュ。飲み始めは余韻に口内をしめつけるようなタンニンがありましたが、ゆっくりと味わううちにグラスの中に香りが立ち上がり、赤いフルーツやスパイスの風味を感じる、華やかなワインに変化しました。

シャトー・ランシュ・バージュ 2011

「2011年のランシュ・バージュは個人的にはとても好きなヴィンテージですが2009年、2010年がグレートヴィンテージだったために、2011年はあまり目立たず、見過ごされてしまっていて残念です。本来得るべき注目を浴びてこなかったヴィンテージなのです。でも、8年経った今、非常にバランスの良い、素晴らしいワインになっています。」

「そして、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いため、タンニンが豊富で重厚感のある、ポイヤックらしいワインになりました。」というのがジャン氏のコメントでした。

深みのあるガーネット色に、凝縮されたチェリーやプラム、腐葉土、ペッパーなど複雑な香りがグラスの中に充満していました。口当たりは滑らかで、少しのミネラル感も。8年の熟成期間を経た今、ボディにはまるみが現れ、ポイヤックワインの品格を感じました。

おわりに

今回、名実ともに素晴らしいボルドーのワインをテイスティングしてわかったことは、どのワインも個々のテロワールを的確に表現したワインだったということ。また、歴史あるこの3生産者は、代々引き継がれてきたブドウ畑とシャトーの伝統を大切に守りながらワイン造りを続けていることでした。

特別な日のテーブルにはやっぱり偉大なボルドーのワインがふさわしいと、改めて感じたイベントでした。

今回イベントが行われた 広尾本店

ワインショップ・エノテカ 広尾本店

住所:〒106-0047 東京都港区南麻布5-14-15
TEL:03-3280-3634 FAX:03-3280-3635
最寄駅:東京メトロ日比谷線「広尾駅」
E-mail:hiroo_shop@enoteca.co.jp
営業時間:11:00~21:00