シャン・デ・ヴィーニュ・ジュランソン・セック

ドメーヌ・コアぺは、ピレネー山脈の麓ジュラソンを拠点とする、
世界最高峰の甘口ワインの生産者。
造り上げるワインは、フランス国内の数多くの３ツ星レストランに採用され、美食家を虜にしています。

オーナーは、農業と酪農を営む家庭に生まれたアンリ・ラモントゥ氏。
彼は、1975年27歳の時に敷地内にあったブドウ畑に興味を持ち調べるうちに、
ワインがブドウ栽培や醸造によって全く違う姿を見せることを知りました。
そして、ワイン造りに専念することを決意すると独学でワインを学び、1980年にワイナリーを設立。
「最高の大地の恵みを受け、自然に耳を傾け、敬意を持ちながら生きてゆくこと」という信条の下、
愚直に専門知識を学びながらブドウと向き合い、ほぼ全ての工程を手作業で丁寧に行っています。

設立から約10年後の1989年には、
世界最大のワイン・スピリッツ国際見本市であるヴィネクスポで行われた
「世界の厳選甘口ワイン」部門で11ヵ国、70社から集められたワインの中から、
世界第5位に入賞し、その名を世界に轟かせました。
その後も、フランスの人気ワインガイドであるル・ギド・アシェット・デ・ヴァンにて、
「カンテサンス・デュ・プティ・マンサンは、世界で最も偉大な甘口ワイン」、
フランスで最も権威あるワイン専門誌ラ・レヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランスにて、
「ノブレス・デュ・タンは、この惑星の中で最高の甘口ワインへの仲間入りをした」など賛美されています。
今なお躍進を続けており、現在は世界に通用する辛口白ワインを造ることに勢力を注いでいます。
ル・クラスマンでもシャトー・モンテュスとともに唯一の２ツ星を獲得しており、
「ジュランソンを造らせたらコアペの右に出るものはいない」といわれています。

コアぺでは、プティ・マンサンの使用している割合と
その質で辛口白のランク分けをしており、
そのラインナップは上からプティ・マンサン100%で造られる最上級の辛口白「ラ・カノペ」から始まって、
プティ・マンサンが3割、残りをグロ・マンサンで造る「セーヴ・ドトンヌ」、
プティ・マンサンを含む伝統品種5種類ほどで造られる「ジュゼー」に分かれています。

こちらのシャン・デ・ヴィーニュは、コアぺが手掛ける最もスタンダード・キュヴェです。
プティ・マンサンは使用しておらず、使用されるのはグロ・マンサンとカマラレのみとなっています。
しかし、コンセプトは他のキュヴェ同様で収穫時期を遅らせ、
収量を減らすことによって極限まで熟度を高められ、凝縮度の高さは圧倒的。
最上級のラ・カノペではアルコール度は16％にも達し、
このシャン・デ・ヴィーニュですらほとんどの場合14％を上回るほどです。
冷涼な気候だからこそ、完熟してなおフレッシュネスが保たれており、
有核類と柑橘類、花のアロマが複雑に混ざり合い、
口内での果実味、ボディ、ストラクチャーも見事なバランスをなしています。