「一年の計は元旦にあり」とはよく言ったもので、なにごとも始める前に計画を立てておきたものです。特に1月は新しいことに挑戦するのに最適なシーズンともいえるでしょう。
みなさんはワインではどんなことにチャレンジしますか?
「ワインはたくさん飲んでいるのに、知識が深まらない、覚えられない」そんな風に悩んだことはないでしょうか。もしそんな経験があるなら、2022年はワインを記録してみませんか。
一見、「記録する」というと大掛かりなことに思えるので嫌煙されがちです。しかし、ポイントは、ほんの少しでも写真や言葉で見返せるものを残しておくことです。
なぜ言葉にするのか
中でも言葉に残すことは大切です。なぜでしょうか。ここに二つの理由があります。
一つは、自分自身の記憶のためです。「美味しい」と言っているだけではワインの特徴は覚えられません。言葉にすることで、脳が刺激され、記憶に残りやすくなります。
このとき書き出しておくと最強です。なぜならば後から見直すことが出来るからです。メモを見直せば何ヶ月経っても、何年経っても簡単に思い出せるものです。
二つ目は人に伝えるためです。ショップ、レストランで好みのワインを伝えられなくて困ったという経験はないでしょうか。
このとき、普段からワインを言葉で整理していれば、ソムリエに「以前、〇〇の香りがするワインを飲んで、同じようなものを探している」「〇〇の味わいが好みです」という風に伝えることができます。
入門者編
まずは写真撮影からスタート。ラベルを記録するだけでも、「あのとき、こんなラベルのワインを飲んだな」と簡単に思い出すことができます。
このとき自分のスマートフォンで撮影して保存しておいても良いのですが、ラベルレコーダーを使うのもお洒落です。ラベルそのものを取っておけるので、最終的には1冊の本のようになるのも嬉しいところです。
写真を整理して保存したいという人の中には、InstagramなどのSNSに飲んだワインだけを投稿する専用アカウントをつくって、写真集のようにするのも良いでしょう。「#(ハッシュタグ)」に生産者情報などを入れることで、少しずつワインを覚えることができます。
中級者編
写真を撮ってSNSに投稿するだけでなく、もう一歩踏み込んで、ワインの感想を言葉で残してみませんか。
このときポイントなのは、いきなりソムリエのようにかっこ良くコメントする必要はないということです。「好き/嫌い」「また買いたいか/否か」などだけでも良いでしょう。
点数をつけるのもおすすめです。数字はわかりやすい基準になります。最初は5点満点からスタートしたら良いでしょう。
さらにもう少しプラスして、テイスティングコメントを残してみましょう。
どんな言葉を書いたらいいかわからない場合は、まずは「選択式」になっているツールを選ぶと良いでしょう。たとえば、コメントがすでに印刷されたノートが販売されているのをご存じでしょうか。その言葉に〇を付けていくだけです。
上級者編
コメントを自分で書けるような上級者は、ノートやエクセルを用意してどんどん書き留めていくと良いでしょう。このとき外観⇒香り⇒味わいと順番にコメントします。
しかし試験やコンクールでもないのに、フルコメントするのは大変なもの。次のようにコメントを絞ってみてはいかがでしょうか。
外観
社団法人日本ソムリエ協会のソムリエ / エキスパート試験では、清澄度、粘性など全部で六つの観察項目があります。
しかしコメントをダイナミックに割愛するなら「濃淡」「色調」だけで良いでしょう。例えば「濃いレモン色」とか「淡い黄緑色」といった具合です。
香り
ワインの香りの表現は、「果物」、「花」、「植物」、「スパイス」と多岐にわたります。
中でも重要なのが「果物」の香りです。二つほどノートに書き留めて、余裕があれば他の要素から探すと良いでしょう。
味わい
白ワインでは「酸味」、赤ワインでは「タンニン」が最も重要です。
またワインの味わいに大きな印象を与えるのは「アルコール度数」です。アルコール度数によってボディ(ワインの重量感)が左右されるので、この三つは最低コメントに残したいところです。
見直すと発見がある
記録した写真やコメントを時々見直してみましょう。試飲した本数が増えていると思いのほか達成感があります。
何よりも自分がどんなワインをよく選んで飲んでいるのか、好みを知ることができるでしょう。ときには冒険して購入したワインに発見があったということもあるかもしれません。
まとめ
「良いワインは映画のようである。一瞬で終わるが、のちに深い味わいを残す。味わうたびに新しく、映画同様、味わう人ごとに生まれ変わる。」とは映像の魔術師ともよばれたフェデリコ・フェリーニの言葉です。
ワインも映画のように鑑賞して初めて、ブレイクスルーを経験できるのかもしれません。