ロドルフ・ドゥモジョはムルソーを拠点に一代で築かれた若いドメーヌです。所有する畑のブドウ樹の樹齢は50年を超えるものもあり、当主ロドルフ氏はその古樹ブドウを用いて、アペラシオンの個性を表現。ワイン専門誌「ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」にて「エネルギッシュで濃厚、熟成ポテンシャルに優れた赤ワインを生み出しており、特に近年のワインは見事に調和している。」と称賛される通り、バランスに長けたワインを生み出しています。

ロドルフ・ドゥモジョは1992年に設立された、歴史の新しいドメーヌ。設立当初は当主のロドルフ・ドゥモジョ氏の祖父母より受け継いだオート・コート・ド・ボーヌのムロワジー村に拠点を置いていましたが、ドメーヌの拡大につれて1998年よりムルソーに本拠地を移しています。

所有するのはムルソーや、サヴィニー・レ・ボーヌ、モンテリなどコート・ド・ボーヌを中心とした約8haの畑。比較的若いドメーヌながら、所有畑のブドウ樹の樹齢は50年を超えるものもあり、その古樹から収穫したブドウを用いて、アペラシオンの個性が表現されたスムースな口当たりのワインを生み出しています。

ドメーヌの方針として、高品質のワインを造るために古樹を大切にし、収量を抑制。驚くべきことにエントリーレンジであるブルゴーニュ・コート・ドール・ピノ・ノワール、シャルドネにおいても古樹のブドウを使用しています。それでいて、価格高騰が顕著なブルゴーニュワインの中では手頃な価格を維持している、貴重なドメーヌです。

ロドルフ氏が目指すのは、しっかりと味わいの詰まった健全なブドウを実らせること。果実が多く実らない古樹のブドウを最大限に良いものにするべく、芽かきや伸びた葉を刈り取ることで房の間隔を開け、十分な日照と風通りを確保しています。また、ビオディナミ栽培のような月の満ち欠けの周期を基にした暦を取り入れていることも特徴の一つ。真摯に畑に向き合うことで、古樹ブドウのポテンシャルを活かしたピュアな味わいのワインが生み出されるのです。

ブドウは、桶の底の果実が潰れてしまわないよう小さな桶を用いて手摘みで収穫。ヴィンテージによって、区画毎に発酵を行うか、果汁をブレンドしてから発酵を行うかを決めています。また、白ワインはフレッシュさを保持することを重視し、約3時間かけて優しくブドウを圧搾。228Lと350Lの木樽を使い分け、12ヵ月間熟成させた後に、キュヴェによってステンレスタンクで4～5ヵ月間熟成させます。

一方で赤ワインの発酵においては、天然酵母を用いてステンレスタンクで12～20日間という時間をかけ、自然発酵を促進。酵母を追加せずにじっくりと時間を費やすことで、テロワールの魅力を引き出しています。熟成は新樽率10～15％の木樽で1年以上寝かせた後、ステンレスタンクで2～3ヵ月熟成。月の満ち欠けに合わせたタイミングでボトリングを行います。

こうしてできあがるワインはいずれもスムースでピュアな味わい。ワイン専門誌「ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」では、「エネルギッシュで濃厚、熟成ポテンシャルに優れた赤ワインを生み出しており、特に近年のワインは見事に調和している。」と称賛されています。

ブルゴーニュの2020年は、ブルゴーニュワイン委員会が「偉大なグレートヴィンテージになる。」と発表した注目のヴィンテージ。デキャンタにおいても「価値のあるヴィンテージ。」とコメントされています。

春は日照時間が多く5月末に順調に開花が開始。夏は例年以上に暑く乾燥した気候となりました。猛暑とはなったものの、さらに、8月から9月に降った少量の雨のおかげで気温が下がり、ブドウにフレッシュな酸が備わったことが特徴です。造られたワインは果実味と酸のバランスが素晴らしく、例年と比べてもワンランク上の品質を湛えた仕上がりになっています。

ロドルフ・ドゥモジョの2020年ヴィンテージのワインは親しみやすい果実味が特徴。初めて飲む方でも楽しみやすいヴィンテージとなりました。