ベガ・シシリアが、メドック格付け第一級シャトー・ラフィット・ロスチャイルドを擁するロスチャイルド家の一員、ベンジャミン・ド・ロスチャイルド氏と起こしたジョイントベンチャー。彼らは現在、リオハに75haの畑を所有。リオハと言えば、1,000年あまりの伝統を持ち、世界中にその名を轟かすスペイン随一の銘醸地。北と南を2つの山脈に挟まれた標高300~700mの高地に位置し、大西洋気候と地中海気候の2つの気候が混ざり合うため、気温は年間を通して温暖で、ブドウ栽培に大変適しています。
リオハではヨーロッパでは珍しくアメリカンオークの樽を用い、バニラのような甘い樽香のニュアンスがワインに溶け込んだしなやかなスタイルが伝統的とされてきました。しかし1980年以降は、若い醸造家たちがボルドーから伝わったフレンチオークの小樽での熟成を取り入れ、骨格と力強さを備えたモダンなスタイルが流行しました。
ボデガス・ベンジャミン・ド・ロスチャイルド&ベガ・シシリアが目指すスタイルは、1950~60年代に造られていたようなクラシックなリオハワイン。フレンチオークを用いモダンな造りを取り込みながらも、食事に合わせて楽しめる洗練された味わいに仕上げています。
2006年から試験を重ね、2009年ヴィンテージが初のリリース。ワイン名になっている「マカン」の名は、畑の8割が属する村名サン・ビセンテ・デ・ラ・ソン・シエラに住んでいた人のことを「マカネス」と呼ぶことから由来しています。テンプラニーリョのタンニンと酸味を柔らかな樽のニュアンスが包み込み、タンニンの強さだけが主張しないしなやかな印象。ピュアな赤い果実と酸味の存在感、滑らかなタンニンが渾然一体となった肉厚な仕上がりは、現代リオハのスタイルを見事に体現しています。
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