丹波鳥居野 ピノ・ノワール

丹波ワインは1979年、当時照明器具会社の社長を務めていた
創業者、故黒井哲夫氏が欧米で飲んだワインのおいしさに驚き、
私財を投げ打って京都市に創業したワイナリー。
創業当初は、日本酒の酒蔵を借りてワイン造りをしていたそうです。

信条は、欧州の文化を尊重しつつ、
丹波のテロワールを生かし、日本の食文化と相乗するワイン造りを目指すということ。
丹波鳥居野圃場、瑞穂向上野圃場、丹波千原圃場、平林地区に4つの自社農園を所有し、
それぞれの土壌に適した品種を栽培。
農園では現在試験栽培を含めて約40種類の品種を栽培しており、
ワイン造りに適した垣根仕立てでブドウを育てています。

醸造において重要視されるのは料理とのバランス。白ワインにおいては、
発酵前の果汁の清澄やシュール・リー（澱の上での数ヶ月間の熟成）を行い、
微妙な味わいの多い京料理などの和食に合わせやすい、
できる限り雑味が少なく、香りにアクセントが付いたワインが造られます。

また、ブドウの絞りかすやワインの澱、酵母などを畑の堆肥として再生利用したり、
ワインボトルの50％で軽量ビンを使用し原料削減と輸送にかかる環境への負荷を軽減するなど、
環境保全のための自然環境への取り組みをワイナリーとして実施しています。

その良質なブドウから造られたワインは早くから世界で認められ、
1984年に「鳥居野　白」がモンドセレクションで金賞を受賞。
その後も、「チャレンジ・インターナショナル・ドゥ・ヴァン」や
「ジャパン・ワイン・チャレンジ」など、国内外で多数の受賞歴を誇ります。

こちらは自社農園産のピノ・ノワールを使用し、フレンチオークの小樽で熟成し造られた1本。
ピノ・ノワールは皮が薄く、病害虫に弱く、色ものりにくいため、
日本で栽培しているワイナリーの数は多くはありませんが、
テロワールを最も反映する品種でもあるため、
日本では海外とは異なる「奥ゆかしさ」のある味わいのピノ・ノワールが造られます。
飲み続けるほどに香りや味わいなど、しみじみと日本らしさが表現され、
食事に寄り添う控えめな味わいの、奥ゆかしいピノ・ノワールです。

滋味溢れる日本ならではの味わいを持つピノ・ノワールを
是非日々の食卓のお供としてお愉しみください。