皆様こんばんは。松山三越店の山本です。
イタリアワインを愛する方の多くがそうであるように、私もこの季節になると、北イタリア、ピエモンテ州のワインばかりを手に取ってしまいます。
州都はトリノ。ピエモンテ州はスローフード発祥の地としても知られ、白トリュフなどの名産品や豊かな食材を使った郷土の食文化とワインが収穫の秋を彩ります。
今夜は思い切って”ワインの王、バローロ”で乾杯です。
バローロ・マルチェナスコ/レナート・ラッティ
外観は深いダークチェリーレッド。熟したラズベリーやブラックチェリーのアロマにバラやドライハーブのニュアンス。力強いアタックとボディ、滑らかに溶け込んだタンニンが骨格を形成し、エレガントな酸が全体の印象を美しくまとめ上げます。
ところで、ピエモンテのワインに「ALBEISA(アルベイサ)」という文字が型押しされているのを見かけたことはありませんか。直訳すると「アルバの」という意味。
アルバとはバローロやバルバレスコを産出するエリアの中心都市の名です。ボトルの形はなで肩で、一見するとブルゴーニュボトルを彷彿とさせますが、実際に手にとってみると独自のボトルシェイプであることがうかがえます。
今でこそ、多くの生産者が伝統的なアルベイサ・ボトルを採用していますが、工業化に伴い一時はその文化も廃れていたそう。そこに復活へ向けて鋭くメスを入れたのがレナート・ラッティ氏。その土地の風土や歴史、アイデンティティを守るべく奮闘した姿にロマンを感じずにはいられません。
秋から冬にかけて、私たちのショップにも多くのピエモンテワインが入荷してきます。この時期の私は大忙し。ワインと毎晩格闘し、生産者や銘柄の違いはもちろん、ヴィンテージごとに異なる個性を、五感をフル稼働させて身体で覚えていきます。
ついつい飲み過ぎてしまうのが玉に瑕ですが、それもまた一興。自転車の乗り方と同じで、一度味わった感動は忘れないものです。
さて、次はどのピエモンテワインにしましょうか。今年もまだまだ忙しい日々が続きそうです。
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