1988年、醸造家のアウレリオ・モンテス氏をはじめとする4人で設立されたチリのワインメーカー、モンテス社。
この度、エノテカ社員がチリ研修で仕入れた現地情報を6つのテーマでご紹介いたします。
天使のワイン
地元でも人気のモンテス社のワイン
正面で出迎えてくれたのは、ずらりと並んだモンテス社のワインでした。地元のスーパーやワインショップに行ってもその人気は変わらず、どこにでもモンテスコーナーがあり、いかにチリの人々に愛されているか実感しました。
チリの食事情
チリはお肉料理中心の文化ですが、山あり海ありで日本によく似た条件のチリでは、お魚料理も豊富です。フンボルト海流の影響による南極からの冷たい海水が、お魚の身をキュッと引きしめ濃厚な味わいになります。
意外だったのが、研修中全ての食事の場にパクチー(コリアンダー)が出てきたことでした。主にソースに使われることが多く、お肉にもお魚にも、傍らにはパクチーがありました。「チリは暑くて乾燥しているから、爽やかなパクチーの香りを感じてリフレッシュするのよ。もちろんワインと一緒にね!」とモンテス社で出会ったマダムは言う。
温暖化対策
モンテス社では、「ドライファーミング」の研究が進んでおり、水を潤沢に与えた樹と、極限まで水を与えない樹との成長差の観察や、ビニールテント内での栽培実験等も行われていました。このような実験や栽培技術は「ブドウ本来の生命力を引き出すため。少ない水でも生きられることをブドウに“学ばせる”ため」なのだと言います。こうした未来を見据えた活動が盛んであることも、チリワインの特徴のひとつです。
収穫期のブドウの糖度
100ヶ所以上の異なる区画で採取したブドウの糖度を計測し、その平均値が24度を越えた時点で初めてブドウの粒を実際に試食し、最終的な収穫のタイミングを見極めます。試食の際に注意することは「種が熟しているかどうか」です。種が緑掛かっていると未熟です。えぐみや渋味を強く感じまだ収穫に適しません。それに対して、熟した種は茶色でえぐみがなくナッツのような風味がし、収穫に適したブドウと判断します。
カルメネールとメルロの見分け方
モンテス社のワインメーカー、クリストワール氏にカルメネールとメルロそれぞれの特徴やその見分け方について伺いました。
2つめは、紅葉した時の色の違いです。3月に収穫期を迎えるメルロは黄色く紅葉しますが、5月頃収穫期を迎えるカルメネールは、赤く紅葉するそうです。
そして、ブドウの粒と房にも違いが見られます。カルメネールが小ぶりな房なのに対して、メルロは少し大きめに感じられます。粒の色を比べてみるとカルメネールの方が濃い深紅の色で、この深紅色はカルメネールの語源とも言われるそうです。
以上のように微妙な違いのカルメネールとメルロをみると、最近まで混同されていたことも十分理解できます。
クリストワール氏の分かりやすい説明で、研修メンバー全員がブドウの違いをよく理解でき、ワインメーカーになったような気分で畑をあとにしました。
ぜひ今夜は「天使のワイン」モンテスをお食事のお供にお楽しみください!