サン・テミリオンの中でも独特の存在感を放つ、ボルドー右岸の頂点。

華やかなアロマ薫る、エレガンスと複雑味溢れる希少白ワインをお楽しみください。

▼格付けからの撤退

ボルドー右岸のトップシャトーのひとつ、シャトー・シュヴァル・ブラン。サン・テミリオンの格付けは、メドックの格付けと異なり10年ごとに見直されますが、1995年の制定当初から最高位である第一特別級のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに長年君臨し続けていたのは、シャトー・シュヴァル・ブランとシャトー・オーゾンヌだけでした。

しかし、これらの2シャトーは、2022年のサン・テミリオン格付け更新時に、「格付けの評価基準がワイナリーの基本理念に沿わない」という理由から、格付けから撤退しています。

また、近年では生態系を尊重する農業「アグロエコロジー」に力を注ぎ、トップシャトーの中でもシャトー・ラフィット・ロスチャイルドと並び、自然環境保全を推進しています。生物多様性の回復や気候変動の抑制を目指し、敷地内への植樹、ブドウ畑に羊を放牧して草を食べさせたり、土中の生態系を保つために耕作を止めるなど、様々なアプローチでより優れたブドウ栽培へ進化し続けています。

▼初リリースは2014年

こちらは、シャトー・シュヴァル・ブランがサン・テミリオンで造る白ワイン。2008年にペトリュスの現醸造責任者であるオリヴィエ・ベルーエ氏とシュヴァル・ブランの技術責任者であるピエール・オリヴィエ・クルーエ氏が、赤ワイン用の樹にソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを接ぎ木したことが始まりです。2009年から2013年まで栽培・醸造において試行錯誤を繰り返し、2014年に僅か3,000本のファーストヴィンテージをリリースしました。

シュヴァル・ブランに隣接した6haの畑で栽培されるソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使用。畑は粘土質、砂質、礫質の土壌から成り、ブドウは約12の区画毎に収穫後、空圧式圧搾機で優しくプレスします。その後、600Lのドゥミ・ミュイ、15hLのフードル、15～30hLの木樽にて発酵。テイスティングを行いながら攪拌の頻度を抑えていき、ブレンド後に16～18カ月間熟成されます。妖艶なアロマが薫り、エレガンスと複雑味溢れる味わいです。

▼2022年ヴィンテージ

2022年のボルドー地方は、記録的な高温と乾燥した気候が全生育期にわたって続いたヴィンテージ。2005年、2011年、2015年と並び、最も乾燥したヴィンテージのひとつとなりました。

水不足により、ブドウは小粒で、ソーヴィニヨン・ブランの収量が少なかったものの、保水力の高い粘土質土壌で育ったセミヨンは干ばつの影響をあまり受けなかったため、例年よりもブレンド比率が高くなっています。