【今日のワイン】屋台メニュ― マッシュルーム煮と楽しむ秋 「ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・ピテュール」
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こんにちは、金沢・香林坊大和店の三矢です。
芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、様々な秋がありますが、どのような秋をお過ごしですか。私はもっぱら赤ワインの秋で、11月のボジョレー・ヌーヴォー解禁を楽しみにしています。
11月の楽しみと言えばもう一つ、ブルゴーニュ地方で行われる最大のワイン祭り「栄光の3日間」をご存じでしょうか。様々なブルゴーニュワインが集まり、たくさんの屋台が出たり、普段開かれないセラー見学ができたりなど、一般客にも楽しめるワインや食文化が一同に会するお祭りで、特にホスピス・ド・ボーヌのワインオークションが有名です。
現地で参加しているようなプチ旅行気分を味わうべく、ブルゴーニュワインを開けようと思います。用意したのはブラン・ガニャールの「ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・ピテュール」です。
実は以前、私は赤ワインがほぼ飲めなかったのですが、美味しい…!と初めて思った赤ワインが2015年の「栄光の3日間」で出会ったヴォルネイ地区のワインでした。どこか素朴さも感じられるふくよかで果実味溢れる味わいに、飲めば飲むほど好きになってしまいました。
こちらのブラン・ガニャールはシャサーニュ・モンラッシェに本拠地を置き、ル・モンラッシェを筆頭とするグラン・クリュを所有する名門ドメーヌで、造りだすワインは繊細な旨味が印象的です。白ワインの名手が仕立てる赤ワインは酸味のバランスが上手だなぁと思うことが多く、ブラン・ガニャールもその一人で、毎年新ヴィンテージの入荷を楽しみにしている造り手さんです。
すこし大きめのグラスに注ぐと、よく熟したスモモやウメ、針葉樹の森、ほのかにレザーや甘いスパイスのニュアンスも。ヴォルネイらしい、ふくよかで柔らかな果実味は、まだまだ若さを感じるジューシーさで、熟成のポテンシャルを存分に感じられます。
温度の変化と共に、香りも味わいもどんどん柔らかくほぐれていき、ふくよかに変化してゆくので、ワインをメインにゆっくりと楽しみたい1本です。
お祭り気分を盛り立てるべく、ワイン祭りなど屋台でよく見かける、マッシュルーム煮と合わせます。マッシュルームを丸ごと、玉ねぎやにんにくと一緒に炊き込んだマッシュルーム煮は、秋冬の屋台メニューのひとつで、お家でもお手軽に美味しく楽しめます。こちらのワインが持つ森や土のニュアンスは、マッシュルームなどキノコととっても良い相性です。
今日は華やかな香りを持つピノ・ノワールに合わせ、香りの良い舞茸も追加してアレンジしてみました。華やかさも旨みもあるこちらの赤ワインと秋のキノコの香りと旨みで幸せなひとときです。
肌寒くなってきた季節に暖かい料理と美味しいワインは、身も心もほっと温めてくれますね。またブルゴーニュを再訪できる日を楽しみにしながら、今秋はお家でプチ・ブルゴーニュ祭りを楽しみたいと思います。