格付け第一級シャトーに肩を並べる「スーパーセカンド」として、 長年ボルドーファンに愛され続ける銘柄のひとつ。

22年の時を経た味わいをご堪能ください。

▼進化を続ける歴史あるシャトー

1850年、ジョセフ・ドゥ・ロングヴィル男爵が相続で5人の子供達に分割するまで、ピション・バロン（息子達が相続、同じく第二級シャトー）とピション・ラランド（娘達が相続）は、一つのシャトーでした。

2007年からシャンパーニュ・メゾン ルイ・ロデレールのオーナー、ルゾー家の所有となり、区画毎の醸造を可能とする新設備と、ビオディナミ農法の導入、樽貯蔵室の拡充、テイスティングルームを新設。2012年に、シャトー・モンローズで活躍した若き醸造家ニコラ・グルミノー氏が就任してからは、醸造棟のリノベーションと、パーセル（区画）ごとの醸造をより厳密に実施。

1990年代まではポイヤックの中でも特にメルロの比率が高く、メルロ由来の丸みのあるタンニンが特徴でしたが、徐々にカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が増え、2013年にはシャトー史上初めてカベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られたことで大きな話題となりました。

▼ポイヤックの貴婦人

メドック格付け第2級ながら、格付け第一級シャトーに肩を並べる「スーパーセカンド」として、 長年ボルドーファンに愛され続けるピション・ラランド。

一般的にポイヤックのシャトーは、威風堂々として筋骨逞しい男性的なスタイルのワインが主流ですが、ピション・ラランドのスタイルはポイヤックの中でも華やかで優美そのもの。 「アタックはあくまでデリケートに。しかし中間から一気に広がってくる圧倒的な果実味、そしてフィニッシュには遠慮しない」をモットーに、エレガンスと力強さを兼備するそのしなやかなスタイルは、 「ポイヤックの貴婦人」として一目置かれています。

▼2003ヴィンテージ

5大シャトーのラフィットロスチャイルド、ムートンロスチャイルド、ラトゥールの3つが存在し、他にも格付けシャトー数が多く存在するポイヤック。ジロンド河沿いから内陸まで、競い合うようにシャトーがひしめく村として知られています。

2003年は、フランス全土で記録的に雨が少ない酷暑の年でしたが、ボルドーの、特にカベルネ・ソーヴィニヨンは、十分にタンニンも成熟。アルコール度数の高い、 長期熟成可能なワインが多く造られました。

水はけをよくし熱を蓄える大きな砂利がアペラシオン全体に存在し、出来の良いカベルネ・ソーヴィニヨンを生み出す随一の銘醸地であるポイヤックでは、特に傑出したグレートヴィンテージといわれています。