知っておきたい!ワインのラベルの読み方

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公開日 : 2022.2.17
更新日 : 2023.7.12
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知っておきたい!ワインのラベルの読み方

ワインのボトルを目にした時、そのワインがどんなワインかを知る手がかりはラベルの情報しかありません。


しかし、英語ならまだしもフランス語やイタリア語で書かれたワインのラベルはワイン初心者にとってはとても難解です。ラベルに書かれていることが理解できれば、もう少しワインのことがわかるのに…なんて思った経験はありませんか?


ワインのラベルの情報を正しく理解できるようになると、おおよその味わいだけでなくそのワインの価値までも検討がつくようになります。そこで今回はラベルの読み方を解説したいと思います。

目次

ラベルに書かれていること

ボルドーワインとブルゴーニュワイン

基本的にワインのラベルには、「いつ・どこで・誰が」ワインを造ったのかが記載されています。


「いつ」はヴィンテージで原料となったブドウの収穫年です。次に「どこで」は生産国、原産地、そして「誰が」はもちろん生産者です。


その他には、アルコール度数や内容量も記載されていることが一般的です。ただ、法的にラベルに表記しなければならない内容は国によって異なるため、記載内容は生産国によって異なります。


基本的にラベルに最も大きく記載されているのがワイン名です。ですがワイン名は、フランスワインのように原産地がワイン名である場合もあれば、生産者が独自に付けた固有名詞がワイン名であることもあります。


また最近は、表ラベルはデザイン画のみで文字はなく最低限の情報のみ裏ラベルに記載するなど、自由にラベルを作成する生産者も増えています。

旧世界と新世界でラベルが異なる

ボルドーワインのボトル

世界のワイン生産国は大きく二つのグループに分けられます。一つは、フランスやイタリア、ドイツ、スペインなど、ワイン造りの歴史が数百年以上も続く伝統国。これらをまとめて旧世界(オールドワールド)と呼びます。


もう一つはアメリカ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、そして日本など、主に第二次世界大戦後にワイン造りが盛んになった新興国で、新世界(ニューワルド)と言います。


旧世界と新世界ではワインのラベルが異なります。


ワインと言えばまずはフランス!と思われる方が多いと思います。フランスではワインのラベルをエチケットと言いますが、フランスをはじめする旧世界のワインのラベルを理解するには、残念ながらある程度ワインの知識が必要です。


一方、新世界のワインのラベルは初心者にも非常にわかりやすく記載されているのが特徴です。

旧世界のワインのラベルについて

旧世界のワインは原産地名=ワイン名であることが多いため、ラベルには原産地名が最も大きく記載されているのが一般的です。他に生産者名やヴィンテージなどが記載されていますが、例外を除いてフランスのワイン法ではヴィンテージの表示義務はありません。


旧世界のラベルが難しい理由の一つに、味わいをイメージしやすい原料ブドウ品種の記載がないことが挙げられます。フランスでは、アルザス地方を除いて原則A.O.C.ワイン(※1)の表ラベルにブドウ品種の記載はありません。ですから、ワイン名(原産地名)の知識がなければ、そのワインがどんなブドウから造られたワインかわかりません。


EUに加盟する旧世界のワイン生産国、特にフランスやイタリアは、ワインの造りの長い歴史や伝統とともに産地を守るという意識が高く、ワインの造り方はもちろんですが、産地の気候や土壌、いわゆるテロワールによってワインの個性が大きく異なると考えられているため、A.O.P.(※2)名=ワイン名となっているのです。


それでは、ラベルにどのように記載されているか具体的に見てみましょう。

ボルドーワインのラベルの読み方

まず、ボルドーワインに限らずA.O.C.ワインの場合は、表ラベルもしくは裏ラベルに必ず記載しなければならない「義務表示」があります。

① 原産地呼称名(A.O.C.名)

ワインの原料であるブドウの産地。「Appellation d’Origine Controlee」(アペラシオン・ドリジーヌ・コントーレ)といい、「d’Origine」の部分に産地名が入ります。


② 原産国名

「produit en France」「produit de France」「vin de France」など、フランスが原産国である旨が書かれています。


③ 瓶詰め元名と住所(生産者と住所)

シャトー所有のブドウ畑で収穫されたブドウを用いて醸造され、瓶詰めまで一貫生産されたワインには「Mis en Bouteille au Chateau」と記載されています。


④ 容量

通常の750mlサイズのボトルであれば「750ml」もしくは、「75cl」と書かれています。


⑤ アルコール度数

以上の五つの項目をラベルに表示することが義務付けられており、ヴィンテージの表示は任意です。表示する場合はその年のブドウが85%以上使われていなければなりません。


ではシャトー・ラフィット・ロスチャイルドのラベルで確認してみましょう。

①MIS EN BOUTEILLE AU CHATEAU

→シャトー元詰め


②CHATEAU LAFITE ROTHSCHILD

→瓶詰め元名=生産者であり、ワイン名(銘柄)


③2001

→ヴィンテージ 原料となるブドウの収穫年


④PAUILLAC

APPELLATION PAUILLAC CONTOROLEE

→原産地呼称名

シャトー・ラフィット・ロスチャイルドの所在地はポイヤック村

原産地呼称も「A.O.C.ポイヤック」


⑤12.5%

→アルコール度数


⑥750ml

→容量

原料となるブドウ品種はラベルに明記されていませんから、自ら調べる必要があります。A.O.C.ポイヤックは赤ワインしかなく、基本的にカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られていることを知っていれば、もし銘柄を知らなかったとしても味わいをイメージすることができます。


ちなみに、ラベルには記載されていませんが、シャトー・ラフィット・ロスチャイルドはメドック格付け1級のワインです。1級と知っていれば、価格にも納得できるはずです。

ボルドー編はこちら

ブルゴーニュワインのラベルの読み方

ブルゴーニュのA.O.C.ワインにもラベルの表示義務があります。内容はボルドーと基本的に同じです。

① 原産地呼称名(A.O.C.名)

ワインの原料であるブドウの産地。「Appellation d’Origine Controlee」(アペラシオン・ドリジーヌ・コントーレ)といい、「d’Origine」の部分に産地名または、「Premier Cru」などの畑の等級が入ります。


② 原産国名

「produit en France」「produit de France」「vin de France」など、フランスが原産国である旨が書かれています。


③ 瓶詰め業者名

「Mis en bouteilles par」の後にそのワインを瓶詰めした業者の名前が記載されます。ドメーヌ(自ら所有するブドウ畑で収穫されたブドウを用いて醸造され、瓶詰めまで一貫生産する生産者のこと)が元詰めの場合は「Mis en bouteilles au domaine」と記載されます。


④ 容量

通常の750mlサイズのボトルであれば「750ml」もしくは、「75cl」と記載されています。


⑤ アルコール度数

では有名なブルゴーニュワイン、ロマネ・コンティのラベルで確認してみましょう。

ロマネ・コンティのラベル

①MONOPOLE

→単独所有畑(原料となるブドウ畑を生産者が単独で所有しているという意味)


②2009

→ヴィンテージ 原料となるブドウの収穫年


③SOCIETE CIVILLE DU DOMAINE DE LA ROMANEE-CONTI

PROPRIETAIRE A VOSNE-ROMANEE <COTE-D’OR> FRANCE

→生産会社名と所在地、原産国


④ROMANEE-CONTI

→ワイン名(銘柄)であり、原産地呼称名(特級畑名)


⑤APPELLATION ROMANEE-CONTI CONTROLEE

→原産地呼称「A.O.C.ロマネ・コンティ」


⑥6465 BOUTEILLES RECOLTEES

→生産本数 6465本


⑦BOUTEILLE NO.03170

→ボトリングナンバー


⑧ANNEE 2009

→原料となるブドウの収穫年


⑨LES ASSOCIES GERANTS

→共同代表者


⑩オベール・ド・ヴィレーヌとアンリ・フレデリック・ロック

→2名の署名


⑪MISE EN BOUTEILLE AU DOMAINE

→ドメーヌ元詰め

世界で最も高値で取引されると言われるロマネ・コンティは偽造品も多く出回っていることから、ボトリングナンバーや生産者の署名もラベルに記載されています。


ここまでラベルに表記している生産者は非常に稀ですが、他の項目に関しては表示義務に従って記載されています。容量とアルコール度数は裏ラベルに記載されています。

ブルゴーニュ編はこちら

※1 A.O.C.  Appellation d'Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)というフランスの法律の略。日本語では「原産地統制呼称」と訳される。フランス国内の優れた農産物や酪農品などを国が保証するために与える認証のこと。A.O.C.ワインに認定されるには、その規定に従ってブドウを栽培、醸造しなければならず、ブドウの栽培範囲はもちろんのこと、認定されるブドウ品種、最大収量、最低アルコール度数、剪定法や醸造法まで事細かに定められており、さらに官能検査もクリアする必要がある。

※2 A.O.P. Appellation d'Origine Protégée (アペラシオン・ドリジン・ポテジェ)というEUの法律。日本語では「原産地名称保護」と訳される。フランスのA.O.C.に倣って制定された法律で、2006年に農産物と食品、2008年にワインに導入された。

新世界のワインのラベルについて

新世界のラベルは、旧世界のラベルより非常にわかりやすくワインの情報が記載されています。


まず、新世界のワインは単一のブドウ品種で造られていることが多く、ラベルにブドウ品種が記載されているのが一般的です。このようなワインを「ヴァラエタル・ワイン」と言います。


ちなみに、複数のブドウ品種をブレンドして造られている場合は、使用比率が高い順に併記し表示されることになっています。ただし、どの程度(全体量の何%など)使用すれば記載できるかは国によって異なります。また、ヴィンテージや産地表記に置いても同様のルールがあり、国によって異なります。


アメリカ・カリフォルニアの生産者ケンダル・ジャクソンのワインのラベルで確認してみましょう。

ケンダル・ジャクソンのラベル

①KENDAL-JACKSON

→ブランド名


②VINTNER’S RESERVE

→シリーズ名


③ZINFANDEL

→原料ブドウ品種


④JACKSON ESTATE・VINEYARD STEWARDSHIP

→生産者名 (自社管理ブドウ畑所有)


⑤NORTH COAST

→生産地(AVA名)


⑥2018

→原料となるブドウの収穫年

ちなみに、アメリカにもEUのA.O.P.のような原産地の保護及び保証をする法律があり、AVA( American Viticultural Areas の略で「アメリカ政府承認ぶどう栽培地域」と訳す)と言います。1978年に法制化され、1983年に施行されました。


ただし、アメリカのAVAが定める内容は産地・ブドウの品種・収穫年度で、栽培品種や栽培方法、醸造方法に関する規定は定められていません。 上記のワインのAVAはNORTH COAST(ノースコースト)になります。

新世界編はこちら

まとめ

ラベルは言わばワインの履歴書のようなもの。ワインの情報を正しく世に知らせるだけでなく、最近は生産者のアイデンティティーを表現しているものも増えています。


ジャケ買いと言われる、ラベルの見た目で判断するのも一つの選択方法ですが、ラベルの情報が理解できれば、好みのワインに近づく可能性が高まります。


ワインライフをより充実させるためにも、少しずつ楽しみながら覚えていけると良いですね。

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