【今日のワイン】シラーズの新たな発見「ヤンガラ・エステート・ヴィンヤード シラーズ」
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秋といえば、ワイン業界では日本ソムリエ協会の認定試験(二次)が毎年行われています。今年は10月18日(月)に実施されました。二次はテイスティングです。受験された皆さまは、視覚から嗅覚、味覚までが研ぎ澄まされた状態ではないでしょうか。本当にお疲れ様でした!
私はエノテカ入社前の2018年に受験したのですが、今となっても試験対策に明け暮れたあの頃の出来事が鮮明によみがえります……。
ブラインドテイスティングでおそるおそるマークしてみた回答が全く違ったこと。
チリのお手頃ヴァラエタルワインで品種の個性を確認したこと。
直前になり県外の二次試験対策講座を申し込み受講したこと
その前夜に羽を伸ばしすぎたこと。
紹介してもらったバーでありったけのハードリカーやワインを勉強させてもらったこと。
そこでDRCが造る1989年の絶品マールを少しいただいたこと。
……思い出が尽きません。
今日はそんな思い出に浸りながら、2018年のソムリエ認定試験で出題されたオーストラリア産のシラーズを開けてみました。開けたのは「ヤンガラ・エステート・ヴィンヤード シラーズ」です。
グラスを鼻に近づけると、シラーズからイメージしていた重たい黒系果実よりも、生のプルーンやイチジクといった果実、鮮やかな濃い紫色の花などの、華やかさを伴った香りに魅了されます。
スワリングしたグラスの底からは、粗挽きブラックペッパーのようなスパイス、シダやローリエなどの落ち着いたハーブ香、なめし皮のように少しワイルドで、特徴的な鉄分も感じられます。
口に含めば、フレッシュなブドウジュースのような穏やかで程よい酸がありながらも、絶妙なリッチテイスト。「シラーズといえばフルボディ!」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、プラスアルファでブルゴーニュのコート・ド・ボーヌを感じさせる繊細さを持ち合わせており、フィニッシュは予想を上回りエレガンスです。
脳裏をよぎるマリアージュは、上品なグリルステーキ。ステーキの画像検索をすると、ズッキーニやパプリカ、エシャロットなどを添えたプレートが現れ垂涎直前、いやもうアウトです。
二次試験前は対策として、主要産地の単一品種かつ、特徴が顕著に表れているワインをセレクトしてテイスティングしていました。
受験を終えてからは、産地や品種のさらに奥深く細かな個性、生産者の歴史や概念、スタイルや情熱など、様々な要素にも目を向けて楽しむことができるようになったと感じています。
受験を終えられた皆さまもそうでない方も、心の底からワインを楽しんでいきましょう!
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