本格的な夏が目前に迫り、スパークリングワインの美味しい季節がやってきました。
夏はキリっと冷えたスパークリングワインと合わせて爽やかなチーズを楽しみたいですよね。
今回はそんな夏にピッタリなシャンパンと合わせて美味しいチーズ、そしてそのアレンジ方法を、ナチュラルチーズ専門店「フェルミエ」愛宕店の店長、又平さんに教えてもらいました。
【プロフィール】又平幸代さん
フェルミエ愛宕店店長、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。
フランスのシャビニョル(山羊チーズ)を1口食べ、虜になってから20年。岐阜県のチーズ工房にて開発と全国展開を手伝うなどチーズ業界を渡り歩き、自然の贈り物であるチーズを大切に扱う姿勢に惹かれフェルミエ入社。食べごろのチーズを直接販売出来ることに感謝している毎日。
シャウルスってどんなチーズ?
―今回ご紹介いただくチーズはどんなチーズですか?
シャウルスという白カビチーズで、シャンパーニュ地方で作られるチーズなので、シャンパンとの相性は文句なしです。
白カビというとカマンベールが有名ですが、カマンベールよりも背が高く白カビの中でもインパクトがあるチーズだと思います。
シャウルスは作り方が他の白カビチーズと変わっています。
酸凝固というんですが、この作り方をすることによってカマンベールのようなもっちりとした食感ではなく、きめ細やかでホクホクと口の中で溶けていくような食感になります。
皮も風味がありますし、生地もさっぱりした部分ととろっとした部分があって、複雑味があるチーズです。
そういった味わいもシャンパンのクリーミーさや複雑さとよく合いますね。
シャウルスは熟成によって味わいが変わるので楽しいですよ!
―熟成するとどのように変化するんですか?
見た目は皮が茶色くなってきて、生地の芯の部分もとろっとし始めます。
香りはきのこのようなニュアンスが出てきて味わいもだんだんと塩気が強くなっていきます。
なので、熟成してきたシャウルスは調味料としてお料理に使うのも良いですね。
触ってみてぷよぷよとしていたらだいぶ熟成が進んでいる証拠です。
フレッシュなチーズアレンジ
―今回、そんな熟成違いでアレンジをご紹介いただけると聞きました。
そうなんです、まず若いフレッシュなシャウルスのアレンジからご紹介します。
爽やかに夏らしくということで、旬のメロンをくり抜いて添えました。
シャウルスの塩味やミルク感、皮の風味とメロンの甘さがよく合うかなと思って作りました。
どちらも主張せず、“生ハムメロン”のような甘じょっぱさがクセになる味わいに仕上がっていると思います。
―美味しいです!おっしゃっていたように、シャウルスの塩味とメロンが合いますね。そしてシャンパンのフレッシュでフルーティーな味わいを引き立てています。
良かったです!メロン自体は若いと苦味が出ちゃうかなと思うので、完熟したものが良いと思います。
熟成の違いを楽しむ
―熟成したシャウルスの楽しみ方を教えてください。
シャウルスは熟成が進むと塩味が強くなっていくので、熟成してきたサインに気付いたらソースにアレンジするのがおすすめです。
今回はシャウルスのきのこの風味と調和するように、きのこのペーストと合わせました。
どんなきのこでも良いんですが、何種類か煮て塩コショウをしてミキサーにかけてきのこペーストを作ります。
そこに生クリームとシャウルスの中身を火にかけてゆっくりと溶かし、最後に皮も刻んで入れるのがポイントです。歯ごたえがあって美味しですよ。
シャウルスの塩気が強いので、最後に塩コショウなどで味を整えなくて大丈夫です。
カリッと焼いた鶏肉にかけましたが、白身魚でも美味しいかなと思います。いろんなアレンジが楽しめそうです。
―こちらも良いですね!シャンパンの複雑さとよく合います。リッチで芳醇な感じを引き立てさせていますね。
生クリームを入れたのもポイントですね。熟成して塩気が強くなったシャウルスのとげとげしさが和らぎます。
もし最後のほうに余ってしまったらこういったソースにアレンジして楽しんでもらいたいです!
このように熟成違いでアレンジを変えられるので、一つのチーズでいろんな味わいが楽しめますよ。
どちらもシャンパンとよく合うアレンジに仕上がって良かったです!
夏にピッタリなシャンパンによく合うチーズアレンジを教えてもらいました!熟成違いで、全く異なるアレンジができるのも楽しいですね。
ぜひ、この夏シャンパンと合わせてお楽しみください。
又平さん、ありがとうございました。
今回取材したお店はこちら
フェルミエ愛宕店
住所:東京都港区愛宕1-5-3 愛宕ASビル1F
TEL:03-5776-7720
営業時間:月~金12:00~19:00、土11:00~18:00
定休日:日曜日・祝日・年末年始及び夏季休業日
※場合によって日・祝営業あり