第18回 番外編

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公開日 : 2018.3.22
更新日 : 2023.7.12
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奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスにミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?! ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明! あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?

番外編

2014年10月に行われた、ソムリエ日本一を決める第7回全日本最優秀ソムリエコンクール(一般社団法人日本ソムリエ協会主催)において、石田博氏が優勝しました。今回は、ソムリエ日本一を記念した番外編として、石田氏のインタビューを皆様にお届けします。

―石田さんは第1回のコンクールで優勝、第2回のコンクールでも優勝され、2000年のモントリオールでの世界大会では第3位に入賞されました。今回14年ぶりの再挑戦を決意された理由は?

石田氏 まず、周りの環境が整ったことが大きい。前大会時は2人の子供が1歳と0歳、そしてレストランの支配人を務めており、とてもそんな環境ではなかったが、最近はフリーランスとなり、ようやく自由にできる時間が持てるようになった。また、2013年世界ソムリエコンクールの東京大会で、スイスのパオロ・バッソ氏が優勝した。パオロ氏とは同世代で、14年前の大会では彼が2位、自分が3位であった。同期と目していたパオロ氏が目の前で優勝したことには大いに刺激を受けた。そしてちょうどその頃、10年ぶりくらいにワインの試験を受ける機会があった。A.S.I.ディプロマ試験を受け、錆びついていると思っていた感覚が蘇り、結果は満足のいく出来だった。さらに、田崎真也さんから「後進のためにサポートするなら、自分でやってみせなよ。」と今回の出場を強く勧められたことも大きい。こうして、家庭と仕事の環境が整い、刺激を受ける出来事が重なって今回の出場を決意するに至った。

―コンクールで優勝するために必要なことは何ですか?

石田氏 ソムリエコンクールで優勝するために必要なことは、情熱でも根性でもなく「周到な準備」に尽きる。エベレストに登頂するのと同じで、綿密な準備をして環境を整え、そしてよほどの「覚悟」が必要。今回のコンクールでは最初から世界大会に照準を合わせ、約1年前からワイン誌を読み込みながら知識を掘り下げ、徐々に「ワイン脳」にしていき準備を進めた。コンクールではサービスが高く評価されたが、ベージュ・アラン・デュカスで6年間働いていた頃に世界のトップソムリエとフランス語で戦った経験が生きた。明確に指示を出し、責任をもって取り組めば、それがパフォーマンスに出る。

―今回の優勝で来年のアジア・オセアニア大会の出場権を得て、そこで優勝されると今度は2016年の世界大会のアジア代表です。世界レベルのソムリエの条件とは?

石田氏 まず「好奇心と貪欲さ」が必要。世界レベルのソムリエは、試飲会などで、どんなワインでも真剣にテイスティングし、面白いワインを発見している。そして「プロ意識と誠実さ」が重要。プロ意識をもってワインの生産者と対話をし、誠意をもって世界中のワインのみならず、ビールなどあらゆるものと真摯に向き合うことが大切。

―最後に、エノテカタイムスの読者であるワインラヴァーの皆さんにメッセージをお願いします。

石田氏 「よいワインはよい消費者がつくる」と言うように、両者は対になっています。皆さんはもちろん、日本の消費者は成熟していると言われますが、これからはもっと2000円~8000円くらいの中価格帯と言われるワインを楽しんでいただきたいです。これらは、土地、ヴィンテージ、生産者に対する理解がないと楽しめない「テロワールのワイン」。安いから飲む、ブランドだから飲む、というだけではワインの楽しみは半減してしまいます。テロワールのワインをもっと楽しんで、ワイン選びのセンスに磨きをかけていただきたいと思います。

石田さん、ありがとうございました! 来年のアジア・オセアニア大会でのご健闘をお祈り申し上げます。

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