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ワインショップ・エノテカ 博多店
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【世界が注目するブルゴーニュ10のドメーヌ】第1回 ユベール・ラミー、ジャン・マルク・エ・トマ・ブレ、ルロワ
柳田 順子
世界のワイン愛好家の憧れでもあるブルゴーニュ
「テロワール」の概念が長い歴史の中で育まれ、土地ごとの個性を表現するワイン造りが受け継がれてきたこの地では、多くの生産者が世代を超えて伝統と革新を融合させながら、その魅力を発信し続けています。
ワインショップ・エノテカ博多店では、先日発表されました「ミシュラングレープ」に選出された生産者を中心に、ブルゴーニュを代表する10のドメーヌにフォーカスした特別テイスティングイベントを9/20(日)に開催いたします。本イベントに伴い、今回より3回に渡って10のドメーヌのお話をさせていただきます。
第1回目はサン・トーバンの注目のドメーヌ、ユベール・ラミーと、急成長を遂げるヴォルネイの造り手、ジャン・マルク・トマ・ブレ。ブルゴーニュの偉大な女神と称されるルロワについてご紹介します。
異次元の密植栽培を行うサン・トーバンの注目のドメーヌ、ユベール・ラミー
ユベール・ラミーは1973年に先代のユベール・ラミー氏がサン・トーバンに創業したドメーヌです。
ラミー家は最も古い記録で1640年からブドウ栽培に携わったとされる歴史のある家系です。創立当初は8haほどの自社畑を所有し、生み出すワインの約80%は赤ワインでした。当時の経済状況から、造られたワインのほとんどはネゴシアンへ樽販売していたそうです。
1990年代にサン・トーバンの1級畑を購入したことで、ドメーヌは急成長を遂げました。
ピノ・ノワールが植えられた区画をシャルドネの方が土壌の特性に合うと考えたユベール氏は植え替えを行い、高品質な白ワインを生産。今ではマルク・コランやピエール・イヴ・コラン・モレと並んで評される、サン・トーバンの注目のドメーヌになりました。
現在ではサン・トーバンのみならず、ピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェ、サントネなど18.5haの畑を所有するほどになりました。
ちなみにユベール・ラミーが本拠地を置くサン・トーバンは、ピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェに隣接した村です。知名度は高くないものの、30のプルミエ・クリュ(1級畑)を擁する名産地でもあります。
ユベール・ラミーと言えば高密植栽培を行っていることも特筆すべき点の一つです。
密植栽培は、ブドウ樹の間で栄養分と水分の取り合いが起こり、競争が発生します。結果的に低収量になるものの、凝縮感を持った質の高い小さな実のブドウを生み出すことができます。
※一般的なブルゴーニュのブドウの房は約150gとされていますが、彼らが造るブドウは約30gと小さいのが特徴です。
9/20(日)に開催のスペシャルテイスティングイベントでは、サン・トーバンの魅力が見事に表現された2023年 サン・トーバン・ラ・プランセをご用意いたします。軽快で繊細な香りとミネラル感を兼ね備えた1本です。
近年躍進を遂げるヴォルネイの造り手、ジャン・マルク・エ・トマ・ブレ
ジャン・マルク・エ・トマ・ブレはコート・ド・ボーヌのヴォルネイ村に本拠地を置くドメーヌです。
ブレ家の歴史は長く、1919年よりフランソワ・ブレ氏が家族経営のブドウ畑を管理し、1948年にはクリスチャン・ブレ氏が引き継ぎました。その後ジャン=マルク・ブレ氏が1974年にドメーヌを設立したのち、1984年に父のブドウ畑を追加しました。
ワイナリーの目覚ましい発展はジャン=マルク・ブレ氏の息子、現当主のトマ・ブレ氏が2012年に経営を交代した時から始まります。
トマ・ブレ氏はワイン及びスピリッツの販売に関する専門課程を修了した後、ニュージーランドやオレゴン州、ブルゴーニュで研鑽を積んでから、2002年にワイナリーに参画。2015年には新しいワイナリーを設立し、自由に使えるようになったおかげもあり、ヴォルネイのワイナリーは格段にレベルアップしました。
現在ドメーヌが所有する畑は9ha以上。(Paypayドームの敷地丸ごと1個分ほど)
主にヴォルネイとその周辺でブドウを栽培していますが、中でもヴォルネイでは約100mの標高差がある畑も所有するなど、幅広いラインナップを誇っています。
プルミエ・クリュ(1級畑)に関してはレ・キャレル、カイユレ、クロ・デ・シェーヌ、アン・ロルモーなど錚々たる畑を所有しており、ヴォルネイ村以外にもボーヌのレ・ルヴェルセやポマールのレ・フレミエ、リュジアンなど名立たる畑を所有しています。
トマ氏は「ワインに秘密などない。もっとも重要なのは畑での仕事である。そうすればそのヴィンテージの品質が分かる」というアンリ・ジャイエ氏の哲学を大切にしており、畑に重きを置いた栽培を行っています。
素晴らしいワインを造るには美しいブドウを育てる必要があり、土壌や地下のミネラルを表現するには健全な微生物の存在が不可欠であるという考えに基づき、除草剤や化学肥料は不使用。肥料も必要な時にコンポスト(生ごみや落ち葉などの有機物を土に還し、堆肥や腐葉土として生まれ変わらせる方法)を撒くのみにとどめているなど、人為的介入を減らした栽培を実施しています。
9/20(日)のスペシャルテイスティングイベントではドメーヌのすぐ裏手、樹木林のすぐ下にある急斜面に位置する畑のブドウから造られるヴォルネイ・クロ・ド・カーヴの2023年をご用意いたします。しなやかでとろけるようなタンニンと、いきいきとした酸味がピュアな果実感をお楽しみいただけます。
世界中の愛好家を唸らせるブルゴーニュの偉大な女神、ルロワ
数あるブルゴーニュのドメーヌの中でも別格の品格と存在感を放つ名門、ルロワ。
1868年にネゴシアンとしてオーセイ・デュレス村で創業し、1942年には「D.R.C ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」の株式を取得し、共同経営者として活躍。ブルゴーニュ有数の造り手に押し上げた功績は広く知られています。
以前からワイナリー経営のみならずワイン醸造にも興味を持っていたというルロワ社の現オーナー、ラルー・ビーズ・ルロワ氏(マダム・ルロワ)。
1991年にD.R.C経営者の職を離れ、自身が運営するドメーヌ・ルロワ、メゾン・ルロワに力を注ぎ、超一流と言われる今日のルロワ社の名声を築きました。
ルロワでは「ワインの個性は土地が決定するもの。ワインは畑で生まれ、生産者はその手助けをするだけ」という考えの下、畑の個性を最大限に表現するワイン造りを追求し、驚くほどの低収量を貫き、ブルゴーニュでも早くからビオディナミを導入。
ブルゴーニュ随一のテイスティング能力の持ち主として知られているマダム・ルロワは、その並外れたテイスティング能力によって、ワインをより完璧なものへと昇華させていると言われています。
ルロワ社が生産の全てを手掛けるのが、希少ワイン「ドメーヌ・ルロワ」。
一般的に自社で所有する畑でブドウを栽培し、収穫、醸造、瓶詰めまで一貫して生産されるドメーヌワイン。ドメーヌ・ルロワはルロワ社が生産のすべてを手掛けてリリースします。圧倒的に数が少なく、貴重な逸品でもあります。
マダム自らが買い付けるのが「メゾン・ルロワ」。
メゾン・ルロワのワインの買い付けは、マロラクティック発酵前のワインをマダムが試飲し、ワインの状態で購入しています。先ずマダムがブラインドで確認し、その後スタッフと共に二度目のテイスティングをし決定。樽発酵、ステンレス発酵を問わず、品質が高ければ購入に至ります。購入後のワインはマダムが栽培農家に樽を渡し、栽培農家で瓶詰め。その後は飲み頃になるまでルロワ社のセラーで熟成し、マダムが飲み頃を迎えたと判断したタイミングでリリースするというこだわり。
またバックヴィンテージにおいてはブルゴーニュ最大のコレクションを誇り、そのストックは1622年に造られた古いカーヴの他、数か所に約200万本が眠っているとも言われています。
9/20(日)のスペシャルテイスティングイベントでは、マダムが「私の名刺代わりと思ってください」と語る2018年 ブルゴーニュ・ルージュ / メゾン・ルロワをご用意いたします。ACブルゴーニュの枠を超える高品質なピノ・ノワールをご堪能ください。
今回から3回に渡って連載の「ブルゴーニュ~世界を魅了する10のドメーヌ~」。
この連載を通じて、ブルゴーニュワインに興味を持ってくださる方が増えると嬉しく思います。
価格が高いから、何となく難しいからと敬遠されがちですが、世界中のワイン愛好家に愛されるブルゴーニュワインの魅力に改めて目を向けていただけたらと思います。話題のミシュラングレープの効果もあり、今また注目されているブルゴーニュ。
この連載を通じて、一人でも多くの方々の「お気に入りの1本」が増えることを願っております。
次回をお楽しみに。