AOCメドック、白ワイン認可へ!ボルドーワインのトレンドまとめ

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公開日 : 2023.2.8
更新日 : 2023.2.8
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ボルドーのシャトー

フランスでブルゴーニュと並びワイン銘醸地として挙げられるボルドー。


ボルドーのワインといえば「流行に左右されず、昔からの伝統を守り続けている」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。


しかし実は今、ボルドーで様々な変化が起きているんです。今回はそんなボルドーワインに関する近年のニュースついて詳しくお伝えします。

目次

ニュース1 : AOCメドック、白ワイン認可の動き

白ブドウ

一つ目は、2022年7月に開かれたメドック、オー・メドック、リストラック・アペラシオンの理事会で、AOCメドックの白ワイン用のアペラシオンを認定する計画が承認されたというニュースです!


メドック地区とは、ボルドー市から北部に広がる地区を指し、ボルドーに流れるジロンド川の左岸に位置します。


栽培されるブドウ品種の多くは、粘土質や砂利質といったこの地区の土壌とも相性の良いメルロやカベルネ・ソーヴィニヨンといった黒ブドウ品種が主体となっており、生産量の大半が赤ワインです。


今回白ワインの認可の計画が承認されたのは、このメドック地区の中でもジロンド川下流に位置するメドックAOC。


生産者団体の会長であるクロード・ゴーダン氏によると、メドックではかつて辛口、甘口共に白ワインが大量に生産されていた時期があり、今回の計画はその回帰であるとのこと。


現在、メドック地区ではソーヴィニョン・ブランやセミヨン、ミュスカデルなどの白ブドウ品種も栽培されており、主にこれらの品種をブレンドし、ふくよかでバランスのとれた辛口の白ワインが造られています。


しかしこのAOCで認められているのは赤ワインのため、メドックで造られる白ワインは広域であるACボルドーとして販売。そのため赤ワインと比べると生産量が少なく、認知度も低いのが実情です。


今回の計画が進み、白ワインもAOCメドックとして生産が可能になることで白ワインを造る生産者が増え、生産量も増えていくことが考えられます。


AOCメドックの白ワイン認可についての仕様案は最終調整中ですが、2023年前半には提出される予定とのこと。


ボルドーと言えばやはり赤ワインのイメージが強いですが、この計画の承認により白ワインにも注目が集まりそうです!

ニュース2 : ボルドーのAOCで新品種6種類が認可

収穫されたブドウ

続いてはボルドーのAOCに新たに認可が下りた新しいブドウ品種についてです。


近年、温暖化によりワイン産地にも大きな影響が出ており、ボルドーでも平均気温の上昇によるブドウ樹の生育期間の短縮やブドウの成熟時期の変化や霜害発生頻度の高まりなど、様々な問題に直面しています。


そんな中、2021年にフランスのブドウ畑として初めて気候変動に適応した新たなブドウ6品種をAOC規定に導入することが決定!


2021年春からボルドー&ボルドー・ シュペリウールAOCの技術規定の中で認可されることとなったのです。


ボルドーではワインの品質を保つための対策として、収穫時期を早めたり、夜間での収穫を試みたり、ブレンドの際にカベルネ・フランなどの晩熟な品種の比率を上げるなど、模索してきましたが、新品種の認可により新たな選択肢が増え柔軟なワイン造りが可能になります。


新たに認められたブドウ品種および使用の規定は以下の通りです。

【新品種】

赤ワイン用 4品種

・アリナルノア、カステ、マルセラン、トウリガ・ナショナル

白ワイン用 2品種

・アルヴァリーニョ、リリオリラ


【規定】

・他のワイン生産地で代表的品種とされていないもの

・作付面積は5%まで

・割合は最終アッサンブラージュの10%以下

・ラベルへの品種明記不可

気候変動に対応する新品種の認可は、今後各シャトーの理想とするワインを造り続けるための一つの手段になっていくでしょう。

ニュース3 : ボルドー全体で取り組む環境対策

ブドウ畑

最後はボルドーの各シャトーで積極的な取り組みが広がっている、環境対策についてです。


ボルドーでは以前より環境負荷の低減を目指して環境に配慮したワイン造りに取り組んできましたが、近年の世界的な環境への意識の高まりから、その取り組みに注目が集まっています。


具体的にはブドウ栽培における気候変動対策や生物多様性の維持や、殺菌・殺虫剤など農薬の使用の削減、水資源の管理などが挙げられ、現在も生産者による努力が続けられています。


またボルドーワイン委員会(CIVB)の統計によると、現在ボルドーのブドウ園の 4 分の 3 が何らかの環境認証を取得しているそう。


この動きは格付けシャトーでも例外ではなく、最近では2018年に格付け1級のシャトー・ラトゥールがエコセール(=フランスで設立された世界最大級の国際有機認定機関)のビオロジック認証を取得。また2022年11月には格付け5級のシャトー・ペデスクローがオーガニック認証を取得するなど、ますますその動きが広がっています。


このように各シャトーの環境への意識はより高まっているとともに、環境が変化してもクオリティの高いワインを造り続けるために様々な取り組みが行われていくと考えられます。

まとめ

このようにボルドーでは、各シャトーの伝統や品質を守りながらも、環境やトレンドの変化に合わせて様々な改革を続けています。


今回お伝えした以外にも、近年のトレンドに合わせて新樽の比率を抑えたり、幅広い年代に興味を持ってもらうためにラベルデザインのリニューアルを行うなど、その取り組みは多岐にわたり、今後もそういった新しい試みに期待が高まります!


ボルドーワインを普段からよく飲むという方もそうでない方も、この機会にぜひいろいろなボルドーワインを楽しんでみてくださいね。

参考文献 : https://www.medoc-bordeaux.com/ https://www.vitisphere.com/news-97163-plans-for-white-aoc-medoc-are-making-headway.html  https://www.thedrinksbusiness.com/2022/04/naturally-bordeaux-preserving-the-region-for-future-generations-with-organics/ https://www.decanter.com/wine-news/chateau-pedesclaux-certified-organic-in-long-term-sustainability-plan-490787/

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