クランプ KLUMPP
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ドイツ バーデン
オーガニック農法を実践する、バーデンのライジングスター
近年高品質なピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)を生み出す産地として注目を集めるドイツ、バーデン地方。そのバーデンの中でも、ドイツワインガイドにて「ライジング・スター・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど高い評価を受けているのが、家族経営のワイナリー、クランプです。
「ワインはその土地のアンバサダー」という考えに基づき、オーガニックなワインメイキングを通じて、多種多様な土壌とブドウ品種を組み合わせることで、土地の個性を最大限に表現することに情熱を注いでいます。
目次
ピノ・ノワールで注目を浴びる、バーデンの4つ星生産者
世界でも上位に入る栽培面積を誇るピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)の生産国ドイツの中でも、高品質なシュペートブルグンダーが生み出されているのがバーデン。そのバーデンの中でも近年注目を集めているワイナリーがクランプです。
1983年、ウルリッヒ・クランプ氏とマリエッタ・クランプ氏夫妻が、バーデンに位置するクライヒガウのブルッフザールにて、ガレージワイナリーとして創業したことがこのワイナリーの始まり。元々ウルリッヒ氏は行政官で、マリエッタ氏は銀行員でしたが、2人はワイン造りへの情熱を胸に抱え、キャリアチェンジを図ることになりました。
1990年には、新設したワイナリーへ移転。2004年には、長男のマルクス氏が醸造責任者として、2010年には次男のアンドレアス氏が栽培責任者として加わっています。マルクス氏はドイツ、アール地方のマイヤー・ネーケルのマイケ氏を妻に持ち、夫婦でそれぞれのワイン醸造に情熱を注いでいます。
「熱意、ひたむきさ、ワインへの愛」を家族で大切にし、実直に品質を追求し続けるクランプのワインは、2017年からドイツ連邦大統領官邸におけるレセプションで振舞われてきたという輝かしい実績を誇っており、近年では複数のドイツワインガイドにおいて高い評価を獲得しています。
2014年、ドイツのワインガイド『アイヒェルマン』にて、アウフシュタイガー・デス・ヤーレス(ライジング・スター・オブ・ザ・イヤー)を受賞しました。2020年には、『アイヒェルマン』 の4つ星生産者に選出されるだけでなく、ゴ・エ・ミヨのドイツワインガイドにてフィーア・トラウベン(ブドウ4房)評価も獲得。勢いは留まらず、2023年、ドイツ語圏のライフスタイル誌『ファルスタッフ』のワインガイドでも、4つ星生産者に選出されています。
イギリスのワイン評論家であるヒュー・ジョンソン氏はクランプについて、「クライヒガウのライジングスター」と評価。ギプスコイパー・シュペートブルグンダーの2019年ヴィンテージについてワイン・アドヴォケイトでは、「非常に優れたユニークなシュペートブルグンダー」とコメントされています。
ユニークで多面性のある土壌、クライヒガウ
バーデンはドイツで3番目に大きなワイン生産地域で、年間日照時間が1,700時間以上、年間平均気温が 11℃と、ドイツの中でも特に太陽に恵まれた暖かいワイン産地です。その気候風土に適した様々な品種が栽培されており、中でもブルゴーニュ系品種のピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)の栽培面積は30%以上を占めています。
南北に約400kmにわたり細長く伸びた地形が9つのベライヒ(地域)に分かれており、それぞれ地形・土壌・気候・品種に特徴があります。クランプの位置するベライヒ「クライヒガウ」は、シュヴァルツヴァルトやオーデンヴァルトという山地が形成された6,500 万年前にできた窪地。氷河期にライン地溝帯から大量の肥沃な黄土が蓄積されています。
クランプが所有するのは、標高約160~220m、年間降水量は600~750mm、面積25haの自社畑。地殻変動に由来するユニークで多面性のある土壌が特徴で、泥灰土(マール)、貝殻石灰岩(ムッシェルカルク)、泥土岩(コイパー)が狭い範囲で同時に見られます。ここから生み出されるワインは、豊かなアロマに、果実味としっかりとした酸がバランス良く溶け込んだスタイルです。
テロワールの個性を表現するオーガニックなワインメイキング
クランプでは、「ワインはその土地のアンバサダー」という考えに基づき、個性的なクライヒガウの環境を表現するためにはオーガニック農法が最善と考え、1992年からオーガニック栽培を実践しています。1996年にはすべての畑をオーガニック栽培に切り替え、現在ではエコヴィンのオーガニック認証と、ユーロリーフのオーガニック認証を取得。このようなオーガニック栽培を中心とした取り組みが評価され、2002年には地区環境賞を受賞しています。
それだけでなく、月の満ち欠けに合わせて作業を行い、自然由来の堆肥や肥料のみを使用するというビオディナミ農法も採用。スギナやイラクサを抽出した自家製の「お茶」を畑に撒き、ブドウ樹の自己免疫力を強化するなど、ユニークな取り組みを行っています。
また、夏季の除葉作業にも力を入れており、風通しを良くし、十分な日照量を確保。グリーンハーベストも実践し、平均収量を1級区画(ブルゴーニュでいうプルミエ・クリュ)のエアステ・ラーゲの規定収量60hl/haより少ない54hl/haに抑えることで、味わいと骨格のクオリティを徹底的に追求しています。
ワイナリーにおいても、ソーラーパネルで消費量を上回るエネルギーを発電し、使用する車両は全て電気自動車といったサステナビリティの取り組みを実践。雨水を20万リットルのタンクに貯水し、栽培に必要な水量はほぼ雨水で賄っており、トラクターや機械の洗浄にも雨水を活用しています。
このように、低収量で厳選された収穫、精巧な土壌栽培、20年以上にわたる有機農法、細心の注意を払った葉の手入れなど、幾つものこだわりを持ちながら、テロワールの個性を最大限に表現することに力を注いでいるのです。
多種多様な土壌の特性が豊かに表現された味わい
多種多様なクライヒガウの土壌と、各ブドウ品種の組み合わせにより生み出されるクランプのワイン。「土壌× 品種」という共通の表現手段を用いながら、シングル・サイト・ワインの「ラーゲンヴァイン」、ヴィレッジ・ワインの「オルツヴァイン」、エステート・ワインの「グーツヴァイン」といった、3つのシリーズを主に展開し、シリーズ毎に異なるコンセプトを打ち出しています。
醸造においては、果実味、エレガンス、力強さの完璧な調和を目指しており、赤ワインはオークの小樽による熟成を実施しています。
偉大なワインがそのポテンシャルを最大限に発揮するには時間が必要なため、単一区画の土壌や地理的特徴をクライヒガウの主たるブドウ品種で表情豊かに表現したシングル・サイト・ワインであるラーゲンヴァインと、市町村、もしくはその区域を象徴する土壌とブドウ品種を組み合わせたヴィレッジ・ワインであるオルツヴァインについては主に新しいバリックで最長18カ月熟成。クライヒガウの典型的なブドウ品種を用いて造られるエステート・ワインであるグーツヴァインは、より古い樽でより短い期間熟成されます。
こうして生み出されるのは、多種多様な土壌の特性が豊かに表現された味わい。芳醇でありながら洗練された、深みとエレガンス溢れるスタイルに仕上がっています。
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