ブルゴーニュの白ワイン最高の造り手として君臨するドメーヌ・ルフレーヴは、1500年代からブルゴーニュでワイン造りを始めた名門中の名門。そのドメーヌの名声を築いた故ヴァンサン・ルフレーヴ氏の甥であるオリヴィエ氏は、1982年～1994年の12年間に渡り「叔父のヴァンサン氏と従妹である故アンヌ・クロード・ルフレーヴ氏と共にドメーヌ・ルフレーヴを経営し、ドメーヌの一時代を築きあげた立役者です。

ヴァンサン氏の時代にすでに「世界最高峰のシャルドネ」の名声を欲しいままにしていたドメーヌ・ルフレーヴですが、アンヌ氏が跡を継ぎ、当時としては先鋭的なビオディナミを導入したことで名声はさらに高まり、2006年にはイギリスのデキャンタで「世界で最も優秀な白ワイン生産者」に選出。世界最高峰の白ワイン生産者としての地位を確固たるものにしました。

1984年、このドメーヌ・ルフレーヴから独立したオリヴィエ氏は、自らの名を冠して「オリヴィエ・ルフレーヴ」を設立。現在、ピュリニー・モンラッシェに居を構えるブルゴーニュを代表するドメーヌ兼ネゴシアンです。オリヴィエ・ルフレーヴ立ち上げ時には、ドメーヌ・ルフレーヴのヴァンサン氏も醸造に参画しました。

オリヴィエ氏は、ドメーヌ・ルフレーヴでの経験を生かし、ワインではなくブドウやマストを買い付けるという画期的な手法により高品質のワインを次々とリリース。瞬く間に人気生産者の仲間入りを果たしました。

「偉大なワインは、きれいなブドウと畑から」を信念とするオリヴィエ・ルフレーヴでは、常に上質なブドウを収穫するため、自社畑の他に契約農家からもブドウを購入しています。それらの畑を統括しワインを醸造するのは、ムルソーの名門であるドメーヌ・ルーロ出身の醸造責任者、フランク・グリュ氏。彼は、オリヴィエ氏の右腕として、醸造だけでなくブドウの栽培から買い付けまでを担い、ブドウの品質の向上に大きな役割を果たしています。

契約農家にはオリヴィエ・ルフレーヴのチームが直接出向いて栽培方法や収穫日を細かく指定、全て手摘みでブドウを収穫し、厳しい選別を行うなど、その徹底ぶりは「ドメーヌワイン」と言っても過言ではないほど。こうして造られる彼らのワインは、安定した品質が厳しく求められる一流ホテルやレストランのオリジナルワインに採用されるなど、ワインのプロから「いつ飲んでも高いクオリティを保っている貴重な造り手」と称賛され、高い支持を集めています。

こちらのキュヴェは、自社畑のブドウと買い付けたブドウを使用。ブドウ畑の標高は約250～300mに位置しており、土壌は粘土が混じった石灰岩で構成されています。収穫は全て手摘みで行われ、100％除梗。ブドウを破砕後、低温で17日間発酵を行い、新樽比率25％のオーク樽で11ヵ月間、ステンレスタンクで4ヵ月間熟成を行います。

グラスに注ぐと、ラズベリーやブラックチェリーなどの華やかな果実香に加えて、スミレやなめし革の複雑なニュアンスが広がります。瑞々しい果実味と滑らかなタンニンが見事に溶け合い、しっかりとした旨味が感じられる味わいです。余韻には力強さと気品に満ち溢れており、まさにピノ・ノワールの美しさと力強さが表現された1本。

料理と合わせるなら、マグロなどの赤身の刺身や、スタッフドチキンなど鶏肉を使ったお料理、牛肉のたたきなどがワインのもつ軽快な酸と心地よいタンニンと相性抜群です。ぜひこの機会に名手のエッセンスが詰まった赤ワインを、普段の食卓でお愉しみください。