【スタッフ愛飲】ペアリングの概念を覆した!ピンと張った酸が特徴のチリのシャルドネ
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エノテカスタッフに、愛飲するワインとの出会いや思いを語ってもらう「スタッフ愛飲」。
今回は、丸ノ内店で店長を務める大濱さんに、ペアリングの概念を覆したという「モンテス・アルファ・スペシャル・キュヴェ シャルドネ」の魅力を語ってもらいました。
ワイナリーを訪れたことで思い入れのある生産者に
―今回紹介していただくワインは白ワインですが、普段からよく飲むのは白ワインなんですか?
白ワインばかりを飲むというわけではなく、いろいろな種類のワインを飲みますね。
妻もすごくワインが好きなので、休日に自宅で飲むときは白ワインを飲んだら赤ワインを飲んでと二人で1本ずつ飲むことが多いです。
最初に白ワインを飲むので特に印象に残るのが白ワインというのはあります。
―たくさんのワインを飲んできたかと思いますが、その中でこちらのワインを選んだ理由を教えてください。
シャルドネという品種は非常にニュートラルで、産地によって個性が表現されやすい品種なので、いつも注目して飲んでいます。
やっぱりシャルドネというとフランスのブルゴーニュとかをイメージするかと思うんですが、ニュージーランドや今回のチリのシャルドネなど、お手頃に上質な味わいを楽しめるワインもあるということを知ってほしいと思ったのが紹介した理由です。
中でもモンテスのスペシャル・キュヴェ シャルドネは思い入れのあるワインなので選びました。
―モンテスとの思い出を詳しく聞かせてください。
4年前にモンテスのワイナリーに行かせていただいたことがあるんですが、その際、トランジストがうまくいかずに50時間かけてチリに行ったんです。
―50時間も!それは大変でしたね。
サンフランシスコ、ペルー、メキシコを経由してサンチアゴに到着したんですが、最初に訪れたワイナリーがサパジャールヴィンヤードといってモンテスが単独で所有しているワイナリーでした。
その時アウターリミッツのソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールをテイスティングし、非常に感銘を受けました。チリっていうとぼてっとした甘いイメージがあったんですが、それだけではない味わいを感じたのが印象的でしたね。
産地の個性として太平洋から7キロという近いところにあるということと、昼夜の気候差が20度くらいあるということから1本芯の通った酸がしっかりあるワインだなと思いました。
それまで、チリワインを好んで飲んでいたわけではなかったですが、フランスにも負けない味わいのワインが多いなと実感し、チリに対してのイメージが変わるきっかけになりました。
―他にモンテスの好きなワインなどありますか?
もちろんプレミアム級のワインも美味しいですが、特に挙げるとしたら「モンテス・シェラブ・ロゼ」ですね。チリに行ったときにコンカグアの丘の上でセヴィーチェと一緒に飲みました。チリってどうしても牛肉のイメージが強いと思うんですが、実は魚介の名産地で甲殻類やあわびとかそういったお料理と合わせられるロゼワインです。
あとは「スパークリング・エンジェル・ブリュット 」。僕がチリに行ったときは2月で、その年の夏にリリース予定だったものを飲ませていただきました。非常に質の高い味わいに感動を覚えた記憶があります。
あえて言うならこの2銘柄ですかね。今回紹介するスペシャル・キュヴェ シャルドネと同じく、リピートして飲んでいます。
お肉にも白ワインを!
―今回紹介していただくワインを初めて飲んだのはいつですか?
2015年ヴィンテージがこのワインのファーストリリースで、リリースしたてに飲みました。
というのも、2年前にモンテスのエクスポートマネージャーのエドワールドさんという方が来日した際に、その夜の懇親会で焼肉を食べに行きました。そのときにエドワールドさんから「牛のサシとこのワインの相性がすごくいいんだ」と紹介してもらい、合わせて飲んだのが初めてです。
―そのとき飲んだ感想を教えてください。
こんなにお肉と合う白ワインのペアリングってあるんだ!と衝撃を受けました。
ワインを選ぶ時って料理に合わせて選ぶことが多いと思うんですが、「白ワインには魚介」というだけじゃないんだなということを体感しました。お肉が食べたいときでも白ワインが飲みたいときだってあると思うんですね。そういうときにチョイスしたいワインだと思います。
日本で当たり前だと思っているワインと料理との組み合わせって現地とは違うことが多いんです。これはボルドーに行ったときにも感じました。ソーテルヌは甘口なので食後酒のイメージがあると思うんですが、向こうでは前菜とかと合わせて飲んだりもします。
こういったように焼肉とこの白ワインのペアリングを体感して、肉には赤ワイン、魚には白ワインというペアリングの概念をいい意味で崩してくれました。
チリワインの可能性
―このワインの好きなところを教えてください。
チリワインは熟した果実や南国のパッションフルーツなどのイメージがあると思いますが、それだけでなく白桃だったり、フレッシュな果実の香りや味わいもします。
甘やかな印象だけじゃなくてピンと張った酸が感じられるというのが良いところだなと思いますね。
―大濱さん自身はどんな時に飲むワインですか?
エドワールドさんが教えてくれた牛のサシだけじゃなく、ロースなどとも相性がいいのでやっぱり自宅で焼肉を楽しむときに飲みますね。
あとは、ワイン好きの仲間たちと飲むときに持って行ったこともあります。普段5000円もするチリワインってなかなか買う勇気がないと思うので、ハズシの意味で持って行きました。
ヨーロッパの単一畑のワインを飲もうと思ったらもっと価格も上がると思うので、クオリティの高いワインが5000円で買えるというのはすごくコストパフォーマンスが高いと思います。
―チリワインはデイリーなワインというイメージを持っている方も多くいるかと思いますが、そのことについてはどうお考えですか?
そうですね、日本人からするとチリワインはカジュアルなワインとして定番だと思いますが、実はいろんな種類のワインが造られていて、醸造施設もモダンで最新技術も取り入れています。僕もチリに行くまではチリワインを飲むことは多くなかったですが、行ってみてイメージが大きく変わりました。
地球の裏側に位置しますけど四季があるというのは身近に感じる点でもあります。
南は氷河、北は砂漠、西は太平洋、東にはアンデス山脈があり閉鎖された国なんですが、それによって害虫が発生しない産地です。最近はオーガニックワインもトレンドですし、今後もいろんなワインが生まれる、期待が持てる産地だと思っています。
ぜひ、少し高めの価格のチリワインも楽しんでいただきたいと思います。
大濱さんにとってチリは初めての海外だったそうで、それも50時間もの時間をかけて訪れたことは、それだけで思い出深い土地になったと言います。
さらに、現地で飲んだワインによってチリワインのイメージが大きく変わったことでチリへの思いは強くなったそうです。インタビューが終わってもチリワインへの熱い思いを語ってくれたのが印象的でした。
ぜひ、チリのシャルドネと焼肉のマリアージュを楽しんでみてください。
紹介したワインはこちら
今回取材をした丸の内店
土日・祝日 11:00~20:00