試験当日、どんな気持ちでその日を迎えたいですか。「ああ、ダメだ。また来年だ」と会場に向かうのか。「やることはやった、さぁかかってこい」という気持ちで試験に臨むのか。
後悔がないよう、残された日を無駄にせず有意義に過ごしてください。
なぜならソムリエ / エキスパート試験の最難関は1次試験なのだから。
目次
計画は悲観的に
一にも二にも、何よりも最初にやらなければならないのはスケジュール管理です。試験まで勉強できる日数はどれくらいありますか。
ここで大切なのは、計画は悲観的に見積もることです。
大人は学生と違います。仕事があり、家庭があり、社会との関りもあり、100%自分のために時間が使えるわけでないのです。
本番まで30日あるように思えても、実際はほとんど勉強できない日もあるのが普通ではないでしょうか。それを差し引けば実は15日、20日とかしか勉強できないこともあるのです。
何よりも最初から少なく見積もっておけば、本番近くになって焦ることはないでしょう。
試験範囲を俯瞰しよう
忘れてはいけないのは、1次試験の範囲は膨大ということ。教本が800ページ以上もあるのだから当然とも言えるでしょう。その範囲の広さを実感しておく必要があります。
おすすめは目次ページ。これを見ればどれくらい復習しなければいけないことがあるのかが、一目瞭然です。
目次を縮小コピーして、そこに直接計画を書き込むのも良いでしょう。もう少し念入りに用意したいという場合は、エクセルに学習チャプターと、日付をマトリックスにして管理していくのも良いでしょう。
このときフランスや酒類飲料概論などは学習範囲が広いので、ボルドー、ブルゴーニュと細かく区切っていくのがコツです。そうすることで、計画が立てやすくなるだけでなく、マス目を塗りつぶす回数が多くなるので達成感も得やすくなります。
「過去問はなくなった」は本当か
CBT試験になってから「過去問はなくなった」と言われています。しかし世の中には『再現問題集』というのがあり、それが書店でも手に入るのをご存じでしょうか。
自分がどれくらい仕上がっているかを知るには問題を解いてアウトプットする方法が1番早いのです。
書店に行って、問題集を手に取ってみましょう。そのとき、下記のポイントに着目して選ぶと良いでしょう。
・ボルドー、ブルゴーニュといった具合に分野ごとにまとめられている
・解説が充実している
・できれば見開きで問題と解説が並んでいるのが理想的
問題集の解きっぱなしは感心しません。間違えた問題番号に印をしましょう。
ただし、問題への書き込みはしないでください。本番までに3回から5回は解きたいもの。問題の書き込みがあると複数回解くときの妨げになるからです。
回数を重ねるごとに間違えた問題だけチェックするようにしましょう。よく間違えるものは専用のノートやメモ帳に記しておくと良いでしょう。
模試は合格への道しるべ
本番までに数回受けておきたいのが模試です。大手スクールが販売しているので、ぜひ活用してみてください。
これまで単元ごとに並んでいた再現問題とは異なり、模試では本番同様に、アメリカ⇒ボルドー⇒チーズ⇒ポルトガル…といった具合にランダムに問題が並んでいます。そのため、素早い頭の切り替えが必要になります。
70分という時間がどれくらいなのかという体感できるという点でも有意義です。
「未知の問題」への対応力
模試で有意義なのは「未知の問題」への処理能力が養われることです。問題には「知っている問題」「知らない問題」の二つしかありません。
どんなに再現問題集を解いたとしても、本番は重箱の隅を突くような出題があり、試験中に「えっ!?」となるような場面に遭遇するものです。そんなときに「もうダメだ」と一気に萎えて、なし崩し的になってしまうのか、「試験とはそんなもの」と気持ちを切り替えて、解ける問題から取り掛かっていくのか、2タイプに分かれるようです。
模試で「未知の問題」との遭遇するような経験をしていれば、本番焦ることはないでしょう。
以前、私が担当していた受講生で、1問目にいきなり東欧のマイナー国の難問に当たり、パニックになり、その後、解ける問題が解けなくなってしまい不合格になってしまったという方がいました。試験慣れしておくことがいかに重要か感じた出来事でした。
模試は終わってからが勝負
模試は解いている最中だけでなく、終わった後が肝心です。当たった、外れただけでなく、なぜ間違えたのか、もしくは得点できたけどたまたま正解できた問題なのかの確認が必要です。
そこからの分析が合格に繋がります。どの範囲が仕上がっているのか、苦手なのかを分析しましょう。苦手な範囲が見つかったなら、次の学習計画に繋げていきましょう。
何より再現問題集同様に模試も3回は解いてみましょう。間違えた問題を専用のノートに書き留めておくことと良いでしょう。
直前にやってはいけないこと
問題を解くのはスポーツでいうところの有酸素運動的なもの。そのため問題集は何冊か購入してチャレンジしても良いでしょう。その反面、テキストを何冊も購入するのはおすすめしません。
試験は「テキストは原則1冊」が合格のコツです。教本を使ってやっているのであれば教本を、スクールのテキストを使っているならそのテキストで、最後まで通してください。
何故でしょうか。理由は、多くの人がある程度は「映像記憶」で暗記しているからです。
「テキストの何ページあたりに書いてあったな」「上の方にブルーでマークしたな」という具合に「絵」として思い出すことができるのが映像記憶で、それは同じテキストを使い続けた方が効果を得やすいからです。
「今年の試験が1番簡単」と心得ておく
「また来年やればいいや」と直前に匙を投げてしまう受験生を時々見かけます。そんな方にお伝えしたいのは、「今年、合格しないと来年はもっと難しくなる」ということです。
世界のワイン産地はどんどん広がり、サブゾーンも増え続けています。実際、教本のページ数は年々増えています。
加えて、CBT試験の性質上、出題者も問題数を増やし続ける必要があるのです。つまり年を重ねれば重ねるほど、暗記量が増え続けることを意味しています。
逆を言えば、「今年の試験が1番簡単」と心得ておく必要があります。「絶対今年合格する」という粘り強さが肝心です。諦めない気持ちが、皆さんを合格に導いてくれるのです。
毎日が選択
”Today never comes back(今日という日は二度と戻ってこない)”とは、ハーバード大学図書館の落書きにある名言です。
本番まで1分1秒を無駄にせず必死に取り組むのか、もしくはダラダラ生きるのか。
私たちは毎日、選択に迫られています。そのうちのどちらを選ぶかは他ではない自分自身に委ねられているのです。