はるか14世紀よりワイン史に足跡を残す、トスカーナ州フィレンツェの偉大なワインメーカー、アンティノリ。アンティノリのワインビジネスは1385年、ジョバンニ＝ディ・ピエロ・アンティノリ氏がフィレンツェのワインギルドに加盟したことからスタートしました。1970年代には、かの有名なスーパータスカンの一つである「ティニャネロ」、「ソライア」を生み出し、その名を世界中に広く知らしめました。

そして現代においては、ベストワインメーカーやベストワインプロデューサーなど、数えきれないほどの賞を獲得する26代目当主、ピエロ・アンティノリ侯爵と3人の愛娘が運営。創業当時から変わらぬ家族経営のスタイルを貫いています。

そんなアンティノリは、トスカーナ州に始まり、北のピエモンテ州から南はシチリア州に渡り、イタリア全土に10以上のワイナリーを所有。イタリア各地において、「その土地のスペシャリスト」とも言うべき、土地の個性をしっかりと表現をした素晴らしいワインを造り出し、イタリアワイン界のトップメーカーの名をほしいままにしています。

こちらのヴィラ・アンティノリは、現当主ピエロ・アンティノリ氏の父、ニコラ・アンティノリ氏によって熟成可能なキャンティ・クラシコD.O.C.G.として1928年に初リリース。その3年後の1931年には、当時トスカーナでは大変稀少だった白ワイン「ヴィラ・アンティノリ・ビアンコ」を発表しました。

ヴィラ・アンティノリ設立からおよそ80年後の2001年には、スーパータスカンの「ティニャネロ」や「ソライア」の成功を経た後、 現当主であるピエロ・アンティノリにより、「アンティノリが所有するトスカーナ最高の畑から厳選したブドウを使用する」というコンセプトのもと、エレガンスと気品を備えたトスカーナI.G.Tワインとして生まれ変わりました。

その結果、益々クオリティを上げ、特に近年はワイン・アドヴォケイト、 ワイン・スペクテーターともに90点をマークするなど、ワイナリーのコンセプト通りの素晴らしいワインを生産。 アンティノリが造り出す味わいを、お手頃なお値段で存分に堪能できるシリーズとして人気を博しています。

そのブレンドは、サンジョヴェーゼを主体に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドなどを用いる、スーパータスカンの王道をいくアッサンブラージュ。収穫されたブドウは除梗後、優しく圧搾され、温度管理が徹底されたステンレスタンクの中で約7日間発酵します。美しい色合いと柔らかいタンニンを抽出し、高貴な香りを保つためそれぞれのブドウにあった温度で発酵します。

マロラクティック発酵をを終えた後、フランス、アメリカ、ハンガリー産の3種のオークの特注の小樽で12ヵ月間熟成し、8ヵ月間瓶内熟成した後リリースされます。

美しいルビーレッドの色合い。ミントやチョコレート、スパイスに、スミレや熟したチェリーなどの、非常に調和の取れた深く複雑な香り。程よいボリュームがあり、タンニンはスタイリッシュでしなやか。凝縮した果実味が口中に広がり、全体的にまろやかでバランスに優れた味わいで、上品な余韻が長く続きます。 名家アンティノリ家の手腕を存分にご堪能いただける、大変コストパフォーマンスの高いワインです。