ドメーヌ・ビヨー・シモンは、シャブリで今最も注目されるドメーヌの一つ。1815年以来続く名門ですが、1991年に現当主、ベルナール・ビヨー氏が経営に携わるようになり、格段に評価されるようになりました。ベルナール氏は、フランスの美術系学校の最高峰国立高等美術学校、エール・デ・ボザールを卒業し、絵画や彫刻を作りながらコンサルタント会社を経営していたという異色の経歴を持つ人物。彼は開花前の摘芽と、葉を取り除き房に陽光を充分に当てることなど丁寧な畑仕事を徹底しました。

また最新鋭の醸造設備を導入、醸造庫全体の温度と湿度をコントロールできるようにしたことで、フレッシュな果実味が十分にあって酸の角がとれた、非常に上品な味わいのシャブリを生み出しています。

彼らのワインは、シャブリ地区最大のワインコンテスト、「シャブリ・ワイン・アワード」にて150軒のシャブリ生産者の中で頂点に立った実績をもち、レストランでの人気が高く、フランスの100軒以上の星付きレストランで採用されています。ギ・ド・アシェット誌では最高評価を連発、ワイン・アドヴォケイト誌では評価された全てのキュヴェが85点以上を安定してマークするなど、次世代のシャブリ生産者として大きな注目を集めています。

ビヨー・シモンが誇る畑に植樹されているのは、平均樹齢50年の古樹。情熱と伝統、環境に対して最大の敬意を払い、ブドウを栽培しています。長い年月をかけてじっくりと育ててきた樹からブドウはゆっくりと成熟し、どれも味わい豊かで濃縮されたものばかり。高品質なブドウを生み出す事、またそれを維持する事にも注力しています。他のドメーヌよりも極めて遅いタイミングで収穫するのが特徴。これにより、しっかりとしたアロマと豊かな果実味を備えたワインが造られます。

所有する約17haもの畑は、4つの特級畑（レ・クロやヴォデジール、レ・プルーズ、ブランショ）や4つの一級畑（モンテ・ド・トノンネル、フォーシャーム、モン・ドゥ・ミリーユ、レ・ヴァイヨン）など、シャブリ地区の中でも最高峰の区画ばかり。こちらのテト・ドールは、ヴィラージュクラスの中でも一級畑や特級畑に隣接した優良の区画から収穫されたブドウをブレンドして造られているお値打ちキュヴェです。手頃な価格ながらも洗練された味わいが愉しめるハイクオリティワインに仕上がっています。

2015年のブルゴーニュは、白も長く暑い夏を経験した過去のヴィンテージと比べて遥かに素晴らしい年になりました。肉付き良い豊かな果実味がワインにボリューム感を与え、程よい酸味を備えており上品な印象を感じさせます。

外観は深みのあるイエロー。グラスに注ぐと、熟したライムやグレープフルーツなどの柑橘系のアロマに、白い花やハニーサックルのニュアンスが立ち上ります。口に含むと、火打石のようなミネラルと豊かな果実味が広がり、リッチな印象。5年の熟成を経たことにより変化した、透明感のある優しい酸味がフィニッシュへと続きます。今まさに飲み頃を迎え始めており、魚介の料理やキッシュなどとおすすめです。特級畑にや一級畑のエッセンスを感じることのできる１本です。