ボジョレー・ヌーヴォーとは?

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公開日 : 2024.6.28
更新日 : 2024.7.18
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赤ワイン

毎年11月の第3週木曜日に解禁され、話題となるボジョレー・ヌーヴォー。


ボジョレーとは、フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区のこと。ヌーヴォーとは、フランス語で「新しい」という意味で、その年に収穫したブドウを使用し造られる新酒のことを言います。


つまりボジョレー・ヌーヴォーとは、ボジョレー地区で造られる、ワインの新酒(ヌーヴォー)のことなのです。


ヌーヴォーの魅力は、その年に収穫したブドウで造られるワインを、いち早く楽しめるということ。新鮮なブドウ由来の、フレッシュかつフルーティーな味わいに仕上がります。


イタリアやドイツなど世界各地でヌーヴォーは造られていますが、中でもボジョレー・ヌーヴォーは抜群の知名度を誇ります。


また、世界同時に解禁されることもあって、パリや東京など世界各地で解禁パーティーが開催されるなど毎年盛り上がりを見せています。


今回は、ボジョレー・ヌーヴォーとはどんなワインなのか、たっぷりとご紹介したいと思います。

ボジョレー・ヌーヴォーを予約
目次

解禁日はいつ?

毎年11月の第3木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォー。


2024年の解禁日は、11月21日(木)です。


毎年11月の第3木曜日に解禁される理由は、フランス政府が1985年から解禁日を11月第3木曜日と制定したから。


1951年から1984年までは11月15日が解禁日でしたが、ボジョレー・ヌーヴォーのブームが本格化すると、年によって15日が休日になってしまった場合にワインの売れ行きに影響が出てしまったため、11月第3木曜に改定されました。

生産地はどこ?

ボジョレー地区の地図

ボジョレー・ヌーヴォーが造られるのは、フランスを代表する銘醸地、ブルゴーニュ地方の南端に位置するボジョレー地区です。


フランス語の「Beaujeu(=美しい高台)」が名前の由来と言われるこのボジョレー地区は、その名の通りなだらかな丘陵地帯が続く地域で、丘の斜面にはブドウ樹が並び、美しい景観を織り成しています。


夏は暑く冬は寒いこの地域は、同じブルゴーニュの中でも北部に位置するシャブリ地区やコート・ドールよりも温暖で、ブドウ畑への日当たりも良く、ワイン造りに適した地域と言われています。

ボジョレー・ヌーヴォーにも格付けがある

ボジョレーワインの格付け
ボジョレーワインの格付け

一言でボジョレー・ヌーヴォーといっても、実は色々な種類があり、原産地統制呼称(AOC)により格付けされています。


「ボジョレー・ヌーヴォー」と記されているものが最も一般的なのですが、ボジョレー地区の北部に位置する、より優れた38の村で造られる「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」はこれより格上となります。


ボジョレー・ヴィラージュは、栽培エリアがボジョレー地区全体の3分の1ほどに限られ、収穫量が厳しく制限されています。


またボジョレーワインの最上位にあたるクリュ・ボジョレーには新酒の既定がないため、新酒として販売する際にはボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーとして販売されることもあります。

使用品種はガメイのみ

ブドウ品種ガメイ

ボジョレー・ヌーヴォーに使用される品種は、ガメイという黒ブドウ1種のみ。


このガメイを100%使用し造られる、赤ワインまたはロゼワインのみをボジョレー・ヌーヴォーと言います。


ボジョレー・ヌーヴォーには白ワインは含まれません。白のヌーヴォーを飲んでみたいという方は、マコネ地区でシャルドネから造られる、マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーをチェックしてみてくださいね。


ガメイから造られるワインの最大の魅力は、飲み口の良さと気軽さです。


この品種を100%使用し造られるヌーヴォーは、スミレやバラといった花の香りと、イチゴのような赤系果実の甘酸っぱい香りが魅力。タンニンは少なく酸味が程良く効いた、フレッシュ&フルーティーという言葉がピッタリのワインに仕上がります。


一方で、ボジョレー・ヴィラージュやクリュ・デュ・ボジョレーなどの区画からは、ピノ・ノワール顔負けの複雑な香りと力強い味わいをもつワインとなる一面も。


どちらが自分の好みに合うか、飲み比べてみるのも面白いですよ。

炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)とは?

マセラシオンカルボニックの様子

フレッシュ感が魅力のボジョレー・ヌーヴォー。ブドウの収穫から、なんと約2ヶ月で解禁されます。


通常の赤ワインの製法では、ワインを醸造する際にアルコールの中でブドウの果皮を醸すことで、果皮や種子に含まれる色素やタンニンが果汁に抽出されながら発酵が進みます。


しかし、ボジョレー・ヌーヴォーでは色素は抽出したいものの、渋みのもととなるタンニンを多く抽出したくありません。またワインを熟成させる時間もありません。


そこで登場するのが、炭酸ガス浸漬法と呼ばれるワインの造り方です。


炭酸ガス浸漬法を用いて、発酵タンク内に炭酸ガス(Co2)を充満させることで、酵母による発酵ではなくブドウ自身の細胞内発酵を引き起こします。


これにより味を引き出さずに色素だけを抽出し、キャンディのようなヌーヴォー特有の香りを与えているのです。

日本で大流行したワケ

ワイングラスを手に持ち乾杯している様子

世界トップのヌーヴォー大国と言われる日本。2020年においては、ボジョレー・ヌーヴォーの輸出量全体のうち約46%が日本への輸出でした。


日本でこんなにもヌーヴォーが流行した理由は、大きく二つあると考えられます。


一つは、日本は世界でいち早くボジョレー・ヌーヴォーが解禁される国の一つであるということ。


11月の第3木曜日午前0時より前に栓を抜いてはならないことになっているので、日本は日付変更線の関係で、本場フランスよりも約8時間早く、ボジョレー・ヌーヴォーを楽しむことができるのです。


日本はもともと、新米や初ガツオなど季節を感じ、旬の食材などを楽しんだり、珍重する習慣があります。


ボジョレー・ヌーヴォーも「秋の風物詩」として迎えられ、年々日本で定着してきたのだと考えられています。


二つ目はバブル時代に起きたワインブームの影響です。


バブル経済真っ只中の1987~1990年頃、ボジョレー・ヌーヴォーや高級ワインに注目が集まり、大規模な解禁パーティーが開催されるなど人気を博しました。


その結果、ボジョレー・ヌーヴォーの知名度は高まり、輸入本数や消費量が増えてきたのです。


近年では「ボジョレー・ヌーヴォーは下火」なんて言われることもありますが、人気はまだまだ健在。


若い世代を中心とした解禁イベントが開催されたり、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーなどワンランク上のヌーヴォーで贅沢な時間を過ごすと言った楽しみ方も。


年に一度のワインのお祭りを、それぞれのスタイルで楽しんでいます。

まとめ

今年もまたブドウが実り、生産者の努力によって美味しいワインが生み出された思うと、「今年はどんな味わいかな?」となんだかワクワクしてきませんか?


フレッシュなボジョレー・ヌーヴォーとともに、年に一度のワインのお祭りを思いっきり楽しみましょう!

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