アイスワインの銘醸地! カナダワインを解説

カナダと言えば、真っ先に思い付くのは偉大な自然を感じるナイアガラの滝ではないでしょうか?

日本では多くの人が訪れる観光地として有名ですよね。

カナダは寒いイメージがあるために、ブドウにとっては厳しい環境のように思えますが、実は素晴らしいワインの数々が生み出されています。

近年では2016年に放送されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)で、女優の新垣結衣さん演じる森山みくりと、ミュージシャンで俳優の星野源さんが演じる津崎平匡が、カナダ産のアイスワインを飲んでいるシーンが放送され、話題になったこともありました。

今回はそんなカナダのワインについて解説していこうと思います。

アイスワインが特産品

ロシアについで、世界で2番目に広大な土地を有しているカナダ。西海岸沿岸を除くと冷涼地が多いですが、そのおかげで樹上で凍ったブドウを使用したアイスワインが特産品となっています。

アイスワインとは、ブドウを氷結させるためにあえて冬まで収穫をしなかったブドウを使って造られる極甘口のワイン。凍ったことによりブドウの成分が濃縮された結果、エキス分がぎゅっと閉じ込められ、極甘口ながら濃厚かつ爽やかなデザートワインとなります。

カナダでアイスワインを名乗るためには厳しい規定をクリアする必要があり、天然で凍ったブドウの使用などを義務付けられていることが高い品質の維持につながっています。

カナダのワイン生産地

カナダでは、主に西部のブリティッシュ・コロンビア州と、東部のオンタリオ州でワインが生産されています。

オンタリオ州はエリー湖やオンタリオ湖などの大きな湖の影響で気候が比較的安定しており、ブドウにとって快適な気候となっています。この州にはナイアガラ・ペニンシュラ、レイク・エリー・ノース・ショアなどの栽培地区があります。

一方ブリテッシュ・コロンビア州は乾燥地帯で、高品質なブドウ栽培の条件が揃っているオカナガン・ヴァレー、シミルカミーン・ヴァレーと、温暖で多雨の冬と乾燥した夏が訪れるフレーザー・ヴァレー、バンクーバー・アイランド、ガフル・アイランズの5つの地区に分かれています。

その中でも、有名産地であるナイアガラ・ペニンシュラとオカナガン・ヴァレーについて、さらに掘り下げてみましょう。

ナイアガラ・ペニンシュラ(オンタリオ州)

ナイアガラ・ペニンシュラはカナダ最大のブドウ産地でナイアガラの滝がある有名観光地でもあります。

滝周辺の断崖壁に湖の風がぶつかって独特な空気の流れをつくるために、ワインに適した気候となっています。歴史的に見ると氷河による侵食が繰り返されたために、現在は複雑で多様な土壌が形成され、それによってワインの味わいも違いが感じられます。

シャルドネ、リースリング、ピノ・ノワール、カベルネ・フランなど、様々なブドウが栽培されています。

オカナガン・ヴァレー(ブリティッシュ・コロンビア州)

ブリティッシュ・コロンビア州におけるワイン生産量の85%以上を担うオカナガン・ヴァレーは、南北に縦長の産地で、北部と南部では大きな気温差があります。そのため、冷涼な北部では白ブドウ栽培が盛んで、比較的温暖な南部では黒ブドウが多く栽培されてます。

ヴィダル、リースリング、ピノ・ノワールが主要な品種で、高品質なワインが生み出されています。

栽培されているブドウ品種は?

カナダでは約80種類以上のブドウが栽培されています。

特にアイスワインに使用されるヴィダルが有名ですが、リースリングやピノ・ノワール、カベルネ・フランを使用した辛口ワインも近年は品質が高くなってきています。

ヴィダル

カナダで有名な品種といえば、アイスワインの主要な品種ヴィダルです。

正確にはヴィダル256と呼ばれ、ユニ・ブランとセイベル4986をかけ合わせた人口交配品種。フルーティーな香りが特徴的で、高い酸度がワインに爽やかさを与えます。

耐寒性があるためにカナダのような寒冷地でも栽培が可能なことが、この品種の普及に貢献しています。

まとめ

カナダが誇るアイスワインの原料となるブドウは、一房につきスプーン1杯分程度の果汁しか得られないと言われています。口に含むと甘さが広がると同時に、すっきりとしたブドウ特有の爽やかさを感じる味わいが特徴的です。

貴腐ワインやパッシートなどの甘口ワインとは、また別の魅力を持っているためにワインファンを魅了し続けています。

白ブドウを原料としたものが一般的ですが、最近では見た目が宝石のように煌めく美しい赤のアイスワインも造られています。

瑞々しい上品な味わいを、ぜひ一度堪能してみてくださいね。

<参考>

『2019 ソムリエ協会教本』一般社団法人日本ソムリエ協会