「人生を楽しむ天才」と言われるスペイン人。スペインの平均寿命は「2040年までに85.8歳となり、日本を抜いて世界一の長寿国となる見込み※」というレポートもあるほど、「長く人生を楽しむ」国でもあるのです。
そんなスペイン人には、とてつもなく長いランチやディナーを楽しむ習慣や、おしゃべり好きなところなど、驚きがいっぱい!
スペイン、カタルーニャ生まれの、トーレス社カルロス・ガルシアさんへインタビューしながら、そのライフスタイルに迫ります。
※保健指標評価研究所(IHME:Institute for Health Metrics and Evaluation)より
ランチが終わる頃にディナーがスタートする?!
「ランチの終わり。それはディナーのスタートを意味します。」
そんな言葉があるほど、スペイン人は一日中と言っていいほど長い間ワインと食事を楽しんでいるイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか?カルロスさん、教えてください。
バルセロナ生まれの生粋のカタルーニャ人、カルロスさん
カルロスさん「そんなに長くありませんよ!平日のランチは短くて1時間半くらいですから。」
いえいえ、カルロスさん、十分長いです(笑)
カルロスさん「週末はもっと長いですよ!お昼時は、家を出たらまずバルでタパスをつまみながら軽く1杯。その後だいたい14時くらいに家に帰ってランチが始まって、16時くらいに終わります。
今度はディナーの前、19時とか20時にタパスを食べに行って、21時頃からディナーが始まります。」
なるほど。タパス+ランチ、タパス+ディナーと、ずっと食べて飲んでいるんですね。ところで、よく知られているシエスタ(昼寝)は、今もスペインでは皆が実践しているのでしょうか?
カルロスさん「平日は10分くらいと短いですが、スペイン人の6割くらいが今もやっているんじゃないかと思います。」
サクッと終わる飲み会は存在しない?!
続いて、スペイン人の飲み会についてカルロスさんに聞いてみましょう。おしゃべり好きのスペイン人の飲み会は永遠に終わらないという噂を聞いたのですが・・?
カルロスさん「そうですね。毎回これで最後の1杯にしよう、と言ってそれを3回~4回くらいは繰り返します(笑)。本当に?本当に?と言いながら・・・。
だいたい夜の12時に最後の1杯が始まって、夜中の1時とか2時、遅い時は3時までかかります。もちろん、予定がある時などは早めにお開きになりますけどね。」
おしゃべりとワインが大好きなスペイン人らしいエピソードですが、「これで最後の1杯に」は、日本人の皆さんにも耳に覚えのある話かもしれませんね。
スペイン人の健康の秘密とは
2040年には日本を抜いて長寿大国1位になると言われているスペイン。日本人よりもよく食べよく飲むスペイン人が健康なのはなぜでしょう?
カルロスさん「生活の質の高さですかね。タバコもよく吸いますし、お酒も飲みますが、地中海式ダイエットという言葉があるように、スペインのオリーブオイルや野菜をたっぷり使った食事はとてもヘルシーです。
それにタパスの時間に象徴されるように、人々は社交性があって、日々多くの人たちと交流しています。お年寄りはよく歩いて公園に行って、そこでおしゃべりをしています。これはとても健康にいいと思います。こうした社会性があることも幸せに影響を与えていると思いますよ。」
なるほど!タパスの時間は、美味しいだけじゃなく、人々と交流する大切な場でもあり、それがスペインの人たちの幸せに影響を与えているんですね。
毎日は無理でも、食事前のおつまみ「タパス」とワインの時間、我々も取り入れて「人生を楽しむスペイン的ワインライフ」を実践してみたいですね。
カルロスさん、ありがとうございました!!
カルロス・ガルシア氏
トーレス社 エクスポート・マネージャー。1975年10月 スペイン、バルセロナ生まれ。
1998年にバルセロナ大学にて経営学の学位を取得。2009年にはWSET レベル3を取得。約8年間アジア、オセアニア地域でのワインビジネスを経験し、現在トーレス社にてエクスポート・マネージャーとして北アジア、オセアニアを担当。